トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成30年6月定例会 > 平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柳下礼子議員)
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掲載日:2023年5月2日
Q 柳下礼子議員(共産党)
この4月、上田知事は全国知事会会長に就任されました。今後、国に対して言うべきことははっきりと発言することを強く望みます。
まず、米軍横田基地へのCV-22オスプレイの配備についてです。2019年とされていたCV-22オスプレイの配備が突如今年夏に前倒しされました。このオスプレイについては、4月、普天間からのMV22が奄美空港に緊急着陸、6月、横田基地から飛んだCV-22が奄美空港に緊急着陸と、トラブルが毎月のように報道されております。
この点で埼玉県危機対策協議会は、情報提供や安全確保の徹底を防衛省に申し出たとのこと。国の回答は、得られた情報は適切に地元に説明したいというものでした。ところが、5月29日にCV22は横田基地に飛来していたのですが、この情報、防衛省は事前に把握していたにもかかわらず、自治体に提供しませんでした。防衛省は米軍から秘密にしてくれと言われたと説明しています。
6月23日にも午後2時頃、埼玉県の上空を飛んでCV22が横田基地に着陸しておりますが、関係自治体に情報提供されたのは、埼玉上空を通過した後の四時半過ぎでした。MVと異なり、CV22は特殊作戦用の輸送機です。作戦そのものが軍事機密とされるCV22の発着情報が、今後、自治体にその都度提供されるとは私は考えがたいのですが、知事の見解を伺います。
私は、危険な欠陥機であり、特殊作戦用輸送機CV22オスプレイの横田基地配備は撤回しかない、撤回を要求すべきと考えますが、知事、いかがですか。
なお、昨年、知事は基地負担に関する研究会の座長に就任しました。この中で埼玉県の基地負担軽減についても積極的に発言していただきたいと考えますが、研究会の報告を求めます。
全国知事会の特別委員会が5月30日、改憲案策定に向け会合を開いたと報道がありました。自治体の権利を憲法で保障する必要があるとして、独自に課税できることを明確化する条文を追加とのこと。現憲法には地方自治が明確に規定され、その下で地方分権一括法が存在しております。現憲法では地方財源の保障が不可能だと考えるのか、知事の見解をお示しください。
私は、憲法に今の自衛隊を書き込み、第9条2項を死文化させ、戦争できる国へと安倍政権が突き進むさなかに改憲を提案することは、安倍政権の改憲速度を助長する役割にしかならないと考えます。知事会の名の下に改憲案作成など、直ちに中止すべきと考えますが、知事の見解を求めます。
A 上田清司 知事
まず、「知事の全国知事会会長にあたって」のお尋ねのうち、米軍横田基地に配備されるCV-22オスプレイの発着情報が自治体に提供されるとは考え難いことについてでございます。
米軍機の運用に際しては、住民生活への最大限の配慮が必要であると考えております。
そのため、県と基地関連14市町(しまち)で構成する埼玉県基地対策協議会では、CV-22の配備前倒しが発表された4月3日に、安全確保や騒音への配慮、地元への十分な説明について直ちに北関東防衛局に口頭で要請しました。
さらに、5月10日には防衛大臣に対し文書で要請を行っております。
CV-22に関する情報提供について改めて国に確認したところ、今後米国側から情報が得られた場合には速やかに地元に説明するとの見解が示されています。
本来ならば主権国家として日本政府は米国側に事前通知を求めるべきだと私は考えます。
県としては県民の不安を解消するため、県基地対策協議会の構成市町(しまち)と共に、引き続き国に対し十分な説明を求めてまいります。
次に、CV-22の配備撤回を要求することについてでございます。
国は横田基地へのCV-22の配備について、日米同盟の抑止力・対処力を向上させ、我が国の防衛とアジア太平洋地域の安定に資するものと評価をしています。
安全保障に関することは国の専管事項であり、現時点で県から配備撤回を求める考えはございません。御理解ください。
次に、全国知事会の米軍基地負担に関する研究会についてでございます。
研究会では「沖縄県における米軍基地の現状」を中心に、本県にも関わりのある「日米地位協定」などのテーマについて、学識経験者や国の担当者などから話を聞き、意見交換を行ってまいりました。
6月6日に開催された第6回をもって研究会の開催は終了し、来月予定されている夏の全国知事会議で正式に活動報告を行います。
次に、現憲法では地方財源の保障が不可能だと考えているのかについてと、改憲案作成などを直ちに中止すべきについては、相互に関連していますので一括してお答えを申し上げます。
現在全国知事会の総合戦略・政権評価特別委員会では、憲法における地方自治の在り方について検討を行っております。
議員御指摘の地方財源の保障については、主要な論点である「地方自治の本旨の明確化」の中で議論されています。
現行規定では地方自治について抽象的で理念的な定めしかありませんが、地方の在り方や国と地方との役割分担を明確化し、地方の自主性・自立性を充実させることを目指しています。
その検討を進める中で、地方の財源保障や課税自主権など自らの財政権についても、憲法にはっきりとうたった方が良いとの意見があり、全国知事会の改正草案に盛り込まれたものでございます。
地方の財源保障については財政権の明記がない現行の憲法の下でも、地方交付税制度により一定程度保障される仕組みにはなっております。
また、課税自主権についても、制度上は認められています。
しかしながら、神奈川県の臨時特例企業税条例をめぐる裁判では、課税自主権そのものが大きなハードルになりました。
このような課題をクリアするためには、憲法に地方の財政権を明記することが一つの有効な手段であります。
「自立自尊」の地方自治を実現するために、このような財政権の強化も含めた憲法における「地方自治の本旨の明確化」について提起していくことは、意義のあることだと考えております。
再Q 柳下礼子議員(共産党)
1点目は、知事の政治姿勢のところでオスプレイに関してです。オスプレイが埼玉の上空をしょっちゅう飛んでいるわけですよね。このオスプレイというのは未亡人製造機とも言われるぐらいによく落ちるんですね。そういう面で、特に、埼玉県の平和委員会なども海兵隊用のMV-22は飛来について事前通告があるのに、特殊作戦機のCV-22は全て事後報告なんですね。これは絶対に見過ごせないんです。これは特殊の作戦のために知らせないで低く飛んだり、その後、危険な訓練を行っているんですね。ですから、そういう面で私たちの12月の質問のときにも、知事は知事会の会長に今度なられたわけですから、沖縄とかいろんなところで飛行機の落下問題とか起きていますので、一層改めて決意を聞かせていただきたいというふうに思います。
再A 上田清司 知事
まず、CV-22の配備の件でございますが、そもそも一般論で言えば、日本は主権国家として、日本政府としても米国側に様々な点で事前通知の要求を遠慮しているというきらいがある、このように私は認識しております。
そういう意味で、こうした日米同盟という大きな枠組みがあるにしても、ドイツやイタリアの例を見ても、同じ敗戦国でも基本的には国家の意思として自分の国の都合の中でアメリカのいわば行動を抑制するという仕掛けになっていますが、日本では必ずしもそうはなっていない。
こうしたことについて、安全保障に関しては国の専管事項であるため、私たち地方自治体は住民の安全や生活を守るという観点から、事前通知について強く要望をこれからもしていきたいと考えております。
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