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ページ番号:133018

掲載日:2018年7月13日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柳下礼子議員)

公立病院の独法化は、病院廃止の第一歩―地域医療へ貢献する県立病院へ―

Q   柳下礼子議員(共産党)

2007年、総務省は公立病院改革ガイドラインを発表し、全国の自治体に対し、公立病院に地方独立行政法人も選択肢とする経営形態の見直しを迫ってきました。本県においても、埼玉県立病院の在り方検討委員会で検討が始まっております。5月、福祉保健医療常任委員会は、地方独立行政法人大阪府立病院機構へ視察を行いました。大阪府立病院は、独法化直後、前年度比17.2億円も収支を改善するなど財務を改善し、独法化成功のモデルであるような報告を受けております。しかし、その実態は職員の処遇悪化による質の低下と患者への大幅の負担増であり、公立病院の変質と言わざるを得ません。
第1の特徴は、徹底した経営論理への転換です。パナソニック出身の独法方、副理事長は、病院運営から経営に変えていこうと発言。電子カルテを見る看護師のパソコンの画面には、毎日病床利用率が表示され、80%を切ると赤字表示に変わります。
第2には、職員、特に看護師の処遇の切下げです。看護師給与は、国立病院機構に倣って40代以上の昇給をストップしました。これを含む給与費の削減は17.3億円、収支改善とほぼ同額です。この結果、看護師の退職が相次ぎ、年中職員募集に追われ、非常勤職員が激増しています。
第3は、患者への負担増です。独法化後、個室料金は7,500円から1万5,000円以上に、最高の部屋は6万円と、ホテルより高額です。緊急入院しなければならない患者が、2万7,000円の個室しか空いていないと言われ、「それだったら帰るわ」と言ったそうです。人件費を引き下げて看護師不足に陥るだとか、6万円もの差額ベッドを設ける、このような大阪府立病院の在り方は正に経営であり、民間病院と変わりないと感じますが、病院事業管理者の見解を御答弁ください。
大阪府立病院の独法化の最大の問題点は、独法化が病院廃止の一歩だという点です。大阪府立、市立病院の統合を目的に、2011年、大阪府と市の統合本部が発足し、まず、医師会はじめ府民の猛反対を押し切って市立住吉病院が廃止されています。独法化計画は府民の医療の充実などではなく、公立病院の廃止を目標にしたものです。私は、公立病院の根幹を否定するような独法化は認められないと思いますが、病院事業管理者、見解を求めます。
私は、県立病院の在り方を検討する上で大切なのは、全国一医師の少ない本県の医療課題に県立病院がどう応えていくのか、この点だと思います。2点提案します。
1つは、循環器・呼吸器病センターはさらなる拡充をし、救命救急機能を担うべきだということです。医療過疎となっている北部地区の救急医療体制は県立病院こそが支えるべきです。
2つは、小児科・周産期医療を支えるために小児医療センターの医師体制を強化し、今以上に各地に小児科、新生児科、医師の派遣を行うべきです。小児科医師が退職してしまったなど、病院緊急時の支援を県立病院がしっかりと担うべきです。病院事業管理者、私の2つの提案はいかがでしょうか。御答弁ください。
ところで、私の地元の西埼玉中央病院ですが、NICUを9床備えていながら、新生児の専門医の不在により、地域周産期母子医療センターが2012年より休止しております。産科医の確保、小児科医の確保など努力が重ねられてきました。関係者の懸命な努力の末、3床の再開となりました。引き続き、残り6床の再開に進むべきです。地元の悲願であるNICU再開について、保健医療部長の答弁を求めます。
私は、県立病院は高度医療、不採算部門を担うとともに、地域としっかりと結び付き、地域医療に貢献することが本来の役割と考えます。在り方検討委員会は拙速な結論を避け、職員や地域を中心に幅広い意見を聞きながら議論を進めていただきたい。病院事業管理者の答弁を求めます。

A   本多麻夫   保健医療部長

西埼玉中央病院をはじめ様々な関係者の長年の御努力の結果、平成29年4月に新生児科の指導医1名を県外から招へいするとともに、小児科常勤医7人体制を確保したところです。
西埼玉中央病院からはNICU再開に向け一定の準備が整ったことから、3床を来月中には再開する旨、話をお聞きしております。
6床の再開に進むべきとの御指摘ですが、まずはNICUが安定して継続的に運用されることが重要でございますので、今後の西埼玉中央病院の状況や御意向等をよく踏まえ、必要な支援に努めてまいります。

A   岩中   督   病院事業管理者

まず、大阪府立病院のあり方についての見解です。
大阪府立病院は、平成18年4月に都道府県立病院としては初めて地方独立行政法人に移行しました。
移行に際し、給料表を国立病院機構にならって変更したので、これは収支改善の要因の一つになったのかもしれません。
ただ、本県が確認したところ、地方独立行政法人に移行した15府県18法人の状況では給料表を変更したのは2法人だけであり、少数派です。
一方で、大阪府立病院は医師、看護師などの医療スタッフを必要に応じて増員し、救急部門や高度専門医療の充実など、公立病院の役割を適切に果たしてきたと理解しています。
また、事務や現業などの間接部門はアウトソーシングを行うなど、効率化も進めたとも聞いています。
こうした様々な取組の結果、収支が改善され、設立当初からの多額の不良債務を解消されたとのことです。
地方独立行政法人への移行当初は、手厚い財政支援も受けていたと聞いておりますが、立派に運営されていると認識しております。
次に、公立病院の根幹を否定するような独法化は認められないについてです。
周産期や救急などの高度専門、不採算医療については、まさに公立病院が担うべき役割です。
埼玉県立病院が仮に地方独立行政法人になったとしても、公立病院として担うべき役割は、しっかり果たしてまいります。
次に、循環器・呼吸器病センターにおける救命救急機能の拡充についてです。
循環器・呼吸器病センターは地域医療支援病院として、地域の医療機関と連携しながら、対応可能な領域に限られますが、重篤な救急患者を積極的に受け入れております。
平成29年度の救急患者の受入れ実績は、救急車により搬送された患者が前年度と比較し15%ほど増え、救急患者全体で4,147人になりました。
今後も、引き続き医師の確保を図り、県北地域における救急医療を支えてまいります。
次に、小児医療センターの医師体制強化についてです。
小児医療センターは、地域の医療機関では対応が困難な小児患者を受け入れ、高度で専門的な医療を提供しています。
こうした役割をしっかりと果たすためには、医療スタッフの体制強化、特に医師の確保は極めて重要です。
ただ、県の施策に協力して医師を派遣するためには、まだまだ体制が十分でなく、地域の病院に常勤医師を派遣することは現時点では困難です。
まずは医師の確保に努めてまいります。
次に、在り方検討委員会は幅広い意見を聞きながら議論を進めるべきだについてです。
先般、地域医療や経営の専門家など8名の外部有識者から構成される「埼玉県立病院の在り方検討委員会」を設置しました。
委員会は、県立病院の役割や求められる機能、また、そのために最適な経営形態などを議論し、意見を頂くこととしております。
一方、今後の県立病院の在り方を検討していく上では診療現場の職員と意見交換をしていくことも非常に大切だと考えています。
そこで、この委員会の開催に先立ち、職員と一緒になって県立病院の将来像を考える「県立病院の在り方に関する勉強会」も開催しているところです。
勉強会では、これまでに4病院の全てで計8回、延べ1,000人を超える職員が参加し、活発な意見交換を行いました。
在り方の検討については、勉強会で出された意見を委員会で議論していただくなど、職員不在の議論とならないよう丁寧に進めていきたいと考えております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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