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掲載日:2023年5月16日

平成28年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(井上将勝議員)

震災を見込んだアスベスト対策を

Q 井上将勝議員(民主・無所属

アスベストは、1970年代から80年代にかけて大量に使用され、その発がんは、時限爆弾のごとく吸い込んで数十年たってから起こることから、2000年代になって、アスベストによる中皮腫などの発病が急増をしました。
埼玉県では、平成17年以降、既存建築物のアスベスト対策強化を図り、県有施設については封じ込めや除去対策が速やかに行われました。また、民間建築物についても、延べ面積1,000平方メートル以上の建築物については、除去工事の補助制度を創設し、対象となる1万1,906棟の92パーセントに当たる1万925棟で安全性が確保され、アスベスト対策が必要な建築物は残り981棟となりました。これまでの県のアスベスト対策について評価をするところです。
しかしながら、現状のままで安全だとしても、震災が発生したときも同じく安全であるかどうかは、また別の考慮をしなければなりません。現在は、古い建物はできるだけアスベストが飛散しないように対策をとりながら解体をされていますが、一たび大きな震災が起きれば、建物が倒壊、損壊したり、それを撤去したりする過程の中で、一気に眠っていたアスベストが飛散する可能性があります。
現に、1995年の阪神・淡路大震災で、震災直後からがれき処理作業に参加された方で、複数の方がその後、中皮腫を発症した事例があります。今後、高い確率で発生すると言われている南海トラフ地震や都市直下型大地震に備える上でも、震災を見込んだアスベスト対策をしなければなりません。
もちろん、震災時にアスベストが飛散することを防止するために、全ての建築物のアスベスト除去工事をすぐ行うとすることは、現実的ではありません。しかし、せめて災害時の避難所や地域の拠点となり、日常的にも多くの児童生徒が生活している県内小中高等学校のアスベスト対策は、優先的に行うべきではないでしょうか。
以上の考えから、3点お伺いをいたします。
1点目、平成26年3月に石綿障害予防規則の改正により、同規則の規制対象として、これまでのレベル1と言われる吹き付けアスベストなどに加え、新たにレベル2の石綿を含有する張り付けられた保温材、耐火被覆材、断熱材が追加されることから、国は、新たに学校施設等における石綿含有保温材等の使用状況調査を各自治体に依頼をしましたが、その結果はいかなるものであったのかをお伺いをいたします。
2点目、国は、今回の使用状況調査の結果を公表するに当たり、レベル3の非飛散性アスベスト含有成形板は調査対象外だが、これらについても、その状態について点検、維持管理を行うことと通知しています。レベル3の対象である波板スレートや平板スレート、床用ビニールタイルについて、県内学校にどれだけの使用実態があるのかをお伺いをいたします。
3点目、レベル2、レベル3で、なおかつ飛散によるおそれが現状はないとされているものであっても、震災時にアスベストが飛散することで、避難所や地域拠点として使用ができないという事態が起こる可能性があることから、学校のアスベスト対策は県として優先性を高めて対応する必要があると考えますが、今後の計画とお考えをお伺いをいたします。
以上3点、教育長にお伺いをいたします。 

A 関根郁夫 教育長

まず、国が新たに実施した「学校施設等における石綿含有保温材等の使用状況調査」の結果についてでございます。
この調査は、児童や生徒などの安全対策に万全を期すため、石綿障害予防規則の改正により、新たに規制対象となった石綿含有保温材などの使用状況について調査したものでございます。
石綿を含有する保温材、耐火被覆材、断熱材につきましては、平成27年10月公表時点で調査中であった学校も含めて、すべての学校において石綿等の飛散によってさらされるおそれがないことを確認いたしました。
次に、波板スレートなどの非飛散性アスベスト含有成形板の使用実態についてでございます。
今回の国の調査では、波板スレートなどに含まれているアスベストにつきましては、通常の使用状態では空気中に浮遊する危険性は低いとされているため、対象外としております。
このため、県としても使用状況については把握しておりませんが、損傷、劣化による石綿等の飛散を防止するため、点検・維持管理を適切に行うよう県立学校を指導するとともに、市町村に対して通知をしております。
次に、学校のアスベスト対策についての今後の計画と考えについてでございます。
学校は多くの児童生徒が日常的に生活する場であるとともに、災害時の避難所や地域の拠点となることなどから、安全対策には万全を期す必要がございます。
アスベストの飛散を防ぐためには、震災時に校舎や体育館などの建物が倒壊、損傷したり、また、体育館などの吊り天井が落下することのないよう、まずは耐震対策に取り組むことが重要と考えております。
県立学校につきましては、校舎や体育館などの耐震化は平成22年度に完了しており、現在、平成28年度の完了を目指し体育館などの吊り天井落下防止対策に取り組んでおります。
市町村立学校につきましては、校舎や体育館などの耐震化は平成29年度までに完了する予定であり、現在、体育館などの吊り天井落下防止対策を計画的に進めるよう働きかけているところでございます。
県といたしましては、震災時のアスベスト飛散を防ぐためにも、校舎や体育館などの耐震化が着実に進むよう、市町村への働きかけを含め、しっかりと取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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