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ページ番号:80122

掲載日:2022年8月18日

平成28年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柳下礼子議員)

埼玉農業を守れ。TPPの批准に強く反対し、農家への支援策の抜本的強化を

Q 柳下礼子議員(共産党

埼玉県の農業従事者の平均年齢は68歳、私が中山間地農業の視察として訪れた小鹿野町は、更に平均71.2歳と高齢になっています。今、本気で手を打たなければ、埼玉の農業は自然消滅してしまいます。初めに、埼玉県の農業の未来を開くために、中山間地への支援は欠かせないと考えますが、知事の御見解をお示しください。
中山間地である小鹿野町でキュウリ農家を営むKさんは、大雪で農業用ハウスが倒壊しつつもなお、農業法人を設立して頑張っている方です。2013年4月1日に新規就農者と認定されました。しかし、独立自営就農時の年齢が45歳を半月越えていたので、年150万円の5年分、750万円の給付を受けることができませんでした。青年就農給付金の対象年齢をわずか半月過ぎただけで外してしまうというのでは、余りにも杓子定規です。青年就農給付金制度の原則45歳未満という要件について、原則とされる理由。そして、その趣旨を生かしてなるべく柔軟に対応することについて。また、県単として対象年齢も更に引き上げるべきと考えます。3点、農林部長の答弁を求めます。
次に、中山間地の重要な産業であるコンニャク農家のⅠさんに伺ったところ、「かつては300軒あったコンニャク農家も、今や25軒まで減ってしまった。自分も、自分の畑だけでなく、やめてしまった方の畑4か所の管理も含めてコンニャクを作っている。30キロ5,000円というコンニャク芋で、何の支援策もない中で続けていくのは本当に苦しい」とのこと。埼玉県のコンニャクの収穫量は466トンで、20年前の4分の1です。お隣群馬県は、この20年間でほとんど収穫量を減らしていません。県単で3分の1補助を行い、困難な中山間地農業を独自に支援してきたからこそです。このままでは、埼玉県からコンニャク農家は消えてしまいます。まず、埼玉コンニャクを守る決意、またその具体的対策、とりわけ県単での具体的取組について、以上、農林部長の答弁を求めます。
11月、安倍晋三内閣は、TPP、環太平洋連携協定関連法案採決を強行し、現在、国会を延長してまで参議院での審議が進められています。埼玉農業の危機的状況を指摘してまいりましたが、TPPは、これを更に壊滅的に追い詰めるものです。アメリカの次期大統領として、TPPに反対しているトランプ氏が当選し、オバマ大統領も任期中の批准を断念したと伝えられています。アメリカが脱退してしまえば成立しないTPPに対して、強権的に承認を進める安倍内閣ですが、その姿勢について、知事の見解をお聞かせください。

A 上田清司 知事

中山間地域への支援についてでございます。
農産物の生産のみならず、水源かん養など多面的な機能を有している中山間地域の農業の振興を図ることは、地域の活性化や県土の均衡ある発展を図る上からも重要だと考えております。
中山間地域では豊かな自然や気候などを生かし、いちご狩りなどの観光農業をはじめ、昼夜の温度差を生かした高品質なきゅうりの生産、ゆずなどの特産品を活用した加工品開発など特色のある農業が展開されています。
引き続き、女性や高齢者を含め意欲のある農業者を積極的に支援し、地域の特性を生かした中山間地域の農業の振興を図ってまいります。
また、大学生の持つ新しい視点や行動力などの「外からの力」を活用する「中山間ふるさと支援隊」に対しても助成を行っております。
今年度は10の大学が12の地域で、遊休農地を活用した野菜づくりや、獣害防止柵の設置などの活動を行っています。
今後とも、こうした取組を総合的に実施、中山間地域の活性化につなげてまいります。
次に、TPPに対して、強権的に承認をすすめる安倍内閣の姿勢についてでございます。
物事にはプラスの面とマイナスの面がございます。
TPPではプラスの面を極大化し、マイナスの面を極小化するのが重要だと考えます。
そうした中で、政府は多くの方々の理解が得られるよう、国会で丁寧な議論を行っていただくことが肝要だと思っています。
私としてはTPP発効のいかんにかかわらず、本県においてもオランダのように儲かる農業が実現できるよう、しっかりと本県農業の競争力強化に取り組んでまいります。

A 河村 仁 農林部長

まず、青年就農給付金制度の原則45歳未満という要件について、原則とされる理由についてでございます。
この給付金については、45歳未満で就農できる青年等が就農計画の認定を受けることが要件となっており、国は、この要件に合わない場合を考慮して、原則としています。
国の要綱では、特別な事情で45歳以上の方を給付対象にしたい場合に、国と協議することとなっています。
この特別な事情というのは、災害で就農予定時期がずれ込んでしまう場合や、高齢化が著しい地域で農業後継者が他にいない場合などとなっています。
本県においても国の要綱に基づき給付金制度を運用しているところであり、今後とも制度の趣旨を踏まえつつ、国と協議を行うなど、可能な限り柔軟に対応してまいりたいと考えております。
議員ご提案の県単として対象年齢もさらに引き上げるべきについてでございますが、県の厳しい財政状況の中で新たな財政措置を行うことは、極めて困難であると考えております。
今後、本県の新規就農者の実情などを国へ丁寧に説明するとともに、原則45歳未満という要件の緩和について、国へ要望してまいります。
次に、「埼玉こんにゃくを守る決意、また具体的対策、とりわけ県単での具体的取組」についてお答えを申し上げます。
議員ご指摘のとおり、こんにゃくなどの地域特産物の振興は、中山間地域農業にとって極めて重要と考えております。
このため、県では、埼玉県西北部特産協会を通じ、こんにゃくなど地域特産物の品質向上に対する補助を行っております。
また、今年度から「オーダーメイド型産地づくり事業」において、こんにゃくなど地域特産物の生産から販売までの取組に対し、支援を開始しております。
今後とも、こんにゃくなど地域特産物の生産農家と連携を深め、生産技術の支援を行うなどにより、地域特産物の振興に取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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