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掲載日:2023年5月18日

平成27年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (萩原一寿議員)

公立夜間中学の設置について

Q 萩原一寿議員(公明

戦後の混乱や不登校など、様々な事情で義務教育を終了できなかった人たちが学ぶ公立夜間中学があります。学習機会に恵まれなかった人などの再チャレンジの場として、全国31校に約2,000人が学んでいます。夜間中学を正確に言えば、公立中学に設置されている夜間学級ということになります。首都圏においては東京で8校、神奈川県で2校、千葉県でも1校設置されています。しかし、埼玉県内には1校もないのが現状です。
先月、私は東京都足立区立第四中学校内に設置されている夜間中学を視察しました。全部で9教科、夕方5時半から授業が始まります。授業は、黒板に向かう生徒たちの真剣なまなざしが大変に印象的でした。最高齢は85歳の方です。その方が88歳で高校生、92歳で大学生になることを目指されている内容の和歌を拝見したときに、目標を持って生きることとともに、学ぶ場のすばらしさを強く感じました。また、本年3月に卒業生37名のうち、23名が高校に進学し、うち6名が全日制なのも夜間中学設置の一つの成果と考えます。
そして、この夜間中学では、在籍している生徒75名のうち10名は埼玉県民であります。また、昨年度、都内8校ある夜間中学には20名の埼玉県民が在籍していました。埼玉県民でも、都内に勤務している方は夜間中学に通うことができるので、一定の方が都内の夜間中学に在籍しているわけです。
しかしながら、埼玉県内で中学校を卒業していない、いわゆる義務教育未終了者の方は1万人以上いると言われています。ですから、埼玉県内でも夜間中学に学びたいという潜在的なニーズが多くあるのではないかと考えます。学ぶ意思のある人たちのために、勉強の機会をつくることは大切なことです。本県内に公立の夜間中学を設置すべきです。そこで質問です。
本県において、公立の夜間中学の設置に向けてどのようにお考えか、上田知事に伺います。
また、今年度より、国において未設置道県が夜間中学を設置する上で、課題解決の研究やニーズの調査のための予算計上をしておりますが、これに対して本県としてどのような対応をしているのか。さらに、現在、教育局内に中学校夜間学級設置検討会議準備委員会を立ち上げておりますが、今日までの動きと夜間中学の設置に向けての条件について教育長にお尋ねします。

A 上田清司 知事

義務教育における普通教育をやむを得ぬ事情により十分に受けられなかった方々に学ぶ機会を提供することは、極めて意義のあることだと思います。
次の国会において、超党派の議員連盟が夜間中学設置に関する法案の提出を目指すと報道されております。
現時点では法案の詳細や国の方向性が、まだ明確に示されておりません。
しかし、埼玉県民が東京都の夜間中学に通っているという現実は、極めて重いものがございます。何らかの形で、埼玉県も受け止めなければいけないものだと考えます。
夜間中学については、どこが設置すべきなのか、設置や運営に係る費用負担をどうするかなど、検討すべき課題も数多くございます。
現在、教育委員会において課題の整理を行っているところでもございます。
今後も国の動向に対応できるよう、教育委員会でしっかり準備をしておくことが大切であると考えております。

A 関根郁夫 教育長

まず、「国の調査のための予算計上に対する本県としての対応」についてでございます。
この予算は、国が地方に中学校夜間学級の設置の検討を促すために平成27年度に新規に計上したものでございます。
本県では、この国の事業予算に先駆けて準備委員会を立ち上げ、独自に調査研究を進めているところでございます。
次に「中学校夜間学級設置検討会議準備委員会の今日までの動き」についてでございます。
準備委員会はこれまでに2回開催し、中学校夜間学級設置に関する課題の整理や情報収集などを行ってまいりました。
また、近隣都県に設置されている中学校夜間学級を実際に視察し、情報収集を行いました。
次に、「夜間中学の設置に向けての条件」についてでございます。
設置に向けては、設置主体や費用負担のほかに、さまざまな課題がございます。
例えば、全国の夜間学級に通う生徒の8割以上が外国籍の方であるという実態から、就学の対象とする生徒の範囲やその把握方法などの課題もあると考えております。
また、義務教育として、学習指導要領に基づいた教育課程の編成や教職員の人事配置、卒業認定の在り方などの課題や条件がございます。
今後も、国の動向に注視しつつ、引き続き、調査・研究に努めてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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