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掲載日:2023年5月19日
Q 井上 航議員(県民)
先ほども触れたように、2020年東京パラリンピックでは全世界から障害者射撃競技のトップアスリートが埼玉県に集まり、朝霞訓練場を舞台に熱戦が繰り広げられます。その舞台となる埼玉県には全国にも誇れる長瀞射撃場があります。特に300メートルの大口径ライフル射撃場は、日本全国で長瀞射撃場を含め3施設しかありません。しかし、バリアフリー整備が十分でないため、車椅子利用者などにとっては利用しづらい面があります。中には、そのために長瀞射撃場で行われる大会参加を見送る方もいらっしゃいます。
本年6月3日、私も埼玉県身体障害者ライフル射撃連盟の方に御案内いただき、バリアフリーの視点から現地を視察いたしました。長瀞射撃場には大きく2つの建物があります。1つには、大口径ライフル射撃場があり、その上にはクラブハウスがあります。そして、もう1棟は、1階が小口径ライフル射撃場、2階がエアライフル射撃場となっています。しかし、いずれも階段しかありません。現状では、車椅子利用者はその階段を競技仲間や射撃場職員の介助で上りおりしています。その様子をうかがい、私は本人だけでなく、介助者にも危険があると感じました。エレベーターの設置は障害者だけでなく、全利用者にとって有益です。射撃はライフルやピストルをはじめ多数の重たい機材を運びます。事故を起こさない安全な運搬にもつながります。
ここまで射撃競技の視点で話をしてきましたが、この施設は環境部みどり自然課の所管です。狩猟者育成のための施設でもあります。しかし、この猟友会も近年高齢化が進んでいる現状にあります。そのためバリアフリー化が進めば高齢の方にとっても利用しやすくなります。誰もが利用しやすい育成施設になることで、新たな狩猟者の獲得にもつなげられると考えます。それぞれの射撃棟にエレベーターの設置をできないか伺います。
続いて、バリアフリートイレの設置について伺います。
小口径射撃場には既に設置していただいております。そして、大口径射撃場は今年度改修予定と聞いています。しかし、エアライフル射撃場についてはバリアフリートイレがありません。エレベーターがない状況では利用者の不便を増しています。エアライフル射撃は障害者選手が一番多い種目と言われております。しかし、今はトイレのたびに下階に移動しなければなりません。エアライフル射撃場へのバリアフリートイレの設置について伺います。
そして最後に、射座の段差解消についてです。
実際にライフル等を構える射座は、フロアから10センチ程度の段差を2段越えたところにあります。射座に上がる段差解消のため、1段目と2段目のそれぞれの段差を越えるためのスロープが数か所設置されています。しかし、大会等では50ある射座が全て埋まることもあります。その際、選手の荷物や輻射中の選手がいると車椅子で後方を通ることができません。都内の射撃場などは全てフラットに設計されています。一般の利用者にとっても段差をなくすことで転倒などのリスクを減らすことにつながります。段差の解消について、一層取り組んでいただきたいと思います。
以上、三つの点について環境部長に伺います。
A 半田順春 環境部長
長瀞射撃場は、射撃に関する技能を向上させることにより銃による事故の防止、射撃競技の発展を図るため、平成6年6月に開設した施設です。
開設以来、埼玉県猟友会による利用をはじめ、全日本レベルのライフル射撃大会や県内外の学生大会の開催などにより年間延べ約12,000人以上の方に御利用いただいております。
このうち車椅子を利用する障害者の方の人数は、年間延べ約10人となっています。
バリアフリー化につきましては、平成16年の埼玉国体を契機に、駐車場や建物内の段差解消やバリアフリートイレの設置など順次進めてまいりました。
しかし、射撃棟にはエレベーターがないため、車椅子利用者に関しましては、職員などが車椅子を持ち上げて階段を上り下りしており、現状は完全なバリアフリー化にはなっておりません。
まず、それぞれの射撃棟にエレベーターを設置できないかについてでございます。
設置費用は1か所あたり3千万円程度と見込まれます。
2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて、車椅子を利用している方々の施設利用が増えることも想定されます。
今後の障害者の利用見込みを調査の上、設置するかどうか検討してまいります。
次にエアライフル射撃場にバリアフリートイレを設置することについてでございます。
これまで、エアライフル射撃場の1階にある小口径ライフル射撃場については車椅子での利用頻度が比較的高いことから、優先的にバリアフリートイレを設置しました。
2階のエアライフル射撃場には審査員室やホールなどがあり、スペースが限られております。
エレベーターの設置ができない場合は、今後の利用見込みを調査した上で、2階の配置を工夫し、バリアフリートイレを設置するスペースを確保できるか検討いたします。
最後に、ライフル等を構える射座の段差解消についてでございます。
大口径ライフル射撃場、小口径ライフル射撃場、エアライフル射撃場のすべてで射座にあがるためのスロープを1か所から2か所設置してまいりました。
しかし、大会などで混雑する際にはこれらのスロープの位置から射座まで移動することが予想されます。
その際には、競技をしている人の後ろを車椅子で通行することが難しい場面があることも想定されます。
そこで大口径射撃場では射座のすぐ近くにスロープを設置できるよう可動式のスロープを準備いたしました。
今後、小口径ライフル射撃場やエアライフル射撃場においても、可動式のスロープを準備し、射座の段差解消に努め、長瀞射撃場のバリアフリー化を推進してまいります。
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