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掲載日:2023年5月19日

平成27年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (木村勇夫議員)

知事4選出馬の経緯と決意について

Q 木村勇夫議員(民主・無所属)

上田知事は先日、4期目に向けての出馬の記者会見を行いました。上田知事は、これまでの3期12年間において、行政改革や治安の回復など様々な分野において着実に実績を上げ、県民福祉の向上や県政発展に大きく寄与されたと高く評価をしております。
そして、昨年夏以降、県内の商工団体や町村長会、市長会の有志など、各種団体や多くの県民の皆様から出馬要請を受けて、今回の決断に至ったものと承知をおります。私が御一緒した8年間で感じたことは、知事室に常に施策指標の目標を数字で掲げ、常にそれを意識して課題解決のための取組をしていることであり、その姿勢に強く共感をしているところであります。多くの都道府県知事の取組の中で、これだけ目標値を意識している知事はいないと思いますし、客観的な数値から見て、これほどまでに実績を残している知事はいないと思います。
我が会派は、今年2月の定例県議会で、当時の吉田芳朝代表が行った代表質問において、4選出馬の要請を行っております。また、先日の出馬記者会見を受けて、民主党埼玉県連では友情支援を決定させていただいております。
しかしながら、県民の皆様の間には、3期までと定めた多選自粛条例があるにもかかわらず、なぜ4期目を目指すのか、何か釈然としないという声があるのも確かです。我が会派としては、知事には、こうした県民の声に明快にお答えをしていただいた上で、埼玉の発展に向けて選挙戦に臨んでいただきたいと思います。
そこで、上田知事にお伺いをいたします。
1つ目、御自身で提案をして可決をされた多選自粛条例を守れなかったことに対して、県民の間には「釈然としない」という声があります。禁止条例ではなく、あくまで自粛条例ですが、こうした県民の声にどのように答えていくのでしょうか。
2つ目、一般論としては、巨大な権限を持つ首長の多選には、業界団体との癒着が生まれるなど弊害があると言われています。一方で、全国の首長の中には、期を重ねるごとに円熟味を増し、すばらしい行財政運営を行っている首長もいらっしゃいます。知事は、多選の弊害は防ぐことも可能だとおっしゃっていますが、どのように防いでいくのでしょうか。
3つ目、今回の4期目に向けての出馬の決意は、思いを託せる後継候補者の擁立が難航し、御自身にとっても苦渋の決断であったと推察をいたします。多選自粛条例があるにもかかわらず、なぜ出馬を決断しなければならなかったのでしょうか。この先の県政の課題と、4期目に当選をしたならば成し遂げたいことは何なのでしょうか。
以上、知事4選出馬の経緯と決意についてお伺いいたします。

 

A 上田清司 知事

まず、「知事4選出馬の経緯と決意について」のお尋ねのうち、多選自粛条例を守れなかったことに対する県民への説明についてでございます。
私が知事に就任する前、不祥事があり県政の信頼が揺らいでおりました。
私は、国会議員時代からの政治信条もあり、多選自粛ではなく多選禁止条例まで踏み込んで県政の信頼回復を図ることが必要だとまで考えておりました。
しかし、禁止条例では「職業選択の自由」など憲法に抵触する恐れ、また、さらに地方自治体の長は住民が選挙で選ぶという民主主義の根幹からしても問題があるという御指摘もいただきました。
そこで、禁止ではなく「連続して3期を超えては存在しないよう努める」という努力義務規定としての「自粛条例」とさせていただいた経緯でございます。
この条例を守るべく、私自身様々な努力を行ってきたつもりでございます。
まずは、一期ごとに成果を出す、そのように努めてまいりました。
そして任期を終えるときには、次の4年間で自分が果たすべき役割があるかどうか自問自答し、その都度自らの進退を判断してまいりました。
また、来るべき知事選挙に向けては、人格、識見、行動力ともに優れた方々に水面下で出馬の働きかけも行ってまいりました。
いろんな、ぎりぎりの努力をしましたが、タイミングや環境という課題もあり、残念ながらかなうことができませんでした。
こうした中、市長会の大多数の有志の方々や町村会のほか、数多くの団体から出馬の要請を受けておりました。
私は、次の4年間というのは普通の4年間ではないと思っております。
10年後の2025年には「団塊の世代」が後期高齢者になり、介護や医療をどうするのか、また生産年齢人口が急激に少なくなっていくときに、「稼ぐ力」をどうするのか、10年後に向けてこうしたことを今から手を打つべく重要な4年ではないかというふうに考えております。
悩みに悩んだ結果、県民の利益のためには、自らの政治信条を、ある意味では自分自身の名誉を傷つけ、あるいは自分自身の美学を貫くことができない、それ以上に「あとは野となれ山となれ」というような形にはなかなかできない、そんな思いで出馬を決意した次第でございます。
自ら定めた努力義務規定の下で出馬することについて、いろいろな御批判をいただいていることについては、私自身が大変重く受け止めております。
全く私の不徳の致すところであり、県民の皆様、県議会の皆様にも心から深くお詫びをするところです。今後私が掲げます公約とこれまでの実績と、この条例下で出馬するという私の姿勢も含め、県民の皆様の判断を仰ぎたいと考えております。
次に、多選の弊害をどのように防ぐかということについてでございます。 
私が当初多選イコール弊害と直ちに結び付けていたことについては、今思えば本当に観念論で、繰り返しますが、当時においても多選で立派な市長さんたちもおられた、こんなふうに思いますので、正に自らの不明を恥じるところでもございます。
ただ、一方で期数を重ねれば、より自重自戒を進めていくことも重要だというふうに思っています。
特にトップは、部下も含めたいろんな意見を聴く努力、このことが必要だと思っています。あるいは御承知かもしれませんが、大きな会場で私、結構1時間ぐらい、会場の中をぐるぐるぐるぐる回っているのを見ておられるかもしれませんが、酔っぱらった勢いでもいろんな意見を聴いておいたほうがいいということで、いたずらに会合を4つ重ねるよりも、2つの会合で丁寧に回るという方を私自身は選択しています。
これも一般の方々の意見を聴くという私自身の考え方によるものでもございます。
また、私自身がそうでなくても、勝手に職員の方が遠慮して、私自身にものを言わなくなることも期数を重ねればあるのかなと思っておりますので、とりわけ常に私自身にいろんな注文をつける人の方が重用されるという空気を作るべく努力を、これまでもしてきましたし、毎日とは言いませんが、毎日のように何らかの形でいろんな意見、苦言、提案をしに来る職員も多くございます。
私自身、毎年新しい年度になれば、各部長とのその年の「課題と目標」について30分程度の意見交換をさせていただきます。また、副部長とは昼食を取りながらざっくばらんに意見交換をさせていただいております。さらに課長とも「その課の課題」についての意見交換をさせていただき、ポイントがずれているとか、妙におもねるような話があったりすれば、ただちにやり直しということで、もう一度議論させていだくこともやっているところでございます。
ただ、こうしたことについても、どこまで最終的に弊害が抑えられるかということについて、私は確信を持てるところではございませんが、いろいろそういうブロックをすることが大事だというふうに認識をしております。
次に、県政の課題と4期目に当選した場合に成し遂げたいことについてでございますが、なんといっても、2025年に75歳以上の高齢者が現在の77万人から120万人になることでございます。
そして、元気な方も多いのも事実ですが、そうした方々の医療、介護、そうしたネットワークをどう作り切れるかというのがこれからの課題でもございます。
地域包括ケアシステム、これも国は言っておりますが、まだ正確に中身が決まったわけでもございません。
そして、国民健康保険制度も、市町村から県に移管されます。この場合、県に移管されますが、窓口はどうしても市町村ということになってまいります。介護保険も市町村です。実務として市町村と県が信頼関係の中で、丁寧にやっていく必要がある。このことが実は、これからの2025年問題の一番重要なポイントではないかと思っております。
まさに一緒にやらなければならないということであります。
もう一つ大事なことは先ほども申し上げました、生産年齢人口が2025年までに約51万人減ります。鳥取県1県分ぐらいが減る形になりますが、この人たちの「稼ぐ力」をどこでカバーするか、こうした部分についても多分にその鍵は、先端産業創造プロジェクトをはじめ、ウーマノミクスプロジェクトだとか、あるいはまたシニアの元気を維持する健康長寿プロジェクトなど今本県が抱えている課題なんかがそうではないかと、このように私は思っております。
さらに首都圏全体の問題として、時には膨大な東京都の課題を、神奈川はそれに近いので、埼玉や千葉がカバーするようなそういった事態もこれから起こってくるのかなというふうに考えるところでございます。これらの問題を解決するそうしたときに、心ならずとも私は自分自身その任に堪えて頑張ろうというそういう思いを持ったところでございます。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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