トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成30年6月定例会 > 平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(田並尚明議員)
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掲載日:2023年5月2日
Q 田並尚明議員(立憲・国民・無所属)
最近、児童虐待のニュースが増えてきております。中でも、先日報道された、虐待死された船戸結愛ちゃん(5歳)の亡くなる前の覚えたての文字でつづった手紙が公表されたときは、胸が強く締め付けられる思いがしたのは私だけではないと思います。本県の虐待について近年の状況は、児童相談所における児童虐待通告数は平成23年度の4,504件から平成28年度では1万1,639件と、約3倍近く増加しております。その間に、13人の何の罪もない尊い命が虐待により奪われてしまっております。そのような状況を受け、本県では平成29年7月に埼玉県虐待禁止条例が制定されました。この条例により、子供たちの権利が守られ、全ての子供が夢を持ち、生き生きと成長できる環境が守られることを強く期待してやみません。
そこでお伺いいたします。
1、条例には県は虐待の防止等に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとするとあります。そこで知事にお伺いいたします。
①まず、虐待防止について知事の強いお気持ちをお聞かせください。
②また、子供たちを虐待から守るため、もっともっと予算をかけるべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。
2、本県の児童相談所は7か所で、1か所当たりの人口は、これはあくまでも人口で子供には限らないんですが、85万七1,508人となります。これは47都道府県のうち4番目の多さとなっております。児童相談所を増やすことについては、先日、井上航議員さんから質問がございました。私のほうからは、児童相談所の職員も増やす必要があると思います。条例にあるように、早期対応をするためには今の人数ではいっぱいいっぱいだと思います。より早期に、そして子供たちに寄り添い、虐待から守ってあげるためにも職員を増やすべきと考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。
3、また、一時保護施設も足りないと思います。熊谷市の児童相談所にも一時保護施設がありません。ただでさえ少ない人数で、職員が児童相談所と遠くの一時保護施設を行ったり来たりするのでは、職員の負担が増えるだけで本来の子供たちに寄り添う時間が少なくなってしまいます。子供たちの不安を取り除き、少しでも精神的・肉体的に安定できる環境づくりのためにも、一時保護施設を増やすべきと考えますが、福祉部長の「分かりました」というお考えをお伺いいたします。
A 上田清司 知事
虐待防止についての強い気持ちについてでございます。
本来、子供にとっては、親は自分の存在を守ってくれる絶対的な存在だと私は思っております。
その親が子供に暴力を振るう、あるいは育児を放棄するといった行為、大変残念、あるいは又、信じられないというような思いを常に持っております。
虐待によって幼い命が失われる、こうした痛ましい出来事が繰り返されていることは、大変残念であります。
決定的な、取り除く要因というのは、なかなかないのかもしれませんが、子育て支援をはじめ親の孤立化を防ぐなどいろんな社会的なリスクを一つひとつ取り除いていく、そういう努力が行政は当然ですが社会全体に必要なのではないかと私は思っております。
子供の命を守ることを何よりも第一に考え、引き続き児童虐待の防止に強い決意をもって取り組んでまいります。
次に、子供たちを虐待から守るため、もっと予算をかけるべきについてでございます。
私はこれまで児童相談所の児童福祉司や心理司を大幅に増員するとともに、医師や弁護士、更に警察官OBなどを配置し、体制強化を図ってまいりました。
あわせて、児童虐待防止の基盤づくりとして越谷児童相談所に一時保護所や草加支所を設置し、また川口市に南児童相談所を移転した際にも一時保護所を設置いたしました。
さらに、24時間いつでも通報を受けられる休日夜間の児童虐待通報ダイヤルや警察との情報共有の協定など児童虐待防止のためのいろんな仕組みづくりを職員の皆さんと考えながら進めてきてまいりました。
このほか、平成29年度から地域の民生・児童委員や保育士、小中学校の教員などを対象に研修を実施し、5年間で1万人を目標に児童虐待防止サポーターを養成しているところでございます。
今後とも、児童相談所の体制強化を図るとともに警察をはじめとする関係機関との連携を強化し、児童虐待防止に必要な予算を確保してまいります。
次に、児童相談所の職員を増やすべきについてでございます。
児童相談所の職員は知事就任時の201人から約1.7倍の333人へと132人増員するなど児童虐待に対応する体制の強化を進めてきたところでございます。
平成30年度においても、児童相談所の児童福祉司や心理司を合わせて19人増員するとともに警察官OBも増員し各所2人体制にさせていただきました。
通告件数の動向や児童相談所の現場の実情を十分に踏まえ、必要な職員数をこれからもしっかり確保してまいります。
あわせて、児童虐待の一義的な窓口になる市町村をはじめ、警察、学校、地域、関係団体など最終的には社会全体の力を結集すること、これなくして児童虐待を防ぐことはできません。
引き続き関係機関、関係者と一緒となって、児童虐待防止にしっかりと取り組んでまいります。
A 知久清志 福祉部長
児童相談所に設置している一時保護所は、虐待を受けた子供を保護し、生命、身体の安全を確保するほか、子供の処遇方針を決めるためのアセスメントを行う大変重要な施設です。
一時保護所は、平成23年に南児童相談所をさいたま市から川口市に移転した際に新たに設置し、現在、4か所となっております。
虐待通告の増加もあって、県内の一時保護所の入所率は、9割程度とかなり高い状況です。
このため、一時保護所以外に、入所定員に空きのある児童養護施設や里親の皆さんにも、一時保護を委託して実施しております。
また、平成28年度から、児童養護施設などにおいて専用の一時保護施設を設置できるようになりました。
各施設に設置を働き掛けた結果、平成29年度に加須市、深谷市、春日部市の3つの児童養護施設に設置されました。
引き続き、こうした専用施設の設置を積極的に働き掛けてまいります。
児童相談所の一時保護所については、入所状況や御指摘の児童相談所と一時保護所の距離の問題などを考慮しながら、増設に向けてしっかりと検討してまいります。
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