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掲載日:2018年7月13日

平成30年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(日下部伸三議員)

新専門医制度について

Q   日下部伸三議員(自民)

この制度、非常に問題のある制度でありまして、取り上げさせていただきました。
この制度が導入された背景として、第1に、これまで各学会が独自の制度設計で専門医を認定してきたため、統一性に欠け、専門医の質が一定でなかったこと、第2に、平成14年の厚労省公示により専門医の公告が可能となったことで、多種多様な学会専門医が乱立し、国民から見て分かりにくく、また専門医の質の低下の懸念が生じたことから、2011年10月に厚労省が専門医のあり方に関する検討委員会を立ち上げたところからスタートしております。
しかしながら、この専門医制度、医療現場の評判がすこぶる悪く、この評判がいいと言っている人に私は1人も会ったことがございません。昨年4月の開始予定が1年延期となり、今年の4月からの導入となりました。
厚生労働省が、平成30年3月15日現在の内科、外科、小児科など様々な科を広く薄く回る二年間の初期研修を終えた後期研修医が何科を専攻したかという専攻医の都道府県別一覧表を公表しております。それによりますと、日本の人口の10.8%を有する東京都に専攻医はその倍の21.6%に相当する1,811人が就職し、人口比5.8%の埼玉県には専攻医の2.7%相当の228人しか就職しておりません。東京は1,811人、埼玉は228人でございます。
先ほど、田並議員の質問に上田知事が本県の初期研修医、これを342人と答弁されたと思うんですけれども、これは初期研修医が342人ですね、それが終わった後の後期研修医は埼玉は228人でございます。つまり、人口当たりの専攻医、後期研修医の数は埼玉県は東京都の4分の1となっております。特に、埼玉県では私の専門の整形外科を専攻しているのは全県でわずか3名でございます。人口730万人で3人でございます。私の病院も、今年の4月から県内の某大学の整形外科医局から派遣していただいている医師当直枠を1つ引き揚げられてしまいました。そういう影響が出ております。
群馬県、山梨県、高知県では全県で外科を専攻したのがわずかに1名です。青森、山形、新潟、山梨など10県では脳外科の専攻医が0名です。ちなみに、愛媛県の脳外科専攻医2名いるんですけれども、うち1名は私の息子でございます。
以上を踏まえて、3点質問させていただきます。
1、県立循環器・呼吸器病センターの一般外科医は群馬大学医学部から派遣されていますが、群馬県の外科専攻医は全県でわずか1名です。平成29年度の常勤2名が平成30年度は常勤1名、非常勤1名に、1人が非常勤になっているんですね、戦力低下しているのは、この新専門医制度の影響か否か。また、この新専門医制度が続くと、更なる本県の医療機関の戦力低下が避けられないという危機感をお持ちかどうか、病院事業管理者にお聞きします。
2、新専門医制度導入により大学病院の多い都市部に専攻医が集中し、医師の地域偏在、診療科偏在が助長され、この制度が5年続くと地域医療は壊滅的打撃を受けると危惧いたしますが、保健医療部長の御所見を伺います。
3、次回の本県の国の施策に対する提案・要望の中に、新専門医制度による医師の地域偏在、診療科偏在を是正する対策を講ずること、これを加えるべきと考えますが、保健医療部長の見解を伺います。

A   岩中   督   病院事業管理者

まず、循環器・呼吸器病センターの一般外科医の戦力低下は新専門医制度の影響かについてです。
議員御指摘のとおり、循環器・呼吸器病センターの一般外科医師2名のうち1名が、平成30年度から非常勤医師となりました。
群馬大学に確認しておりませんので、これが新専門医制度の影響かどうかははっきりしません。
しかし、専攻医が減ったために間接的に影響を受けている可能性はあります。
次に、新専門医制度が続くと本県の医療機関の戦力低下が避けられないという危機感をもっているかについてです。
新専門医制度は、基本領域の医師を育てるための仕組みであり、医師の地域偏在解消を目指す仕組みではありません。
小児科は基本領域なので、小児医療センターが基幹施設となって専攻医の育成が可能であり、育成した医師が埼玉に定着することも可能であると考えます。
一方、循環器・呼吸器病センターやがんセンターは、新専門医制度で基本領域の専門医資格を取得した医師を必要としています。
このため、これらの病院では、新専門医制度の枠組みで若い医師を確保するのではなく、経験豊富な専門医をどのように確保していくかが課題になります。
小児科以外の専門医を育てる術を持たない県立病院では、戦力低下に危機感を持たざるを得ません。
このため、若い医師の指導体制をさらに充実させるとともに、高度で最新の医療を提供し続け、専門医が魅力を感じる県立病院として、医師確保に努めてまいります。

A   本多麻夫   保健医療部長

まず、「新専門医制度導入により大学病院の多い都市部に専攻医が集中し、医師の地域偏在、診療科偏在が助長され、地域医療は壊滅的打撃を受けるのではないか」についてでございます。
本県の専攻医登録数は平成30年3月15日現在228名で、新制度が始まる前年の平成29年4月と比べ2名の増となりました。
これは全国第10位の登録数であり、国公立大学医学部がない県としては健闘しているのではないかと考えております。
本県の場合、診療科によって多い少ないはございますが、新専門医制度導入前と比べ、大きな影響は受けていなかったと考えております。
しかしながら、全国に目を向けますと、例えば内科専攻医が東京都において536名であるのに対し、50名にも満たない県が35もあるなど、都道府県間の格差が拡大する傾向が続いてしまう可能性があると考えております。
このため、全国的には予断を許しませんが、今後5年間で地域医療が壊滅的な打撃を受けるかどうかにつきましては、現時点で明確に判断することは困難であり、今後の動向を注意深く見守っていく必要があると考えております。
次に、次回の国の施策に対する提案・要望の中に「新専門医制度導入による医師の地域偏在、診療科偏在を是正する対策を講ずること」を加えるべきではないかについてでございます。
今国会に提出されている医療法の改正案では、都道府県の意見を聴いた上で、国が日本専門医機構や関係学会に対し、地域医療の観点から必要な措置について意見ができる仕組となっております。
県としてはこの仕組を活用し、お話しの新専門医制度導入による医師の地域偏在、診療科偏在を是正する対策を講ずるよう、国に要望してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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