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掲載日:2018年7月13日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(日下部伸三議員)

県立病院の運営について

Q   日下部伸三議員(自民)

県立小児医療センターは、新築移転した平成28年12月に救急告示化されました。また、今年6月に独立行政法人化を視野に入れた県立病院の在り方検討委員会が設置されました。私が県議1年目から指摘し続けてきた県立病院の救急告示化と独法化が少しずつ具現化しつつあり、県立小児医療センターの院長から病院事業管理者を歴任されている岩中先生に敬意を表しつつ、6問質問させていただきます。
1、岩中病院事業管理者は、脳卒中や心筋梗塞を扱う循環器・呼吸器病センターについても、昨年度の委員会等で医師の数がそろい次第、救急告示化したいと答弁されています。病院局経営管理課から今年の6月現在で医師があと5名足らないと伺っています。この医師5名が充足される見込みについて、併せてこの5名の医師不足は、国の働き方改革の影響による労働基準監督署からの当直明けの医師は休みにしなさいという指導によって生じたものか否かもお答えください。
次に、今年6月に設置された県立病院の在り方検討委員会について伺います。
委員のメンバーを見ますと、県立病院規模の民間病院の経営者が入っていないように思います。これでは、審議事項に上げてある病院形態の検討や課題の整理ができないと考えますが、御所見をお聞かせください。
3つ目以降は、県立病院への一般会計からの運営費繰入金、すなわち赤字補てんと能率的な経営について伺います。
平成19年度には67億6,600万円まで減少した運営費繰入金がまた増え出して、平成29年度は決算見込み額で92億900万円、平成30年度予算額では小児医療センターの新築移転に伴い125億9,300万円が計上されています。地方公営企業法では、能率的な経営を行っても、なおその経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難である場合、もう一度申します。能率的な経営を行っても、客観的に困難な場合に一般会計からの赤字補てんを容認しています。しかしながら、昨年明らかになった県立小児医療センターにおける約2,877万円の診療報酬請求漏れによる損失は民間病院ではあり得ないことで、客観的には能率的な経営にほど遠い状態と言わざるを得ません。改めて能率的な経営についての病院事業管理者の見解を伺います。
4つ目、精神神経医療センターの人件費率が恒常的に100%を超えており、民間病院ではあり得ない状態であることも県議1年目から指摘してきました。私、昨年度、福祉保健医療委員会の副委員長でしたので、病院局から精神医療センターの人件費率がなぜ100%以上になるか、その理由を説明したいので視察に来てほしいと言われまして、今年2月に視察させていただきました。視察で医療観察法病棟が不採算になることは理解いたしましたが、同病棟の毎月毎年の医業収益と医業費用が把握されていないことも分かりました。不採算部門の医業収益と医業費用を把握していないこと、これもまた客観的に見て能率的な経営にはほど遠い状態と言わざるを得ません。病院事業管理者の見解を伺います。
また、今年度はこの点が改善されているかも、併せてお答えください。
5つ目、小児医療センターでは毎月、診療科ごとの医業収益を前年同月と比較しているとのことで資料を見せていただきました。これも医業収益を各科の医師の頭数で割っていないので、経営効率を把握できません。ほとんどの民間病院では、医師個々の外来患者数、外来収益、外来患者の平均単価、受け持ち入院患者の延べ人数、入院収益、入院患者の平均単価を算出して、毎月の科長会議、これ内科とか外科とか全科が集まる部長の会議ですね、で部外秘資料として配布しています。電子カルテを導入していれば、医師個々の診療実績を出すのは極めて簡単で、資料も会議後回収すれば問題ありません。逆に、これをやらなければ、何億円も出して電子カルテを導入する意義が半減いたします。経営サイドが医師個々の働き具合を把握していることを示せば、おのずと医師個々がコスト意識を持つようになり、能率的な病院経営には不可欠と考えますが、病院事業管理者の見解を伺います。
6点目、私も医師ですので、県立病院には民間病院ではできない不採算医療、すなわち周産期医療、感染症病棟、医療観察法病棟など、担うべき使命があり、それに対する運営費繰入金がやむを得ないことは十分理解しております。しかしながら、公営企業は営利事業ではないものの、慈善事業でもないと私は考えております。したがって、際限なく一般会計からの繰入金が増えるのは避けなければならないと考えております。この点について、改めて病院事業管理者の見解を伺います。

A   岩中   督   病院事業管理者

まず、循環器・呼吸器病センターの医師確保についてです。
循環器・呼吸器病センターでは、まだ救急告示はできていませんが、救急患者の受け入れは積極的に行っています。
平成29年度には、救急車により受け入れた救急患者は1,231人となり、前年度と比較し164人増し、15.4%増加しております。
救急告示に向けて医師が5名足らないというのは、労働基準監督署の「当直明けの医師は休みにしなさい」という指導によって生じたものではありません。
夜間に多くの救急患者を受け入れていることから、医師の勤務体制を交替制にすることによるものでございます。
交替制により夜間に勤務した医師は、翌日は休みとなるため、翌日の外来などに対応するため、当直制の場合よりも多くの医師が必要となります。
交替制勤務のためには、循環器内科・呼吸器内科を中心に31名の医師が必要ですが、現状では26名の医師しかおらず、まだ5名足りません。
10月に1名を補充できる可能性がありますが、まだ5名全員を採用できる見込みは立っていません。
こうしたことから、従来の大学医局にこだわらず、様々な大学医局への働きかけを行い、医師の確保に努めてまいります。
次に、県立病院の在り方検討委員会についてです。
検討委員会は、県立病院として求められる役割や機能、また、そのために最適な経営形態などを議論し、意見を頂くものです。
そこで、委員会のメンバーには地域医療や病院経営の専門家など8名の方々を県内外から幅広く人選させていただきました。
例えば、民間病院では埼玉県医師会会長の金井忠男先生、公的病院では済生会川口総合病院総長の原澤茂先生、また公立病院では地方独立行政法人山梨県立病院機構理事長の小俣政男先生に委員をお引き受け頂いています。
事実上、経営形態については地方公営企業法全部適用の継続か、地方独立行政法人へ移行するかの選択であり、その点では適切な人選だと考えています。
委員の皆様は、どの方々も第一線で活躍されており、十分な実績をお持ちである非常に優れたメンバーだと認識しております。
次に、能率的な経営についてです。
昨年度明らかになった小児医療センターにおける診療報酬請求漏れによる損失については、改めてお詫び申し上げます。
平成30年度当初予算における一般会計繰入金125億9,300万円のうち、およそ半分は小児医療センターに対する繰入金です。
これは総務省が定める公営企業繰出基準に基づいており、赤字補てんではありません。
繰入金が増額したのは、小児救命救急センターや総合周産期母子医療センターの指定を受けるなど、病院の機能が拡充しているとともに、手術を要する新生児の患者を積極的に受け入れているためであり、過年度との単純な比較は適切ではありません。
ハイリスク母体の東京都への搬送が、平成28年度50件に対し、新病院開設後の平成29年度4件に激減しているのは、小児医療センターの役割の拡充の現れです。
また、先週の病床利用率は86.3%と、能率的な運営を行っております。
次に、医療観察法病棟の医業収益と医業費用の把握についてです。
医療観察法病棟は、重大な犯罪行為を犯しながらも、心神喪失等の状態で刑事責任が問えない者に対して、継続的かつ適切な医療を提供し、必要な観察を行うための病棟です。
精神医療センターは精神科の単一の診療科で構成されています。
各患者は症状により病棟は区分けされますが、提供される医療はほぼ同一です。
また、チーム医療として、医師は分担しながら全ての病棟を担当しているため、各医師ごとの収益と費用を把握することは困難です。
それゆえ、病棟ごとに収支を把握するのではなく、病院全体で医業収益と医業費用を把握すればよいと考えております。
また、医療観察法により入院となる患者は、地方裁判所によって決定されることから、病院で入院患者の増減をコントロールできません。
ただ、同病棟の先週の病床利用率は97.0%となるなど、現在の稼働は非常に高く、能率的な運営を行っていると考えております。
次に、医師個々の診療実績の把握についてです。
小児医療センターは第3次医療を提供しているため、入院診療に関しては診療科横断的に治療を行っています。
また、同じ診療科でも医師一人一人の役割は異なっています。
さらに、入院の診療報酬は、疾病により1日当たりの報酬が定額で決められる、いわゆるDPCによる包括的な算定であり、個々の医師の治療による出来高払いでの把握が困難です。
そのため、医師別の入院稼働額の算定は難しいと考えております。
一方、外来の診療実績は提供した医療行為ごとに報酬が支払われる出来高払いであり、医師別の稼働額が把握できますので、議員の御指導を踏まえ、平成30年度4月実績から算定し、病院長が活用しております。
次に、一般会計からの繰入金についてです。
一般会計からの繰入金は赤字補てんではなく、高度専門、不採算医療などの、診療報酬だけでは賄えない分を繰り入れるものです。
際限なく一般会計繰入金が増えないよう、収支改善に努めてまいります。

再Q   日下部伸三議員(自民)

県立病院の在り方検討委員会でですね、私、県立病院と同規模の民間病院の経営者がメンバーに入っていないと申し上げたんですけれども、岩中病院事業管理者、金井先生、県医師会長、所沢肛門病院の名誉院長ですけれども、規模が300床はございません。それから、あと済生会川口総合病院、やはり完全な民間病院とは言い切れませんので、純然たる300床規模の民間病院の経営者が入っていないんじゃないかということを申し上げているんで、そういう必要性がないのか、もう一度お伺いしたいと思います。

再A   岩中   督   病院事業管理者

民間病院の委員が在り方検討委員会に入っていないのは適切かどうかという再質問でございます。
県立病院といたしましては、今回、地方公営企業法全部適用の継続か、あるいは、地方独立行政法人化について検討するのが中心だという風に考えております。
民間病院への譲渡等は検討しておりませんので、委員の全体の総数等も含めまして、こういうふうな人選にさせていただきました。
そのような形でご理解いただきたいと思います。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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