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掲載日:2022年12月20日
Q 宇田川幸夫議員(自民)
かつて世界を席巻した日本の製造業は、半導体や電化製品などの生産が中国や韓国などの企業にシェアを奪われ、自動車は海外での現地生産が進みました。人口が減る国内市場はますます縮小する中、メイド・イン・ジャパンを支えた中小企業の高い技術力は、熟練技術者の退職により消滅の危機にあります。
そうした中、技術力を生かした新たな成長分野に参入して生き残り、事業を発展させようと考える企業も少なくありません。例えば埼玉県内の様々な電線を製造し、高い技術力を有するある企業では、県の補助金を得て、軽くて丈夫で電気が流れるカーボン製の電線の開発に取り組んでいます。この電線ができれば、ドローンの飛行時間を伸ばせる軽いモーター、自動車の送電ケーブルの軽量化、航空機に落ちる雷の放電、体調を24時間モニターできる下着など様々な用途が期待されるとのことです。
しかしながら、優れた技術を持っていても製品化や事業化には苦労がつきものです。その後の事業化に向けた取組もしっかりとフォローアップが必要です。県内企業の成長こそが税収増となり、公共福祉の向上につながるわけです。
そこで、地元の様々な中小企業の方の声も踏まえて支援策について、以下、産業労働部長に伺います。
まず、開発した素材や技術を国内外のユーザーとどのようにマッチングさせていくのでしょうか。
次に、こうした新素材や高機能部品などは高い性能と耐久性が求められますが、高額な性能測定器を購入できない中小企業に対するニーズをどう把握し、対応していくのでしょうか。
また、開発した製品には実証試験は欠かせません。企業が開発した製品の実証試験を行う場を県として積極的に提供し、年数で支援を打ち切るのではなく、継続してフォローアップしていくべきだと考えますが、産業労働部長の御見解をお伺いいたします。
A 立川吉朗 産業労働部長
まず、「開発した素材や部品、技術を国内外のユーザーとどのようにマッチングさせていくのか」についてでございます。
中小企業が開発した素材などを製品化や事業化につなげるためには、パートナーとなる企業や最終的な顧客となる国内外のユーザーとのマッチングがきわめて重要です。
先端産業創造プロジェクトでは、こうした企業やユーザーとのマッチングを進めるため、交流会や研究会を定期的に開催し、例えばナノカーボン分野では、延べ782人の方に参加いただいているところでございます。
また、開発した製品の販路開拓を後押しするため、企業の展示商談会への出展を支援しております。
引き続き、マッチングや販路開拓支援に力を入れ、製品化や事業化を促進してまいります。
次に、「高額な性能測定器を購入できない中小企業に対してニーズをどう把握し対応していくのか」についてでございます。
製品開発の過程では試作品の性能を評価・検証することが欠かせません。
産業技術総合センターでは、技術面での相談対応を通じて、製品開発中の中小企業のニーズを把握し、新たな機器の整備などに生かしております。
また、試験研究機器の開放や性能分析等の依頼試験を行うことで、高額機器の購入が難しい中小企業をサポートしております。
次に、「企業が開発した製品の実証試験を行う場を県として積極的に提供し、継続してフォローアップしていくべき」についてでございます。
研究開発の成果を事業化するためには、その製品を使用する現場で実証試験を行い、改良を重ねるといったプロセスが不可欠です。
産業技術総合センターにおいては、温度や湿度などの自然環境を再現できる装置を用いた実証試験を行っております。
また、昨年1月から県立毛呂山高校の跡地等を活用し、主にドローンの飛行試験を行う実証フィールドを開設したところ、延べ146日の利用がありました。
さらに12月2日には、さいたま市内の秋ヶ瀬橋で道路橋点検ロボットの公開実証試験を行いました。
実際に橋の点検を行う現場の実務者や建設コンサルタントも立ち会い、最新のロボット技術に触れてもらうことで、今後のロボットの普及にもつながると考えております。
今後も、企業ニーズに応えられるよう継続して実証試験の場を提供し、中小企業の方々による多くの製品開発につながるようフォローアップを行ってまいります。
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