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掲載日:2022年12月20日
Q 中野英幸議員(自民)
我が国においては、今年2月に日本銀行がマイナス金利を導入して以降、長期金利はマイナス圏で推移しておりましたが、トランプ氏の当選後は一転してプラスの水準にまで浮上しております。それでも、現在の我が国の金利水準は歴史的に見れば極めて低い水準にあり、本県にとっては有利な状況で資金調達ができる環境が続いております。例えば、埼玉県債の10年債の利率を見ますと、10年前の平成18年7月に2.1パーセントだったものが、今年の7月には0.05パーセントまで低下し、10年間で4分の1以下になっております。
上田知事は就任以来、臨時財政対策債等を除く県で発行をコントロールできる県債残高については、一貫して減少させてきたとしております。実際に、平成15年末の県債残高と平成28年度末残高を比べると、約4,000億円も減少しておりますが、私はこれを未来への投資に回すべきではなかったかと考えます。
一方で、臨時財政対策債を含めた県債全体の残高は一貫して増加を続け、平成28年度末には3兆7,912億円に達しております。臨時財政対策債の償還金については、国が全額交付税で措置するとしておりますが、国の財政状況も厳しい中で、本当に最後まで措置されるか懸念を抱かざるを得ません。
こうした状況から、本県の平成27年度の決算における公債費は、対前年度2.4パーセント増の2,761億円と、支出の15.3パーセントを占め、直近3年間では2,700億円前後で高止まりをしております。公債費負担が将来の県の発展につながる未来への投資の妨げにならないよう、早急に将来の公債費抑制に向けた取組を行う必要があると考えます。歴史的な低金利環境にある今こそ、将来にわたっての利子負担を軽減するため、長期に低金利を享受できる償還年限の長い県債の発行を増やすなど、資金調達方法の更なる工夫を凝らすべきと考えますが、企画財政部長にお伺いをいたします。
また、臨時財政対策債は、あくまで臨時的な特別措置にも関わらず、繰り返し延長され、その残高が莫大な金額になっている状況について、どのように解決しようと考えていらっしゃるのか、併せて企画財政部長にお伺いいたします。
A 中原健一 企画財政部長
まず、償還年限の長い県債の発行を増やすなど、資金調達方法に更なる工夫を凝らすべきではないかについてでございます。
本県が本年7月に発行した30年債の利率は0.260%でした。
平成25年9月に初めて発行した30年債の利率は1.975%であり、超長期債市場においても低金利の影響が強く出ております。
本県では、長期金利が低下してきたことを捉えて超長期債を積極的に活用し、金利負担の軽減に努めてきたところでございます。
20年債につきましては平成17年度から、30年債については平成25年度から発行しております。
県がこれまで行ってきた必要な投資などの財源として、平成27年度は借換債を含めて全国3位となる4,100億円の市場公募債の発行を行った中で、その4分の1を超える1,100億円を超長期債に充てたところでございます。
本年5月には、満期一括償還方式に比べて利子負担が小さい定時償還方式の30年債を都道府県として初めて発行いたしました。
また、他の自治体も超長期債を増加すると予想される中で、より有利な発行条件を得るため、投資家ニーズを捉えて本年10月には全国初の25年債を発行したところです。
このように超長期債の活用により金利負担を抑えるとともに、地方交付税措置のある財源的に有利な起債を優先することで、将来の実負担の軽減に取り組んでおります。
足下では日本銀行の金融政策の動向や海外情勢を反映して、超長期の債券市場の金利は幾分上昇傾向にあります。
今後の金利動向を十分に注視しながら、引き続き資金調達コストをできる限り抑えるよう努めてまいります。
次に、臨時財政対策債の残高が莫大な金額になっている状況をどのように解決していくのかについてでございます。
臨時財政対策債は、地方交付税の振替として平成13年度から発行を始め、その残高は平成27年度で約1兆5,571億円に達しております。
元利償還金は地方交付税で措置されるものですが、年々残高が増加する状況は望ましくございません。
臨時財政対策債の見直しについては、これまで九都県市首脳会議などを通じて国に要望してまいりました。
国では、平成27年度に地方交付税の法定率の見直しを行うとともに、税収の増加を背景に臨時財政対策債の発行額を抑制する「一般財源の質の改善」を行ったところです。
また、本県など臨時財政対策債発行を多く負担してきた自治体の発行額を抑制する見直しもなされました。
この結果、平成27年度は前年度比で565億円発行額が減少し、本年度はさらに減少すると見込んでおります。
一方で、総務省が本年8月に示した試算によりますと、来年度は再び臨時財政対策債の発行額が増加に転じる見込みです。
県としては、経済動向によって臨時財政対策債の発行額が再び拡大する状況を脱するため、税源移譲や交付税の法定率引上げなどの抜本的な見直しを行うよう引き続き国に求めてまいります。
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