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ページ番号:209653

掲載日:2021年12月22日

令和3年12月定例会 意見書・決議

意見書・・・次の6件です。

決議・・・・次の2件です。

 動物の適正な飼養確保に関する意見書

国は、動物取扱業の更なる適正化や動物の不適切な取扱いへの対応の強化などを図るため、令和元年に動物の愛護及び管理に関する法律(以下「動物愛護管理法」という。)を改正し、段階的に施行している。
本年6月には、動物取扱業者が動物の飼養及び保管を行うにあたり、動物にとって必要な運動や休息を確保できるような施設・設備の数値などをはじめとする飼養管理基準が具体化された。
第一種・第二種動物取扱業者は、新たな飼養管理基準に従い、犬・猫のケージ等について、設備投資が必要となった。さらに、従業員1人当たりの犬・猫の飼養保管頭数に上限が設けられるなど、業者には大きな負担が発生している。
また、動物の適正な飼養の推進に関しては、民間の動物愛護団体や個人などのボランティアが担う役割が大きくなっているものの、その活動に係る費用の多くは自己負担となっており、継続性等に課題がある。
そして、令和4年6月から、犬猫等販売業者に対し、販売する犬・猫に個体識別のための情報を記録したマイクロチップの装着やデータベースへの飼い主情報の登録が義務化される。
マイクロチップの普及が進めば、迷子の場合などに所有者が判明しやすくなり、引き取った犬・猫の返還が速やかに行われることで、殺処分数が減少すること等が期待される。しかしながら、ISOに準拠していないマイクロチップが一部で流通しており、犬・猫を保護した行政機関や動物病院などに配備されているリーダーではデータを読み込めない事態が発生している。
国は、今後、マイクロチップ本体の基準を定めることとしているが、基準が混在した状態では、装着義務化の効果が十分に発揮されない恐れがある。
ところで、人気の高い品種の犬・猫は、いずれも突然変異で生まれた個体の特徴が注目され、品種改良によって当該特徴が固定化されて作り出された品種であり、純血種の維持や人気品種の大量出荷を目的としたブリーダーなどによる近親交配の結果、特定の遺伝子を原因とした疾患を持つ犬・猫が生まれる問題が発生している。
遺伝性疾患を持つ犬・猫は、短命であったり、体の一部が奇形であったりすることが多く、犬・猫にとっても、飼い主にとっても不幸な結果となる。近年では、ペットショップなどの事業者による取組として、独自に犬・猫の遺伝子検査を行う等の個別対策にとどまっており、一律の遺伝子検査の義務化が必要である。
そして、動物の虐待事例など地方自治体が緊急的に一時保護する必要がある場合であっても、飼い主の同意がない限り対応が困難である。
加えて、動物には公的な健康保険制度がなく、怪我や病気になった際の治療費は飼い主の全額負担であることから、その負担は大きなものとなっている。しかし、ペット保険に加入していれば、怪我などの際の飼い主の経済的負担は大幅に軽減され、適切な治療を受けることが可能となっている。
よって、国においては、動物愛護管理法の改正に伴い負担が生じる動物取扱業者等を支援するとともに、動物の適正な飼養の確保等を図るため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 動物愛護管理法改正に対応する動物取扱業者への財政上の支援を行う地方自治体に対し、国が財政上の支援を図ること。
2 動物愛護団体等へのインセンティブ付与などに対する財源の確保に向けて検討すること。
3 マイクロチップ本体の基準を定める際に、動物ID普及推進会議(AIPO)の使用するISOに準拠したものとすること。
4 事業者に対し、販売する犬・猫への遺伝子検査とその遺伝子検査に係る費用を助成する仕組みを整備するために十分な検討を行うこと。
5 動物の虐待など地方自治体が必要と認めた場合には、動物を一時的に保護できるよう法制度を整備すること。
6 動物の飼い主に対し、ペット保険の加入促進を図るとともに、ペットショップなどの事業者で加入を勧めるなどの施策を実施すること。
7 欧州ではブリーダーや保護施設などからの犬・猫の購入や譲渡が主流となりつつあること等を踏まえ、ペットショップについてはそのあり方、ブリーダーについては優良事業者のための国家資格の創設などについて検討すること。また、第一種・第二種動物取扱業者に対する免許制の導入を検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年12月22日

埼玉県議会議長 梅澤 佳一 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣        様
財務大臣
環境大臣

 再生資源物の屋外保管施設の立地規制等に係る法整備を求める意見書

我が国は主要な資源の大部分を輸入に依存しているため、大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済システムから、資源を再利用する循環型経済システムへの移行・進展が持続的な発展に不可欠である。
国は、いわゆる資源有効利用促進法や小型家電リサイクル法などを制定し、製造等事業者に対し、小型家電やリチウム蓄電池などの再生資源物の回収や再資源化を義務付けるとともに、製品の省資源化や長寿命化などを促し廃棄物の発生抑制を行ってきた。
近年、再生資源物の屋外保管施設において、鉛等の有害物質を含む電気電子機器等のスクラップが、環境保全措置が十分に講じられないまま破砕や保管されることにより、火災や有害物質漏出などの環境問題が頻発している。
廃棄物に関する規制に関しては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。)が存在する一方で、再生資源物の保管又は処分を業として行う者に対する許可制度がなかった。そのため、国は、平成29年に、廃棄物処理法を改正し、スクラップのうち有害な特性を有する使用済みの機器(以下「有害使用済機器」という。)の保管又は処分を業として行う者に対し、知事への届出や保管・処分等の基準の遵守を義務付ける制度を設けた。
しかしながら、規制対象となる有害使用済機器は、家電32品目に限定されており、また、業務用の機器や、かつては有害使用済機器であったものでも破砕され形状が変化した場合などは、法令の規制対象外となっている。
規制対象外の再生資源物が集積された屋外保管施設においては、堆積物の崩落、自然発火、雨水の浸入による汚水流出などの発生リスクが極めて高く、さらには、操業に伴う騒音、振動、悪臭の発生などと合わせ、地域住民の安全や生活環境の保全に対する重大な脅威となっている。
よって、国においては、国民の安全や生活環境の保全を図るため、下記の事項を速やかに実施するよう強く要望する。

1 現行法制度における規制対象外の再生資源物が集積された屋外保管施設について、法による立地規制を速やかに制度化すること。
2 再生資源物の保管又は処分を業として行う者に対する許可制度の創設を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年12月22日

埼玉県議会議長 梅澤 佳一 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣        様
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣

 幼稚園教諭・保育士の定期的な救命講習受講の義務化を求める意見書

就学前の乳幼児の教育・保育現場における事故が年々増加している。国の統計によれば、令和2年中に幼稚園や保育所などの全国の教育・保育施設で発生した死亡事故及び重篤な事故は2,015件となり、現在の集計方法に変更された平成27年以降で過去最多となった。
このような中、事故を未然に防ぐ、又は、重大事故への発展を防止するためには、コロナ禍であっても安全への対応を万全にするべく、幼稚園・保育所の職員が定期的に救急救命対応の講習を受講することが不可欠である。
よって、国においては、幼稚園・保育所における重大事故の防止を図るため、幼稚園教諭や保育士をはじめとした幼稚園・保育所職員に対して、救命講習の定期的な受講を義務付ける措置を速やかに実施するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年12月22日

埼玉県議会議長 梅澤 佳一 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣        様
総務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣

 不動産登記法第14条第1項に基づく登記所備付地図の早期集中的な整備を求める意見書

不動産登記法第14条第1項の規定により、各登記所には土地の位置及び区画を明確に表す地図(以下「登記所備付地図」という。)を備え付けなければならないこととされている。
登記所備付地図が整備されるまでの間の代替措置として、当該地図に準ずる図面(以下「公図」という。)を備え付けることができることとされているが、この公図は、明治初期の地租改正の際に作成されたものが多いことから正確性に欠け、現況とは異なるため、道路整備事業や土地に対する課税適正化などに支障を来している。
そこで、国土調査法に基づく地籍調査が昭和26年に開始され、その成果に基づいて登記所備付地図が順次整備されてきたが、事業の主要な担い手である市町村において、必要な予算や職員の確保が困難になっていることなどから、その進捗率は令和2年度末で52%にとどまっている。
一方、全国の法務局及び地方法務局では、大都市や地方の拠点都市等における登記所備付地図整備事業が行われている。この事業では、登記官が直接関与すること等により境界がほぼ定まるという成果が上がっており、その一層の実施が日本全土の地図整備に資することが期待されている。
登記所備付地図が整備される効果としては、公共事業の円滑化・コスト削減、災害復旧の迅速化、土地に対する課税の適正化・公平化などが挙げられる。
よって、国においては、登記所備付地図整備事業における単年度当たりの実施範囲等を大幅に拡大するとともに、全国の登記所備付地図が整備されるまでの工程表を示し、継続的に予算化を図るよう重ねて強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年12月22日

埼玉県議会議長 梅澤 佳一 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣        様
法務大臣

 特定健康診査への歯科健康診査の導入を求める意見書

特定健康診査(以下「特定健診」という。)は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、国民の死亡原因の約6割を占める生活習慣病の予防のために、40歳から74歳までの者を対象に毎年実施されている。
特定健診の結果によって、生活習慣病の発症リスクが高く、生活習慣の改善による予防効果が多く期待できる者に対して、保健師や管理栄養士などの専門スタッフが特定保健指導として生活習慣を見直すサポートを行っている。
そもそも生活習慣病は、バランスの取れた食生活や適度な運動習慣を身に付けることにより予防することが可能である。ところが、むし歯や歯周病、歯の喪失などの歯科口腔に関わる疾患等によりそしゃく機能や口腔機能が低下した場合には、野菜等の摂取は減少する一方で、脂質やエネルギーの摂取量が増加することで、肥満につながり生活習慣病のリスクが高まることが指摘されている。
一方で、誤嚥性肺炎や口腔がんなどの重大疾患及びフレイルは、歯科健康診査(以下「歯科健診」という。)を受け、適切な口腔ケア等を行うことにより予防できるものもある。
現在、40歳から74歳までの者を対象とした歯科健診は、健康増進法に基づく歯周疾患検診及び健康保険組合等が独自に実施する健康診査に委ねられているが、その実施状況が不十分であることが課題となっている。
令和元年度における特定健診の受診者数は約2,994万人にのぼり、歯周疾患検診の受診者数である約36万人の84倍に相当する。したがって、特定健診に歯科健診を導入することで、特定保健指導の効果とも併せて、口腔の健康の増進につながり、ひいては国民の生活習慣病の予防に関して大きな成果を上げることが期待できる。
よって、国においては、国民の生活習慣病の予防に資するため、特定健診に歯科健診を導入するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年12月22日

埼玉県議会議長 梅澤 佳一 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣        様
厚生労働大臣

 学校施設への空調設備の整備促進を求める意見書

近年、全国各地で記録的な暑さを更新するなど、夏の暑さが厳しくなっている。児童生徒が学校内で熱中症になる事例も多い。
国の調査では、空調設備改修後に教育環境の向上が見られるとの結果も出ている。
また、新型コロナウイルス感染症対策のため、児童生徒が長時間を過ごす学校内においても、こまめな換気や温度調節が求められており、空調設備の早急な整備が不可欠となっている。
昨今、体育館等が避難所として指定されている学校も多くあり、過酷な避難所環境では災害関連死につながる危険性も大きい。
本年8月に国の有識者会議がまとめた「新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方について」の中間報告では、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止、熱中症対策等の視点から、冷暖房設備等の整備を積極的に推進する必要がある。また、地域の避難所となる体育館の空調設備の整備についても、断熱性能を確保した上で推進していくことが重要である。」旨報告された。
しかしながら、令和2年9月現在の全国の小・中学校への空調設備の設置率は、普通教室では92.8%と相当程度進んだものの、特別教室は55.5%、体育館に至っては5.3%と非常に低くなっている。また、高等学校については、普通教室では87.0%、特別教室で46.8%、体育館で3.3%と小・中学校よりも更に低い設置率となっている。
国は、小・中学校の空調設備を含む大規模改造事業の補助率を3分の1としており、補助率が低いために設置が進んでいない。また、高等学校は補助の対象外とされている。
よって、国においては、児童生徒が安全に、また安心して学校生活が送れるようにするため、耐震化、老朽化対策、防災対策等と同時に、全ての学校、特に特別教室や体育館において空調設備の整備を進めるべく下記の事項を速やか実施するよう強く要望する。

1 小・中学校については、補助率の引き上げなどの支援を強化すること。
2 高等学校についても、小・中学校と同様な学習環境の整備が求められているとともに、災害時においては地域住民の避難所となることから、体育館等を含めた学校施設における空調設備を補助対象とし、併せて空調設備に係る光熱水費の普通交付税措置などを充実させること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和3年12月22日

埼玉県議会議長 梅澤 佳一 

 

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
総務大臣
文部科学大臣

 哀悼決議

埼玉県議会木下高志議員の逝去を悼み、謹んで御冥福を祈る。

以上、決議する。

令和3年12月22日

埼玉県議会 

 北朝鮮による拉致問題に対する理解を深めるための取組の更なる推進等を求める決議

新潟市の中学生だった横田めぐみさんが、下校途中で北朝鮮に拉致されてから44年が経過した。当時13歳だっためぐみさんは57歳になり、家族と引き離され人生の大半を北朝鮮の地で過ごしている。北朝鮮による拉致被害者家族連絡会初代代表を務めためぐみさんの父、横田滋さんは、遂に娘に再会することが叶わず、昨年6月に87歳で永眠された。さらに、拉致被害者の田口八重子さんの兄で、家族連絡会代表を務めた本県在住の飯塚繁雄さんが、本年12月に83歳で永眠された。
拉致被害者及び特定失踪者本人やその家族は、高齢の方も多くなっている中、拉致被害者等全員の帰国を実現するためには、この拉致問題に対し、政府の対応のみならず、継続的な国民運動として広く展開させ、県庁全体としての取組により県民の問題意識を高めることも重要である。
家族連絡会と北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会は、アニメ「めぐみ」の学校上映拡大を運動方針の重点項目として取り組んでいる。
一方、国は本年4月、都道府県教育委員会等に対し、アニメ「めぐみ」や映画「めぐみ」を学校等において上映を促進するために「北朝鮮当局による拉致問題に関する映像作品等の活用促進について」の依頼通知を発出し、学校等の関係機関に周知することを求めている。
言うまでもなく、拉致問題は非道な人権侵害であるとともに、我が国の主権を踏みにじるものであり、国家の責任において解決すべき喫緊の課題であるため、継続的な啓発を図り、広く国民が認識して共有すべき問題である。
よって、本県議会は、児童生徒をはじめ県民が拉致問題について深く認識し、人権問題として考える契機とするため、県において下記の措置を講ずるよう強く求める。

1 県内の関係機関等において、アニメ「めぐみ」、映画「めぐみへの誓い」等の上映・視聴や拉致問題関連書籍の閲覧等を通じて、北朝鮮による拉致問題に対する理解を深めるための取組を更に推進すること。
2 各部局で開催する各種イベントで拉致問題を積極的に取り上げるとともに、関係団体との連携を更に強化して、拉致問題の解決に向けた世論を一層喚起していくこと。
以上、決議する。

令和3年12月22日

埼玉県議会

 

  • 注意:議員の氏名の一部にJIS規格第1・2水準にない文字があるため、第1・第2水準の漢字で表記しているものがあります。

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議会事務局 政策調査課 政策・法制担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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