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ページ番号:80220

掲載日:2022年12月20日

平成28年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(中野英幸議員)

労働行政について

Q 中野英幸議員(自民

労働行政について3点お伺いをいたします。
1番目に、労働基準法改正の方向についてお伺いいたします。
最近では、電通の新入社員の女性が過労自殺し、労災認定とされるなど、企業での過重労働が問題となっています。厚生労働省は、平成13年に労働時間の適正な把握のために、使用者が講ずべき措置について通達を出しており、労働局における労働行政の基準を明確にしています。この通達に基づき、都道府県労働局は使用者の労働時間の把握について指導してまいりました。始業、終業時刻を確認する場合、具体的にはタイムカードやICカード等の客観的な記録を根拠とした時間管理を基準にしており、使用者は勤務時間を一分単位で管理することになります。
しかし、この勤務時間の把握方法だけでは、在社時間しか管理することはできません。タイムカードやICカードで管理される在社時間によって、仕事をしていない時間を実労働時間にみなされると、人件費の増加につながることから、企業として負担が大きく、給与のベースアップに踏み切れないジレンマに陥りやすい状況にあります。
また、早出や残業の管理時間については、自己申告制を採用している場合、残業命令書とこれに対する報告書などの記録を突き合わせることが求められており、労働局は厳格に確認をいたしております。この早出や残業も、現在継続審議となっている労働基準法改正案が可決されれば、月60時間を超える場合に割増賃金率を50パーセントへ引き上げることとしている現行法の中小企業への適用猶予期間が廃止されることになり、使用者は何らかの対応を求められることになります。
この対応策として、ワークライフバランス、業務の効率化や短時間労働の活用など、早出・残業時間を抑制するための新たな働き方を導入することが必要になります。こうした中小企業における労働時間や割増賃金率などの問題を踏まえ、労働基準法改正の方向について産業労働部長の御所見をお伺いいたします。
2番目に、中小企業の労働力確保についてお伺いをいたします。
我が国で正規・非正規労働者の間における同一労働・同一賃金が実施された場合、大企業への人材の集中が加速し、中小企業では必要な人材の確保や業務の品質向上による人材の新陳代謝を図ることが非常に難しくなります。確かに、適正な労働環境を整えることは重要なことでありますが、その影響は財務状況の圧迫や人材不足などの問題として、中小企業に重くのしかかっており、いずれは経営が立ち行かない状況になるのではないかと危惧しております。人材の流動性という意味では、整理解雇の4要件の緩和も必要になるのではないでしょうか。このままでは、雇用の流動化が生まれず、企業の設立や新産業の振興にも支障を来すと考えます。そこで、規制と緩和による中小企業の労働力確保について、産業労働部長にお伺いをいたします。
3番目に、中小企業の支援についてお伺いをいたします。
中小企業は、適正な労働環境を整えるために、厳しい経営環境に置かれながらも、企業の経営が立ち行かなくなれば、労働環境を整えるどころか労働者も望まない結果を生み出すことにつながり、労働行政の指導が本末転倒になってしまいます。国の労働行政は、どうしても上意下達の指導が見受けられますが、労働環境をよりよく、使用者の負担も軽減されるよう、本県独自に中小企業の実情を踏まえたアドバイスやサポートを推進する意思はないのか、産業労働部長にお伺いをいたします。

A 立川吉朗 産業労働部長

まず、「労働基準法改正の方向について」でございます。
労働基準法は、長時間労働を抑制するとともに、労働者が、その健康を確保しつつ、創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができる環境を整備することを目的に改正される見込みでございます。
議員お話しの過労死問題で明らかなように、事業運営を担う労働者の健康確保は重要であることから、改正案の方向は望ましいものと考えております。
次に、「中小企業の労働力確保について」でございます。
現在、国は「働き方改革実現会議」を設置し、一億総活躍社会の実現のカギとなる「働き方改革」に積極的に取り組んでいます。
「働き方改革実現会議」では、非正規雇用の待遇改善を進めるための同一労働同一賃金、長時間労働の是正、転職や再就職支援など、9つの分野での課題を示し、これらを解決するための具体策を検討しております。
今後、同一労働同一賃金に関するガイドライン案を年内に取りまとめるほか、働き方改革の実行計画を年度内に策定する模様です。
県といたしましては、当面、同一労働同一賃金をはじめとした「働き方改革」に関する国の動向を注視した上で、中小企業の労働力確保に対する影響や必要な対応策について、検討してまいりたいと考えております。
次に、「中小企業支援について」でございます。
労働行政につきましては、主に厚生労働省埼玉労働局が労働基準監督署やハローワークを通じて労働条件の確保、雇用対策などに取り組んでおります。
県では、ヤングキャリアセンター埼玉での若者の就職支援や埼玉版ウーマノミクスプロジェクトによる多様な働き方の推進など、県独自の労働施策を推進しております。
また、労働分野だけでなく、経営革新計画の作成支援や制度融資などの中小企業の経営支援も行っております。
県といたしましては、引き続き埼玉労働局や経済団体と連携しながら、労働環境の改善などに取り組む中小企業をしっかりと支援してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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