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掲載日:2022年12月20日
Q 中屋敷慎一議員(自民)
先月29日に開かれた国際オリンピック委員会いわゆるIOC、オリンピック組織委員会、東京都、政府の四者協議によって、会場の見直しが検討されたボート、カヌースプリント競技の会場が、当初の計画どおり東京湾岸の海の森水上競技場に決定されました。これにより戸田市の彩湖での開催はなくなりました。この結果は、平成26年6月の会場見直しの方針表明当時から、都市の中心で開催するコンパクトな大会や、アスリートファーストなどの大会招致時のコンセプトを実現できる彩湖での開催を願っていた本県関係者に大きな落胆をもたらしました。
さて、彩湖招致を果たせなかった現実を受け入れ、気持ちをバスケットボール、サッカー、ゴルフ、射撃の四競技の成功へとシフトしていくために、私はどうしても知事に確認しなければならないことがあります。
その一つは、10月14日の出来事です。東京都の小池百合子知事が同日の定例記者会見で、「上田知事からは、主要競技が埼玉に来ることになっているので十分ですと話をいただいている。地元要望が大変重要で、埼玉県から熱い要請は聞いていない。先方に意欲があって初めて選択肢になる」と述べています。
これに対して上田知事は、「公式、非公式を問わず、申入れや事前相談は一切ない。申入れが全くないのに辞退のしようがない」と応酬しています。
1,364万人のトップと728万人のトップが、全く相反する発言をしている。この状況は一体どういうことなのか。まず、なぜこのような事態に至ったか、小池知事とは何の話もしていないが、舛添前知事や猪瀬元知事との間には、何がしかの共通理解があったのではないかと感じているのは私だけではないはずです。728万人のトップとして、上田知事本人の言葉で御説明いただきたいと思います。
二つ目は、上田知事は平成26年6月定例会で、彩湖招致を提案する戸田市選出の菅原文仁議員の質問に対して、「ボート競技が彩湖で開催されることになれば、地元戸田市民はもちろん県民の皆様にも大いに歓迎されるものと思います」とした上で、その時点で組織委員会や東京都からは何も連絡がないことや、彩湖が荒川の調節池であり簡単にはいかないことを認識し、周辺情報の探査と明らかになった時点での問題提起へと結び付けていきたいとも述べています。
この時点で問題の大きさを認識していた知事は、この2年間、この問題にどう対処してきたのでしょうか。ただ待っていただけなのでしょうか。私の調査では国土交通省は、「少なくともこの1年程度の間、埼玉県から何の相談も受けていない」と言っています。
知事、私は、右肩上がりの経済状況下ではない東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の成否の鍵は共感と連携だと考えています。東京に隣接し、4つもの競技を受け持つ本県と東京都は、今までにも増した強い信頼関係を結ぶ必要があります。上田知事の答弁がそうした状況への端緒となることを切に願い、質問といたします。
A 上田清司 知事
そもそもオリンピック・パラリンピックの競技は、開催都市の東京都で行われるものでございます。
当然、東京都以外でもそれにふさわしい会場があれば、東京都、大会組織委員会が協議して、道府県等の施設管理者に依頼するものと認識しております。
本県の場合、サッカー、ゴルフ、射撃の3競技については、それぞれの管理者に対して事前に打診があった上で、内々の合意を得て競技会場として立候補ファイルに掲出されたものでございます。
また、バスケットボール会場については、平成26年6月に当時の舛添要一東京都知事が東京都議会において、費用高騰による影響から会場計画全体の見直しを表明されました。
その後、大会組織委員会の森喜朗会長から私に極めて丁重に内々の打診があり、東京都からも本県に対し丁重に要請があって、さいたまスーパーアリーナに決定したところでございます。
ボート・カヌー競技の会場についても、70か所の候補地から東京都や大会組織委員会が協議を重ねて、IOC、国際及び国内競技団体の了承を得て、平成27年2月に海の森水上競技場で決定したものでございます。
決定までの間に、戸田市をはじめ関係者の皆様、埼玉県議会東京オリンピック・パラリンピック応援議員連盟の皆様が要望活動を行っていただいたことを大変ありがたく感謝をしております。
戸田市や埼玉県ボート協会の皆様からは、私自身が先頭に立って要望活動をしてほしいとの要請もございました。
しかし本県において、既にバスケットボールなど4会場があり、当時関東知事会でも極めて緩やかな反発などもございました。
また、私自身も大会組織委員会の顧問という立場もあることから、先頭に立つよりは側面的に支援をさせていただきたいという旨をお伝えをしておりました。
もとより、正式に打診があれば積極的に受け止めていくつもりでおりました。
彩湖については、公式、非公式を問わず、東京都からも大会組織委員会からも打診や申し入れがない以上、そもそも辞退という話が起こることもありません。
その後、平成28年8月の小池百合子東京都知事就任後、開催都市である東京都が都政改革本部を設置し、ボート・カヌー会場などの見直しを始めました。
この都政改革本部における報告書では、当初、彩湖が、海の森水上競技場や長沼ボート場、長良川国際レガッタコースとともに検討可能な河川、湖の例として取り上げておられました。
その後、都政改革本部の案から彩湖が外れ、海の森水上競技場の恒久整備、あるいは仮設整備と長沼ボート場の3案に絞り込み検討するという報道がございました。
お話の小池都知事の発言は、まさにその気がないというような誤ったニュアンスが伝わったため、これではいかんと、きちっと彩湖も選択肢の一つに加えるべきだということを含めて、きちっと県としても整備費の概算を算出し、10月27日と31日に小池都知事に要望活動をしたところでございます。
この過程で、国土交通省の荒川上流河川事務所に依頼し、詳細な資料の御提供をいただき、御協力もいただいたところでございます。
私自身も、11月2日に、直接、国土交通省の田中良生副大臣にお会いしてお話をさせていただきました。
埼玉県議会東京オリンピック・パラリンピック応援議員連盟の皆様の国土交通省に向けた熱心な要望活動も非常に心強く思いました。改めて感謝申し上げます。
また、御案内のように、11月から始まったIOCと政府、東京都、大会組織委員会の四者協議で、事務局レベルでも、トップレベルの協議においても、埼玉県からの要望があったことは話の中にございました。
しかしながら、残念ですが、ボート・カヌー競技会場は、結局、元の海の森水上競技場に決まりました。
県民の皆様からは、彩湖誘致について賛否それぞれ御意見もいただきました。
また、議員からも御指摘いただいたところは、しっかり重く受け止め、今後の糧にしたいと思います。
当面は、本県において既に決まっている4会場について、会場自治体はもとより、東京都、大会組織委員会と連携して、オリンピック・パラリンピック大会を成功させるように全力を尽くしていきたいと思っております。
再Q 中屋敷慎一議員(自民)
上田知事から詳細な御説明をいただきましたけれども、常日頃、上田知事は「埼玉から日本を変える」、そんなふうにお話しになっていらっしゃいます。これは相手のあることですけれども、この2年間に、10月14日以降にあれだけの動きがとれたんであれば、自ら手を挙げてそのボート会場、戸田の市民の皆さんがそれを願っているということを受け取っていたならば、その期間にできたことが私はあるんじゃないかなというふうに思うんです。だから、そこの部分が決まってしまったこととはいえ、残念な部分として私の気持ちの中には非常に残っております。
その部分が、そして10月14日以降に、今度は非常に能動的に動かれた。元々の考え方を変えられたというふうに私は受け取っています。その部分のその考えの変節、なぜ何ゆえそういう状況に至ったのかというところを、もう一度御説明を賜りたいと思います。
再A 上田清司 知事
彩湖に関する基本的な私の立場は先ほど申し上げたつもりですが、念のため申し上げます。
すでに埼玉では4会場がありまして、関東知事会などでは緩やかな反発が埼玉県にもございました。これももっともであると思います。
また、大会組織委員会の形式上とは言え顧問という立場をいただいておりますので、側面的な支援をするということについて、それなりに戸田市また埼玉県ボート協会の御理解をいただいていたつもりでございます。
ただ、小池都知事からあのような全く身に覚えのない発言、たぶん埼玉県にはすでに4会場いただいているという大変な意味合いを持っていたので、あるいは誤解をされたのかもれしません。
そういう発言があった以上、これは困る。とんでもない話だということで、きっちりと戸田・彩湖の話を議題に乗せていただかないと困るという趣旨で、しっかりと対応させていただいたところです。
2年間の濃淡はそれぞれあるかもしれませんが、基本的に自分の立場が変わったつもりは全くございません。
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