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ページ番号:80204

掲載日:2022年12月20日

平成28年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(田並尚明議員)

主権者教育について

Q 田並尚明議員(民進・無所属

昨年、ラグビーワールドカップの視察に行ってまいりました。連れて行っていただきまして、ありがとうございました。イギリスの前に寄ったオランダかベルギーでのことでした。昼食を終え、バスに戻ってみると、なかなかバスが動きません。運転手さんによると、「デモだね、2、30分は動きそうもないね」とのことでした。まあ、じたばたしても始まらないと思い、せっかくなのでデモ行進を見に行くと、数万人規模の警察官のデモでした。足止めを食っている他のドライバーたちも、別に怒るわけでもなく、そのデモ行進を眺めています。その光景を見ているうちに、ふと昔のことを思い出し、「そうか、そういうことか」と、ひとりごちをしてしまいました。
昔のこととは、私が高校生の頃のことで、当時はテレビでよく国鉄のストライキのニュースが流れていました。高崎線もストライキをやってくれれば、学校へ行かずに済むのになと思いながらニュースを見ていましたが、ストライキじゃなくても行ってなかったんですけれども、待てよと思い父に、幾ら自分の権利とはいえ、それを主張するためにストライキなんかで他人に迷惑をかけても良いものなのかと聞いたことがありました。そのとき父から返ってきた言葉が、自分の権利を守るというのは相手の権利をも認めることなんだという内容でした。そんなことを思い出しながら、この視察で見てきた福祉や教育も、相手の権利を認めるという精神文化が土台にあって、初めてうまくいく施策なのだとも強く思いました。
さて、日本に目を向けてみますと、今年から選挙権の年齢が引き下げられ、18歳から自分たちの将来を選択できるようになりました。反面、神奈川県相模原市の障害者福祉施設の事件や最近の東松山市での事件のように、差別やいじめは昔より卑劣で陰惨なものになっております。また、このままでは医療費や介護などの社会保障制度も今後ますます厳しくなっていくものと想像できます。やはり差別やいじめ問題の解決、また社会保障制度の施策の根本には、相手の権利を認める「お互いさま」という精神文化が土台にあってこそ、いろいろな施策が有効に効果を発するものではないかと私は強く思います。この間、ニュース番組で教育先進国と言われるフィンランドでの教育方針は、立派な納税者を育てることだというのを聞いて、シンプルだけれども、確かにそうだなと思いました。
そこでお伺いいたします。国も文科省の下に主権者教育の推進に関する検討チームを設置し、検討が行われたこと、また来年度に示される見込みの次期学習指導要領において、高校の授業に新科目の「公共」が取り入れられる方針であることを聞きましたが、ややもすると主権者教育イコール選挙教育になりそうな気がしますが、県では主権者教育についてどのような目的を持ち、また新科目の「公共」導入に向けてどのように取り組んでいくのか、教育長にお伺いいたします。

A 関根郁夫 教育長

まず、「県では主権者教育についてどのような目的を持っているか」についてでございます。
主権者教育により、生徒が、選挙に関する理解を深めるだけではなく、我が国や地域の課題を主体的に解決する能力を身に付けることが重要です。
そのためには、生徒が、授業で我が国の社会的課題について関心を持つとともに、地域の課題についても、ボランティア活動などを通して理解を深め、自ら行動することが大切でございます。
また、生徒会活動などを通じて、集団での意思決定の仕組みを学び、校内の課題解決に取り組むことも、主権者としての資質を高める貴重な経験になると考えております。
このような活動により、生徒が、我が国や地域の課題について、多面的・多角的に捉え、他者と協働しながら、主体的に考える能力を身に付けるよう、継続的に取り組んでおります。
次に、「新科目の『公共』の導入に向けてどのように取り組んでいくか」についてでございます。
新科目「公共」は、よりよい社会の実現のため、他者と協働して、社会の諸課題を考察したり、その解決策を主体的に考える力を育むことを目指しており、主権者教育と共有するねらいを持つものでございます。
新科目「公共」の具体的な学習活動の例として、討論やディベート、模擬投票、模擬裁判などがあり、他者と議論することや、実践的な活動を授業に取り入れることが重要であります。
こうした学習活動について、県では、国が昨年度作成した主権者教育の副教材に基づき、実践事例集の作成を進めております。
今後は、次期学習指導要領についても、情報を収集し、新科目「公共」の導入に対応するよう、しっかりと準備を進めてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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