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掲載日:2023年5月19日

平成27年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (木村勇夫議員)

高齢者がいつまでも埼玉県に暮らし続けられる医療・介護体制について
~日本創成会議の高齢者の地方移住への反論~

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)

超少子高齢化社会が進展している今、日本は人口減少時代に突入しました。このままでは、低出生率と人口の東京一極集中によって、多くの地域が消滅に追い込まれていくという大きな課題を日本は突き付けられています。
そうした中、民間の有識者で構成し、増田元総務大臣を座長とする日本創成会議は、6月4日、「東京圏高齢化危機回避戦略」と題する提言を発表しました。今回の提言は、昨年5月に発表され、全国896市区町村が人口減少によって出産年齢人口の女性が激減する「消滅可能性都市」であるとした、あのリポートに次ぐ第2弾であります。
この第2弾では、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を含む東京圏では、今後10年間で75歳以上の後期高齢者が平成27年の397万人から572万人になると予測し、増加数は175万人で、全国の3分の1を占めるとしています。このような急激な高齢化のあおりを受け、東京圏においては、医療や介護に十分な対応ができなくなり、その結果、2025年には介護施設が東京圏では約13万人分、埼玉県では約2万4,000人分不足すると推計し、高齢者が病院や施設を奪い合うというような構図まで予測しています。東京圏でそれを補うよう施設などの充実を目指せば、費用が膨らむことに加え、地方から東京圏への人口流出にも拍車がかかると見て、施設や人材に比較的余裕があり、サービス費用も安い地方に移住を促すための環境整備を進めるよう求める内容となっています。
特に本県の試算を見ると、2025年までの増加率は、入院需要では25パーセント、また介護需要に至っては52パーセント増という数字が示されており、これらの増加率は、いずれも東京圏で最も高いものになっています。このような予測が現実化すれば、入院需要、介護需要ともに東京圏内で最も増加する本県は、深刻な医療・介護不足の状態に陥ってしまうことが予測されます。このような本県に対する大変気がかりなデータが示されている中、まず、知事に伺います。
日本創成会議が作成したこの提言において、将来的な医療・介護需要の増加が見込まれる数字が公表され、東京圏の中でも埼玉県は特に高い数字が示されております。また、医療・介護施設の不足が深刻化することも指摘されております。知事は、このような数字をどう受け止められていますでしょうか。本当に正しいものなのでしょうか。今お持ちの現状認識を教えていただきたいと思います。
また、その一方で、対応策として東京圏の高齢者の地方への移住の促進が効果的な手だてとして示されています。私も最初に耳にしたときは、なるほどそうかもなと素直に思ったのですが、今では、やっぱり違うのではとの疑念を抱いています。それは、これまで地域で生活し、社会に貢献してきた高齢者を、今は増え過ぎたから、どこか地方に移住してほしいという考えは余りにも無責任で、冷たいものだということであります。
東京圏に居住する高齢者の地方での受皿として、移住した地方で健康でアクティブな生活を送り、医療・介護が必要になったときには継続的なサービスが受けられるというコミュニティづくりを進める、日本版CCRC構想が期待されているのは存じております。しかし、一個人として立ち返ったとき、その人を支え続けていくのは、家族であるとともに地域であると思います。住み慣れたところで暮らし続けたいと思うのが人情であり、それを支えるのが政治の責任だと思います。
県では現在、市町村と連携した地域包括ケアシステムの構築に熱心に取り組むなど、高齢者に優しい県を目指しているものと受け止めています。本県としては、そうした施策を充実させて、高齢者に是非本県に残ってもらいたいという施策、言い換えれば埼玉県で自立自尊を目指す施策を強力に推し進めていくべきと考えます。
そこで知事に伺います。こうした日本創成会議による提言は一定の理解を示せるものではあります。しかし、高齢者がずっと本県に暮らし続けられるよう、また本県に残りたいと思ってもらえるように、全国一の医療・介護の体制を構築することこそが、真に必要なものだと私は考えますが、知事の御所見を伺います。

A 上田清司 知事

「高齢者がいつまでも埼玉県に暮らし続けられる医療・介護体制について~日本創成会議の高齢者の地方移住への反論~」についてのお尋ねでございます。
日本創成会議の今回の提言は、東京圏の重要な課題という問題意識は同じでありますが、少し雑な議論かなと私は思っています。
特に高齢者の地方移住ということについては、木村議員と同じように全く私の考え方と異なっております。
確かに2025年までの10年間に後期高齢者人口が約1.5倍、先ほど私、120万人と言ったかもしれませんが、118万人になります。
このことから、日本創成会議の提言が示した医療や介護需要の高い伸び率があることは間違いない事実です。
しかも、本県の介護施設のベッド数が約2万4千人分不足するという試算は、2025年の必要ベッド数を現在の介護施設などのベッド数と単純に比較しただけでございまして、その間全く増えないことを前提にしておりますのでこれも乱暴な議論で、増えないわけがないわけでありまして、そういう点では今後の本県の施設整備計画なども全く考慮しない単純な試算でないかということで、この辺についてはむしろ、こういうことは困るなと思っております。
次に、全国一の医療・介護体制を構築することについてでございます。
住み慣れた地域で生きがいを持ちながら安心・安全に生活し続けられることは、高齢者にとって基本的には最も幸せなことではないかというふうに思っております。
このため、医療においては、10年先の医療需要を見据えて地域医療構想を策定し、高度急性期から在宅医療までの切れ目のない医療機能というものを充実させていかなければならないと思います。
今年度からは郡市医師会などに在宅医療連携拠点を整備し、看護師などの専門職を配置のうえ、医師や訪問看護師などの関連職種によるチーム往診で患者を支える仕組みの構築を支援していきます。
介護においては、急速な高齢化の進展を踏まえて特別養護老人ホームの計画的な整備に取り組んできました。
その結果、御案内のとおり一都三県の中では待機者数が一番少ない現況にあります。
今後3年間で、特別養護老人ホームなどの介護施設を約1万5千人分整備してまいります。
先程2万4千人分足りないということですが、この3年だけでも埼玉県は1万5千人分、10年分の中で2万4千足りないということですが、現在の埼玉県は3年で1万5千人分を用意する計画でございます。
加えて、施設だけに頼ることなく、増え続ける医療・介護需要を抑制することも実はそれ以上に大事なことと思っております。
本県の75歳以上の後期高齢者の要介護認定率は現在約28パーセントでございますので、実は7割強の人達が要介護ではなくて元気だ、こんなふうに言えるわけでありますので、まさにこうした元気な人のパーセンテージを増やせないかということをもっと考えていかなければならないと私は思っています。
このために、高齢者の方々にいつまでも元気でいていただけるように、あるいは少々要介護の方も復活してもらうために、健康長寿プロジェクトなどを全県的に展開できるような形にしていきたいと考えているところです。
さらに、在宅医療や在宅介護サービスの充実を図りながら、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができる「地域包括ケアシステム」の構築を市町村とともに努めていきたいと考えております。
できるだけ高齢者の方がずっと埼玉で暮らしていく、むしろ埼玉に移住したくなるようなことを私達はできるだけ考えて、それを推進していきたいと考えているところでございます。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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