トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成27年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (井上 航議員)

埼玉県議会 県議会トップ画像

本会議及び予算特別委員会の生中継・録画中継をご覧になれます。

会議録の内容を、検索したい言葉や発言者などで検索できます。

ここから本文です。

ページ番号:54870

掲載日:2023年5月19日

平成27年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (井上 航議員)

災害時の水確保について

Q 井上 航議員(県民)

今年は阪神・淡路大震災から20年の節目の年です。私は、中学3年生のときに大震災を兵庫県西宮市で経験しました。そのとき痛感したのが、水の大切さです。飲料水はペットボトルなどでも対応できますが、最も困ったのはトイレです。トイレは上水道、下水道の双方が機能することで使用できます。私の住んでいた地域は上水道は回復まで数週間かかりましたが、下水道は機能していました。このように下水道に被害が発生していない場合には、家庭のトイレは水さえあれば使えるのです。
しかし、当時近くに浄水場もなく、給水車も来ない状況にありました。そこで、我が家ではトイレ用水の確保のために近くの川に水をくみに行きました。これは私だけの経験ではなく、阪神・淡路大震災では断水下の非常用水として河川水が利用されました。しかし、親水性護岸の整備されていない箇所では利用が困難であったことも報告されており、実際私もバケツにロープを結び付け、川に放り投げ、何とか水をくんできました。災害時、水の確保は命をつなぐ生命線です。そのためには様々なツールや手法を準備しておくことが肝要です。
そこで、注目すべきは、本県ならでは資源やこれまでの県の取組を生かすことではないでしょうか。埼玉県は川の国です。水辺再生100プランと川のまるごと再生事業で親水地点を整備してきました。つまり水辺におりられる、イコール水をくめる箇所が増えたことになります。また、水質も例えばトイレ用水としてなら支障はない程度まで改善しつつあります。平成25年度から始まった川の消火基地事業では、消火用水の取水ピットの工事が進んでいます。このように阪神大震災の際に課題だった取水地点も埼玉県では整備が進んでいることになります。
埼玉県は湧き水も豊富です。私は、一昨年の一般質問で湧き水の保全を取り上げました。その後、水量などの調査、保全への取組を進めていただいております。その湧き水のほか家庭用井戸も活用すべきです。そして、これら施設整備のみならず災害時に従事する人も育ててきました。消防団の育成にも力を入れており、自主防犯組織・自主防災組織の組織率は全国に誇れる数字と言えます。県の地域防災計画には、水や給水資機材の備蓄など各種取組が位置付けられていますが、私はこれまで例示したように、もっと多様な水の確保を図れないかと考えています。
以上を踏まえ、災害時の水の確保の現状と災害時のトイレ難民を救うためにも、既存の資源を活用した多様な水の確保について、知事の御所見を伺います。

A 上田清司 知事

県では平成25年度に今後発生する可能性のある5つの地震を対象にライフラインなどの被害想定の見直しを行った結果、断水人口を最大で141万人と算出しています。
この断水人口を基に断水期間を仮に10日間とすると、炊事やトイレなどの生活に最小限必要な水の量が21万トンということになります。
この必要量に対して、現在、県企業局では大久保浄水場など県内10か所に約51万トンを確保しております。
さらに、震災時にも確実に水の安定供給ができるよう、県企業局では水道施設の耐震化も進めております。
水処理施設については平成34年度までに耐震化が完了します。
送水管は断水時に影響の大きい重要路線を優先して更新してまいります。
これらの取組のほかにも、県営水道の送水管から直接給水を行う応急給水装置の避難所などへの配備やペットボトルの備蓄、飲料水メーカーとの災害時応援協定の締結などにより災害時の水の確保は十分ではなくとも一定程度のことは可能だと考えております。
このほかにも市町村でも想定断水人口に基づいて必要な量を確保することにしています。
災害対策を考える上で重要なことは、不測の事態に備えるばかりではなく、備えたことでもそれを100%発揮することは難しいだろうというふうに認識しておくことが大事だと思っております。
この考え方に立てば、議員御提案の災害時のトイレ用水については井戸や河川水・湧き水を利用することは水確保手段の多様化の視点から大変有効です。
井戸の活用については県内でも既に25市町村において、断水時に個人が所有する井戸を開放し生活用水として利用できる「災害時協力井戸」の登録も進めています。
河川水や湧き水の利用についても、水際へのアプローチ施設や取水ピットがあれば、市町村がその活用も視野に入れ災害対策を検討できるものだと考えます。
地域の実情を細かく把握しています市町村がこのような多様な資源について安定的な利用が可能かどうか、また安全に利用できるかどうか確認し、有効活用について検討することがまずは大事だと思っております。
そのため、市町村に対し災害時に活用できる多様な資源の検討を行い、地域防災計画への位置付けや防災訓練における活用がなされるよう県として働き掛けてまいります。 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?