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掲載日:2022年8月18日
Q 井上 航議員(県民)
本議会でも各世代における発達障害の支援について取り上げられてきましたが、今回は高校時期に着目して質問させていただきます。まず、発達障害の理解が進んだことなどを受け、小中学校における発達障害の支援を必要とする児童生徒数は増加傾向にあると言われています。そこで、県立高校における発達障害の状況はどのようになっているのか伺います。
次に、高校においてより適した指導を行うに当たっては、中学校から高校へ、中学校時代の指導状況などの情報提供が重要ではないかと考えております。現在の情報提供の取組について伺います。
ところで、とある県立高校では、発達障害など気になる生徒への対応が規定の人員では足りず、OBが出資してカウンセラーを設置した事例があると聞き及んでおります。そうした事例もある中で、現在県が行っている県立高校の発達障害のある生徒への支援と今後の充実に向けた取組について伺います。
最後に、小中学校で現在行われている通級指導について、今後高等学校においても通級による指導の制度化を進めると文科省の有識者会議で提言がなされています。これを受けて、県では今後どのように高等学校における通級指導を実現していく見通しなのか、以上、教育長に伺います。
A 関根郁夫 教育長
まず、「県立高校における発達障害とみられる生徒の状況はどのようになっているか」についてでございます。
本県において、独自の調査は実施しておりませんが、国が平成21年に行った調査結果では、高校進学者全体に対する発達障害などの可能性のある生徒の割合が、約2.2%であることが示されております。
そのため、本県の県立高校においても、発達障害のある生徒は同程度の割合で在籍しているものと考えております。
次に、「中学校から高校へ現在の情報提供の取組について」でございます。
現在、発達障害のある生徒の情報については、保護者や生徒本人の意向を踏まえながら、中学校と高校の間で必要な情報共有に努めているところでございます。
その際、障害のある生徒の個別の教育支援計画や指導計画などの情報を適切に引き継いでいくことが重要でございますが、中学校から高校への進学段階で、途切れてしまう状況も見られます。
そのため、学校間連携コーディネーターを新たに配置し、中学校から高校への情報を適切に引き継ぐためのアドバイスを行うなど、切れ目のない支援体制づくりのモデル研究に取り組んでおります。
次に、「県が行っている県立高校の発達障害のある生徒への支援と、今後の充実に向けた取組について」でございます。
現在、県では、臨床心理士などの専門家や特別支援学校の教員が高校を巡回し、生徒の障害特性に合わせた指導や支援方法についてアドバイスを行っております。
また、県立高校28校を特別支援教育の推進拠点として位置づけ、対象を近隣の高校にまで拡大した研修会の実施に努めております。
今後、さらに、こうした取組を広めることで、教員の発達障害に対する理解を深めるとともに、学校全体で組織的に支援できる体制の整備を進めてまいります。
最後に「今後、どのように高等学校における通級指導を実現していく見通しか」についてでございます。
障害のある子もない子も共に学ぶことを目的としたインクルーシブ教育の理念を踏まえると、高校においても通級による指導など、多様な学びの場を整備し、生徒たちの自立と社会参加を目指すことは大変重要でございます。
現在、国においては、高校における通級による指導が平成30年度から実施できるよう制度改正の準備を進めております。
そのため、教育局内に設けている特別支援教育の在り方を検討する会議において、高校における通級による指導の実施に向け、検討を進めてまいります。
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