トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成30年6月定例会 > 平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(日下部伸三議員)
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掲載日:2023年5月2日
Q 日下部伸三議員(自民)
今年度、私、警察危機管理防災委員会の委員長を務めさせていただいておりますが、委員会の所管事務調査として今年3月の東京目黒区の5歳女児虐待死事件の案件を上げると、知事が定例会見で児童相談所の虐待情報を全て県警と共有すると発表しても、誰とは申しませんが、それは児童相談所の所管で福祉の所管となり、うちの所管じゃない的な答えが返っております。また、今月の大阪の地震で小学校のブロック塀が倒れて9歳の女児が亡くなった案件を上げますと、それは教育委員会の所管でうちの所管じゃない的な答えが返ってきます。県庁の建物は総務部の管財課、大宮公園は都市整備部の公園スタジアム課、一般の建築物は都市整備部の建築安全課の所管など、それはうちの所管じゃない的な説明がつらつらと始まり、危機管理防災部で県内の倒壊の危険性がある建造物の情報を統括的に共有しようという気持ちが感じられないわけでございます。
本会議や委員会では、頻繁に「部局の連携が重要」ということが言われておりますが、その舌の根も乾かぬうちに「うちの所管じゃない」という言葉が返ってまいります。お役人さんは「うちの所管じゃない」という言葉、これが大好きであることはよく存じ上げておりますけれども、民間企業で「うちの所管じゃない」と発言すると、「明日から来なくていい」と言われかねませんので、御注意いただきたいというふうに思います。
少なくとも、防犯・防災に関する情報は可能な限り全庁的に共有し、「うちの所管じゃない」という言葉は使わないように心掛ける旨の通達を出したほうが良いと考えますが、奥野副知事の見解を伺います。
A 奥野 立 副知事
それぞれの部局には、割り振られた事務があり、責任を明確にして、しっかり対応することが組織の基本です。
その上で、複数部局で対応すべき事案が発生した場合には、情報を共有して、連携して取り組むことが大切です。
通学路の安全確保のケースで言えば、県としては、学校施設としてのブロック塀は教育委員会が、建築物の耐震性などは都市整備部が、道路や歩道の安全性は県土整備部が、防犯の観点からは県民生活部や警察本部が各々点検をする必要があります。
通学路を設定しているのは市町村の教育委員会ですので、こうした情報については、県教育委員会が取りまとめた上で、しっかり市町村教育委員会に繋ぎ、最も適切な通学路が指定されるよう努めることが求められています。
複数の部局による総合的な取組として、在宅医療を担当する保健医療部と介護を担当する福祉部が協力して地域包括ケアシステムの構築を目指している例がございます。
今年度は、シングルマザーの支援や子どもの居場所づくりなどの課題に対応する「貧困の連鎖の解消」について、福祉部が中心となり9つの部局にわたる職員でチームを編成して取り組んでおります。
また、大規模災害発生時には、危機管理防災部が中心となって全庁をあげた体制で災害対応に当たる仕組みも整備をしております。
一方、個々の職員としては、業務を正確に処理したいという意識が高いことから、ややもすると広い視野で全体を見渡すという視点が欠けてしまうことがあるかもしれません。
また、防犯や防災など、県民の生活に直結することはもちろん、複数の部局にまたがる課題については、三遊間のボールを積極的に拾っていくような姿勢で業務に当たることが重要です。
こうした姿勢を養うために県では昨年度から「T―1グランプリ」と称して自分の担当以外の分野についても職員から政策提案を募る、領空侵犯大歓迎と、こういう取組を開始したところです。
昨年度は、貧困の連鎖の解消、AI・IoTなど新たな技術の活用、遊休資産のフル活用の3つのテーマについて43件の提案がありました。
今年度も人生100年時代に向けた「社会人の学び直し」「高齢者の交通安全対策」など20のテーマについて募集を行っております。
「うちの所管ではない」とは逆に、自分の担当だけではなく、関連する業務についても対岸の火事とすることなく我がこととして受け止めて取り組んでいく。
そうしたマインドを持った職員をできるだけ多く育成していくことが、組織の強靭化につながるものと考えております。
再Q 日下部伸三議員(自民)
ここで知事なり副知事なり、部長さん方は連携が重要ということを答弁されるんですけれども、実際にですね、もう明日になれば多分、それはうちの所管じゃないと言う人がいると思うんですね。だから、民間では窓口業務として、ありません、できません、分かりません、これは言ってはいけない言葉、まずこれから教えるんですよ。これを言うんであれば、上の者に確認してまいりますとか、そういうふうに言いなさいということを言うんですけれども、それはうちの所管ではないと、これをまず言わないということをきっちり徹底してほしいということなんですけれども、もう一度御決意をお聞かせいただきたいと思います。
再A 奥野 立 副知事
「うちの所管ではない」ではなくて、三遊間のゴロを拾っていくような、そういう姿勢の職員を育てていくことが、管理監督者の大切な役割だというふうに受け止めて、しっかりと取り組んでまいります。
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