埼玉県議会 県議会トップ画像

本会議及び予算特別委員会の生中継・録画中継をご覧になれます。

会議録の内容を、検索したい言葉や発言者などで検索できます。

ここから本文です。

ページ番号:79863

掲載日:2022年8月18日

平成28年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(江原久美子議員)

高濃度PCB廃棄物の保管と処理について

Q 江原久美子議員(民進・無所属

これは私、実は重大な問題であると思っておりますが、私たちの身の回りに今も大量に存在する毒性の高い高濃度PCB廃棄物の保管と処理について、県民生活の安全はしっかり守られるのかという観点から伺います。
PCBは、昭和30年代から工場や事業所などで使う蛍光灯の安定器やトランス、コンデンサーの絶縁油として幅広く使われてきました。しかし、北九州市で健康被害を引き起こすカネミ油症事件が発生し、一気に社会問題となり、昭和47年には製造は一切禁止されました。しかし、40年以上経過した現在もこれまで保管されていたPCB機器の処理は進まず、私たちの身近なところに大量に残っている状態です。
PCBの処理は国がイニシアチブをとっているため、平成13年にPCB特別措置法を制定し、中間貯蔵・環境安全事業株式会社JESCOを立ち上げました。当初、今年の7月までに全量の処理を終える予定でしたが、法律制定後PCBの汚染機器が全国に大量に存在することが分かったため、処理期限が大幅に延長されました。現在、国のPCB廃棄物基本処理計画によれば、埼玉県など1都3県における高濃度PCB廃棄物については、トランス・コンデンサーは平成34年まで、蛍光灯の安定器は平成35年度までに完全に処理することとなっています。
法律上は、現在でも使用中の機器は使用が認められているため、全国の工場やビルなどでおよそ8万個の安定器が使用されています。また、使用後に廃棄物となった電気機器も長期にわたり事業所などで保管されている状況が続いています。保管期間の長期化に伴い、保管物の破損やPCBの漏えいなどが発生するだけでなく、場合によっては紛失といった事態も懸念されます。
PM2.5であるとか現在もよく報道される環境問題については、県民の皆さんも関心を持って見守っていますが、私たちの身近なところにPCBが大量に存在しているという事実は年月の経過もあり、余り知られていません。だからこそ一刻も早い処理が必要だと思います。
そこで、環境部長に伺います。高濃度PCB廃棄物の処理期限が平成35年度に迫っています。延長はしないという政府の方針も明らかになっています。処理責任は保管事業者にありますが、保管されている機器の安全対策は確保されているのでしょうか。また、本県の高濃度PCB廃棄物の処理状況と期限までに確実に処理できる見込みなのかお答えください。
次に問題なのは、その所在が把握できていないことです。県内の高濃度PCB廃棄物でいまだ所在が把握できていないものについて、どのように把握していくのか伺います。

A 宍戸信敏 環境部長

まず、保管されているポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCBを使用した機器の安全対策でございます。
高濃度のPCBを含む機器とは、主に工場やビルなどで使用されていた電圧を変えるトランス、電気を蓄えるコンデンサー、事業用の照明用器具の部品である安定器がこれに当たります。
国は平成35年度まで計画的に高濃度PCB廃棄物の処理を進めることとしていますが、それまでの間、その機器を使用していた各事業者がPCB廃棄物を安全に保管することが義務付けられております。
保管義務を負う事業者は、関係者以外の立入がない場所で他の廃棄物と区分して保管し、PCBの漏えいがないように厳重な管理を行う義務があります。
県といたしましては、環境管理事務所の職員が立入検査を行って、適正保管の指導をしており、安全対策を図っております。
次に、本県の高濃度PCB廃棄物の処理状況はどうか、また、期限までに確実に処理できる見込みがあるのかについてでございます。
高濃度PCB廃棄物の処理先は、PCB特別措置法に基づき、中間貯蔵・環境安全事業株式会社、通称JESCOのみとなります。
県内のトランス及びコンデンサーの本格的な処理は平成27年度から始まったこともあり、平成27年度末においてこれまでに把握できた合計44,563台のうち、11.6%の処理が完了したところでございます。
なお、安定器については、平成29年度から処理が始まる予定でございます。
また、処理の見込みにつきましては、JESCOの処理も順調に進んでいることから、これまで県で把握できたものについては、期限内の処理が完了する見込みでございます。
次に、県内の高濃度PCB廃棄物で、いまだにその所在が把握できていないものについて、どう把握していくのかについてでございます。
高濃度PCB廃棄物を保管する事業者は、その数量、保管状況を自ら県に届け出ることになっております。
しかし、それだけでは高濃度PCB廃棄物のすべてを正確に把握することは困難でございます。
そこで県では、事業者からの届出を待つだけではなく、こうした制度があることを広く周知し、また、自らも環境省から電気事業法関係のデータを入手し、トランス・コンデンサーの使用状況の実態把握に努めてまいりました。
特に平成27年度には、トランス及びコンデンサー等を設置する28,118事業所を対象に大規模な状況調査を実施しました。
この調査によって、県内のトランス及びコンデンサーについて、おおよそ把握できたものと考えております。
安定器については、今後、建物の建築年を基にしてPCBを含む安定器が設置された可能性のあるすべての建物を推定して確認調査を行ってまいります。
今後とも、広報や周知活動を繰り返すとともに地道な調査を継続し、高濃度PCB廃棄物をしっかり把握し、その上で平成35年度までの処理完了に向けて取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?