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掲載日:2018年7月13日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(諸井真英議員)

科学技術立国を取り戻すには

Q   諸井真英議員(自民)

今月12日、2017年度の科学技術白書が閣議決定をされました。その中では、人材力、知の基盤、研究資金といった科学技術イノベーションの基盤力に多くの課題を挙げ、我が国の国際的な地位が低下していると認め、近年の日本の研究力の低迷ぶりを如実に表す内容となっております。
また、2013年から15年の各国の大学や研究機関などが出版した自然科学系の論文数に関する報告書では、世界の研究者に引用されるような注目度の高い論文数で日本は9位となり、前回の7位から後退しました。1位はアメリカ、2位は中国、3位はイギリスで、この3か国で全体の半数となっております。かつては、長らくアメリカに次いで世界2位でありました。しかし、論文の数が示すとおり、日本はこの20年で、経済の低迷だけでなく、新しいものを創り出す研究開発、高度な研究をしていく能力が衰えているのが実情であります。
私は、科学者ではないので偉そうなことは言えないんですけれども、あえて一つ申し上げるとするならば、今日本に欠けていることは、目先の専門知識とか経済とかではなく、まず、人間力を高めることだというふうに感じます。つまり、理系に必要だからといって物理、化学、生物、数学などが得意な人だけを集めて、その分野ばかりやるとか、社会ですぐ役に立つ、つまり実学的なものばかりを優先してやるのではなくて、すぐには何の役にも立たないかもしれない哲学とか歴史、文学、音楽、芸術など、リベラルアーツ的な学問を教えることのほうが、むしろ重要だと考えております。
アメリカの理系のトップと言えるマサチューセッツ工科大学、MITでは、最先端科学などは教えていないそうです。先端科学はすぐに古くなり陳腐化する、だから大学では教えないし、そんなものを暗記しても意味がないそうであります。特に歴史は重要で、歴史を学ぶことにより、人間を学べます。それは人間の行為の普遍性を学ぶことであり、すなわち人そのものを学ぶということであります。日本では実学志向が強く、大企業が即戦力を欲しがります。しかし、ベースとなる知識がないので、新しいことを生み出せない状態に陥っています。MITでは全く逆になっており、自らの考えや知のベースとなる教養を豊かに学んだほうが、はるかに役に立つという教育方針と伺っております。
一方、埼玉県は、県立高校グローバルリーダープロジェクトとして、このMITに県立高校の生徒四十名を短期派遣しております。過去に参加した生徒の感想文を幾つか読んでみましたけれども、「難しい専門的な内容を勉強していると思っていたが、音楽を聞いたり本を読んで感想をディスカッションしたりする内容になっており、驚いた」などの感想を書いている人もいました。高校生は素直に感じて分かったようですけれども、主催している県教育局がそのことを理解しているようには見えません。ただ短期派遣して、感想文を書かせて終わりではなくて、高校生が感じたことから、教育者側もあるべき未来像を描いて対応しなければ、事業を行っている意味がないのではないでしょうか。
そこで、義務教育及び高校教育、特に理系教育の中において、リベラルアーツ分野の教育をどう位置付けて、どのように教えていくのか、教育長にお伺いをいたします。

A   小松弥生   教育長

議員御指摘のとおり、リベラルアーツは非常に重要なものと考えております。
研究開発の成果を社会実装していく上では、心理学や社会科学の視点が必須でございますし、ものづくりにおいても創造的で芸術的な発想が必要です。
学校教育において、どの分野に進む場合においても、生徒が哲学、文学、歴史、音楽、芸術などを学ぶことは、視野を広げ豊かな人間性を育む上でも大切だと考えております。
新学習指導要領におきましても、問題発見・解決能力などの学習の基盤となる資質・能力を育成するためには、教科横断的な視点が重要であるとしております。
県内の現状を見てみますと、県立高校では、理系選択者を含めた大学進学希望者を対象に、松尾芭蕉やアリストテレスなどの作品について、生徒同士の対話を通して物事の本質に迫る古典セミナーを、学校の枠を超えて行っております。
また、県立高校の中には、ジャズやイタリアの芸術について扱ったり、能楽や書など日本文化に触れさせる機会を設け、論文を作成する活動などを行っている学校もございます。
県といたしましては、理系教育においても、専門教科に偏ることなく、幅広い教養を身に付けさせる取組をさらに進めていきたいと考えております。
古典、芸術、歴史などの学習に加え、教科の枠を超えて探究的に学ぶ総合的な学習の時間などを通じて、自らの考えや知のベースとなる教養を育む教育を推進してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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