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掲載日:2022年8月18日
Q 井上 航議員(県民)
国は、地方公会計の整備促進について、平成29年度までに全ての地方自治体において新公会計制度の導入を要請しています。県ではこれまでも国の示す方式によって、貸借対照表などの財務書類を作成してきましたが、今後は財務の執行データなどを仕分けするいわゆる複式簿記で財務書類を作成しなければなりません。この業務のポイントは、歳出を資産か、費用かに分けることです。例えば同じ工事請負費であっても資産になるものなのか、維持・修繕などの費用なのかを分けていきます。
先行している自治体の例を見ると、年度末に一括で仕分ける期末一括仕分け、日々の執行段階で仕分ける日々仕分けという方法がとられていますが、和光市ではこの複式簿記の導入に当たり、3年間の特定任期付職員として公認会計士を採用し、新規軸とも言える細目の仕分け作業を財政課が一括して行う予算仕分けという方法を採用し、注目を集めております。
そこで、まず、埼玉県庁においてはどのような仕分け方法で新公会計制度への対応を進めていくのか伺います。併せて、それぞれの手法に利点がありますが、県はどのような点を重視し、その仕分け方法を導入していくのか伺います。
また、和光市の事例では、この新公会計制度の対応を正確に進めることで、固定資産台帳との連動を一層図ることに注力しています。公共施設白書を別建てで作る必要もなくなること、備品管理についても一元的に管理することで漏れや紛失を減らす効果があります。
また、県民にとってはよりオープンなデータが提供されることになるとともに、我々議会にとっても大きな転機になると考えます。例えば県債残高が減った、お金があるから投資をすべきと論じる前に、財務諸表の数字を使って県の資産の規模が適正なのかどうかなどを分析してから、今後の投資をどうすべきなのかを考えることが求められます。また、固定資産台帳が整備されることで、老朽化の状況把握などが可能になるため、資産管理の観点から活用することができます。
そこで県では、新公会計制度への着実な移行を行った先に、固定資産管理の最適化などどのような二次的効果を期待しているか、以上、企画財政部長に伺います。
A 中原健一 企画財政部長
まず、どのような仕訳方法で新公会計制度への対応を進めていくのかについてでございます。
県では平成11年度決算よりバランスシート等の公会計の財務書類を公表してまいりました。
現在は決算統計データを活用した簡易な方法で作成しておりますが、平成28年度決算からは複式簿記を導入し個々の支出等を仕訳して作成することとしております。
仕訳方法を大別すると日々仕訳と期末一括仕訳とがあり、本県では、他の40道府県と同様に期末一括仕訳を採用する考えです。
次に、県はどのような利点を重視し、仕訳方法を進めるのかについてでございます。
日々仕訳は事務負担を年間を通して平準化できることや、財務書類を公表するまでの期間を短縮できるメリットがございますが、財務会計システムの改修に多額の費用を要するなど導入のハードルは高い現状にございます。
一方、期末一括仕訳は、導入が容易である点がメリットですが、特定の時期に集中する事務負担をどう軽減するかが課題となっております。
和光市が今年度予算で導入した「予算仕訳」は、予算の時点から既に仕訳を行っておくもので、決算後の事務負担を軽減できると期待されております。
県では当面期末一括仕訳を採用することでシステム改修費用等を抑えるとともに、事務負担の集中を避ける独自の工夫を行う考えです。
具体的には、財務会計システムで支出の処理をする時点で予め分類作業を行い、期末の作業負担の軽減を図ってまいります。
次に、新公会計制度にどのような二次的効果を期待するかについてでございます。
例えば、現在整備を進めております固定資産台帳を活用することで、橋りょう、交通安全施設など施設類型ごとに総資産額と減価償却額を対比し、老朽化のおおまかな状況を容易に把握できると考えております。
また、各施設の減価償却費を含むトータルのコストを出すことで施設の費用対効果をより詳細に検討できると期待しております。
県としましては、新たな方式での財務書類作成に向けて着実に準備を進めるとともに、予算編成や事業の見直しへの活用方法について引き続き検討してまいります。
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