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掲載日:2022年8月18日
Q 小川真一郎議員(自民)
京都議定書に代わる2020年以降の新たな地球温暖化策の国際的な枠組みであるパリ協定が、去る11月4日に発効いたしました。世界が危機感を共有し、地球温暖化対策が新たなステージに入ったことは、大変画期的なことと評価しております。パリ協定に関する様々な国際的な動きもあり、地球温暖化の問題については、最近新聞で記事を見ない日がないと言ってもよいほどです。その中に、「適応」という言葉をよく目にするようになりました。
地球温暖化対策には、省エネルギーや再生可能エネルギーの利用により温室効果ガスの排出を抑制する緩和策と、気候の変化に合わせて農作物を変えたり健康被害や災害に備えるなど、地球温暖化の影響に適切に対応する適応策の2つがあります。
県では、地球温暖化対策実行計画であるストップ温暖化・埼玉ナビゲーション2050において、温室効果ガスを2020年に2005年度比21パーセント削減する目標を掲げ、対策を進めてきています。例えばエネルギーを大量に使用する事業所を対象として、平成23年度から目標設定型排出量取引制度を導入するなど、積極的に温室効果ガスの排出抑制に努めてきています。
しかし、世界の状況を見ると、氷河の後退、海水面の上昇、動植物の生息地の変化のほか、猛暑や台風の大型化といった極端な気象現象など、地球温暖化の影響と言われる現象が各地で起きております。本県でも、平成22年夏の異常高温により米が白くなってしまう白未熟粒が多発するなど、著しい被害が発生いたしました。集中豪雨の発生頻度が増加するなど、地球温暖化の影響と考えられる気象現象も現れています。
このような状況において、これまで実施してきた温室効果ガスの排出を抑制する緩和策に取り組むことはもとより、地球温暖化の悪影響に備える適応策の取組を本県においても実施していく必要があるのではないかと考えます。
そこで、地球温暖化の適応策について、本県の取組とその推進に当たっての課題について、環境部長にお伺いいたします。
A 宍戸信敏 環境部長
パリ協定は、197の国・地域が参加し、それぞれの温室効果ガスの削減目標を持ち寄り、産業革命前からの世界の平均気温上昇を2度未満に抑えることを目的としております。
一方で、国連の機関である国連環境計画では、パリ協定での各国の温室効果ガス削減目標が完全に実施されたとしても、今世紀末の世界の平均気温は、産業革命前より最大で3.4度上昇する可能性もあると指摘しております。
したがって、温室効果ガスの排出を抑制する「温暖化の緩和策」はもとより、一定の温度上昇を踏まえ、その影響に備える「温暖化の適応策」も非常に重要となります。まさにこの点につきましては、議員の御指摘のとおりでございます。
本県では、平成21年3月に制定した地球温暖化対策推進条例で適応に取り組む旨を明記するとともに、庁内に検討組織を設けて、適応策に関する情報の共有、検討を進めております。
本県の適応策の代表例としては、温暖化の影響を受けやすい農業の分野で、御質問中にもございました、平成22年に「彩のかがやき」に白未熟粒が多発しましたが、その後、より高温耐性が高い「彩のきずな」の栽培拡大に取り組んでおります。
農業、健康など社会の様々な分野で、今後、影響がでることが予想されます。
今後とも温暖化の適応の面につきましても、しっかりと意識を高め、取り組んでまいります。
次に、適応策を進めていくに当たって、課題についてでございます。
地球温暖化は、人類にとって経験したことのない事象であるため、温度上昇とその影響を的確に予想することは、技術的に非常に難しいことでございます。
しかし、効果的な適応策を進めていくには、これらの予測精度を高めることが必要不可欠でございます。
国においては、この点に鑑み、気候リスクの情報の提供を通じ、地方自治体や事業者の適応を促進するため、情報サイト「気候変動適応情報プラットフォーム」を開設しました。
また、本県では、環境科学国際センターが国の気象変動に関する共同研究に参画し、大学や国の研究機関、自治体の研究機関と共同で、温暖化や影響予測に関する先端的な研究に取り組んでいるところでございます。
今後とも「緩和策」と「適応策」を車の両輪として、地球温暖化対策を推進してまいります。
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