トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成28年12月定例会 > 平成28年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 平成28年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (宇田川幸夫議員)
ここから本文です。
ページ番号:80498
掲載日:2022年12月20日
Q 宇田川幸夫議員(自民)
2020年の東京オリンピック・パラリンピックは世界最大のスポーツ・文化の祭典であり、多くの注目と関心を集める大会であります。オリンピック競技については既存の28競技に加え、今年8月のIOC国際オリンピック委員会総会において、日本で人気のある野球・ソフトボールや若者の関心が高いスケートボードなど5競技が追加種目として決定され、33競技となりました。
2020年の東京オリンピックで県民に夢や感動を与えるためには、世界で活躍できる若手アスリートを育成していくことが不可欠であると考えます。埼玉県では、将来の世界的なトップアスリートを輩出することを目的として、平成23年度に彩の国プラチナキッズ事業をはじめゴールデンエイジである小学校4年生の子供たちを対象に、スポーツ能力に優れた素質を持つ子供たちを組織的に発掘し、関係団体と連携しながら、ジュニア期から発達段階に応じた適切な育成プログラムを展開するとして6年を経過しようとしています。
毎年度県内の小学4年生に募集をかけ、30人の定員に対し、今年は1,326人もの応募があったそうです。4年生から6年生の3年間をかけて40倍以上の倍率をくぐり抜けてきた子供たちは、発掘(見つける)、育成(育てる)、パスウェイ(生かす)と進んでいくこのプログラムの中で、アスリートとしての可能性を高めていきます。
さて、私は、この事業の課題の一つに、3年目を迎えるパスウェイとその後の連続性が挙げられると考えます。事業としては、彩の国ジュニアアスリートアカデミー事業へと引き継がれますが、せっかく発掘したプラチナは中学校の部活動や地域スポーツクラブなどに籍を置きながら、土日のアカデミーの参加となるのが現状です。特に部活動への所属については、野球の例では将来を夢見てシニアチームに所属する子供たちの多くは、運動部以外の部活動に所属させられることが多いと聞きます。こうした状況を考えるとなおのこと、通常経験することの少ない18の競技の中から、自分の行いたい競技を選んだプラチナキッズを本気で県がアスリートへ育成しようとするなら、中学や高校時代の発掘後の過ごし方に大きな工夫を凝らさなければならないのではないでしょうか。
また、6年経過しようとするこの事業の第1期生は今年17歳を迎えるわけですが、私たちの耳にプラチナキッズたちのその後の情報はなかなか伝わり切れていないのではないでしょうか。
そこで、お尋ねいたします。
2020年東京オリンピック・パラリンピックまであと4年となった現在、彩の国プラチナキッズ事業経験者の中に、オリンピックも視野に入れられるような選手がどれくらい存在するのでしょうか。また、事業の肝であるパスウェイは機能を果たしているのでしょうか。さらに、プラチナキッズを優秀なジュニアアスリートへ導くためにどのような工夫ができるのでしょうか。そして、教育委員会から広報広聴も担う県民生活部と移管され、スポーツによる地域振興をより推し進めようとするスポーツ振興課は、移管後どのような工夫を凝らしてこれらの広報を進めてきたのでしょうか。県民生活部長の御答弁をお願いいたします。
A 稲葉尚子 県民生活部長
まず、オリンピックも視野に入れられるような選手がどのくらい存在するのかについてでございます。
この事業では、運動能力に優れた小学校4年生30人をプラチナキッズに認定し、小学校6年生までの3年間、様々な競技の体験や競技力向上に必要な能力を身に付けるための取組を行っております。
これまでに152人がプラチナキッズを修了しており、平成27年度は2人が世界大会に出場しております。
1人は現在高校2年生のプラチナキッズ一期生で、ノルウェーで開催されたユースオリンピック冬季大会のスケルトン競技に日本代表として出場いたしました。
もう1人は、中学校2年生で、スロバキアで開催されたフェンシング競技の年代別世界大会に出場いたしました。
また、全国大会の優勝者が3人、入賞者も複数おり、世界大会に出場した2人とともに、オリンピックを視野に入れて練習に励んでいます。
次に、パスウェイは機能を果たせているのかについてでございます。
プラチナキッズの取組では、通常触れることの少ない競技を含め様々な競技を体験させることによって、自分に合った競技を見出し、中学校進学後の活動に結びつけるパスウェイプログラムを実施しています。
プログラムでは、身体能力や本人の適性に基づいたアドバイスをしており、選手からは、「自分にふさわしい競技に出会えた」「一生懸命取り組める競技が選択できてよかった」という感想が寄せられております。
また、体験プログラムでフェンシング競技に出会った選手が、JOCの支援も受けながら、世界大会出場を果たすなど、競技実績の面でもパスウェイプログラムの成果が表れてきております。
次に、優秀なジュニアアスリートへと導くためにどのような工夫ができるかについてでございます。
議員お話のとおり、各競技団体が実施している「彩の国ジュニアアスリートアカデミー事業」は、土日の活動が中心になっております。
このような活動の中で、更なるレベルアップを図るためには、国際的に活躍している選手や指導者に直接指導していただくことが効果的であり、選手の意識向上にもつながります。
例えばレスリング競技では、自衛隊体育学校において現役の選手・コーチから指導を受ける機会を設けております。
この他にも、オリンピック選手を育て上げた指導者を招へいすることや、強豪大学での合同練習の実施など、限られた条件の中でも効果が上がる工夫ができるよう、競技団体とともに知恵を絞ってまいります。
次に、どのような工夫を凝らして広報を進めてきたのかについてでございます。
これまでは、県内の小学校4年生全員に募集パンフレットを配布するなど、発掘を主眼とした広報活動を行ってきましたが、修了生の活躍を県民の皆様にお知らせすることについては十分ではありませんでした。
今後は、県の主要な広報媒体である「彩の国だより」やテレビ番組で情報提供するとともに、県のホームページやスマートフォンアプリを活用し、多くの県民に向けて積極的な広報を進めてまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください