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掲載日:2022年12月20日
Q 中野英幸議員(自民)
私の地元川越では、駅前の大手スーパーが10月に閉店をいたしました。この大手スーパーは、県内で4店舗も撤退をいたしております。市街地の中核店がなくなれば、地域商業の集客力は急速に落ち込んでしまいます。こうした動きの中で、今正に地域を支える商店街の重要性が改めて見直されています。しかしながら、商店街には多くの課題があります。中でも空き店舗の問題であります。空き店舗の存在は、元気のない商店街の象徴であり、地域のイメージダウンにつながり悪循環を引き起こします。また、顧客だけでなく、若者が商店街から離れ、活性化が失われる状態に至っております。
商店街でも、自らが空き店舗を活用して様々な事業を実施しており、全国には空き店舗を生かした特色ある取組を行う商店街があります。アジアをテーマに店をそろえ、商店街の魅力を高めている例などです。また、あえてラーメン店など同業他社を一か所に集め、特化した商店街エリアを形成し、買回り品の物販の強化につなげる商店街もあります。成果が出ている事例もありますが、その後、事業が続かない事例も少なくありません。これは、単体の空き店舗のみに視点を置いた取組だからと考えます。空き店舗を有効に利用するためには、商店街が自分たちのエリア全体をマネジメントして、空き店舗を生かした特徴ある商店街づくりを行う発想が大切であります。
商店街の魅力や価値を高めて集客し、その売上げを再投資することが継続的なまちの発展につながるものと考えます。しかし、商店街が自立してマネジメントし、空き店舗を有効に活用している例は少ないのが実態であります。多くの商店街では、中心的なリーダーや若手の商業者が不足しております。中核的なグループもなく、商店街を牽引する力は弱まっています。また、空き店舗対策には不動産オーナーとの交渉が伴いますが、商店街や地域の関係者だけでは調整が困難な場合もあります。
私は、こうしたことこそ本県が大局的な立場から関わっていく必要があると考えます。空き店舗を生かした商店街づくりは、短期間ではなし得ません。団塊の世代が75歳になる2025年まで、あと10年を切っております。今、本格的に着手しなければ、多くの高齢者が身近な買い物の場を失うことになりかねません。是非とも商店街自身が自ら描いた将来像を県が後押しをし、積極的な空き店舗対策に取り組むべきと考えますが、産業労働部長の御所見をお伺いをいたします。
A 立川吉朗 産業労働部長
商店街を取り巻く環境は厳しく、特に空き店舗の増加は、商店街の賑わいに大きな影響を及ぼします。
「埼玉県商店街経営実態調査」によりますと、空き店舗は増加傾向にあり、商店の8.3%、約12軒に1軒が空き店舗です。
議員お話しのとおり、商店街自らがマネジメントして、空き店舗を有効に活用することは、商店街の魅力を高め活性化につながります。
一方で、商店街が空き店舗対策に取り組んでいくためには、会員の意見を取りまとめ、関係者と調整できる能力と熱意を持った人材が必要です。
そこで、県では、地域商業をけん引する商業者や意欲のある若手商業者を対象としたリーダー養成講座を実施しております。
この講座では、全国各地で活躍する商業者から、戦略的な商業活性化の手法を学び議論を重ねることで、リーダーとしての意識向上や商業者同士のネットワークづくりにつなげてまいります。
また、空き店舗は恒常的な課題であるため「リノベーションまちづくり」という先進的な取組を取り上げ、そのマネジメント手法を広めています。
これは、商業者や住民、店舗の所有者などが地域の将来像を描き、そのニーズに合った出店希望者が予算に見合った店舗改修で出店できるよう支援する民間主導のプロジェクトです。
こうした取組を推進する地域プロデューサーを招き、県内の商業者と意見交換してもらうなど、空き店舗対策の成功モデルを積極的に取り入れてまいります。
さらに、商店街にリーダーがいても、地域住民や関係団体の意見を踏まえて商店街の将来像を作るには大変な労力が必要となります。
そこで、全国的な支援機関である「全国商店街支援センター」と連携し、支援体制も充実いたします。
例えば、地域商業に精通する専門家を派遣してもらい、県職員も一緒になって話合いの場を作り、商店街の将来像づくりを支援いたします。
具体化した事業につきましては、国や県の補助事業を合わせて活用するなど、多角的な支援を展開してまいります。
今後とも、意欲のある商店街が一丸となって取り組む空き店舗対策をしっかりと後押ししてまいります。
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