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掲載日:2023年5月16日

平成28年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(西山淳次議員)

年金プラス10万円の収入確保策を

Q 西山淳次議員(公明

今や厚生年金でも月額20万円に届かない時代であります。年金だけで余裕のある生活を送れる高齢者はごくわずかであり、ましてや国民年金だけでは到底生活していけません。主な収入である年金に加えて副収入の手だてを講じることが不可欠であります。
そこで、私が注目したいのは農業であります。例えば私の地元所沢市は、有名な三富新田をはじめ郊外にはまだまだ多くの優良農地が残っていますが、担い手不足で耕作放棄地が目立つような状況であります。一方、市民農園は大人気です。年を重ねると次第に土に帰るというか、農業をやってみたいという気持ちになるのが自然の理なんでしょうか、多くの高齢者が野菜作りに精を出しております。担い手不足に悩む農家と農業に関心を持つ元気な高齢者、両者をうまくマッチングしてプラス10万円の働く場を作れないかというのが私のアイデアです。
実は、先日このアイデアを知り合いの農家のKさんという方に相談したところ、「それはいい考えだね」とすぐ共感をしていただきました。驚いたことにKさんは、このアイデアを既に実践をされていました。Kさんは市の農業ボランティア制度を活用して、3人の高齢者に農作業を手伝ってもらっていましたが、そのうちのお一人が本人の希望もあってパート雇用に転じたそうであります。時給は最低賃金に準じた額で週4日間、月の収入額は10万円まではいきませんが、年金だけでは心もとなかったその方は、少し余裕ができましたと喜んでおられるそうです。
経営拡大に意欲的な農家ともっと働きたい高齢者のニーズがうまくマッチすれば、正にウィンウィンの関係を築くことができます。高齢者の働く場として農業は大変有望だと思います。また、人手を増やして経営拡大を望む農家も多数いるはずです。
そこで、両者をうまくマッチングさせて高齢者が農業分野で働き、それなりの収入が得られるような仕組みを県として検討してはいかがでしょうか、御見解を伺います。
もう一つ、年金プラス10万円の実現に期待したいのが、各市町村にあるシルバー人材センターであります。県内61か所に設置をされて、登録会員数は4万8,468人。高齢者の生きがいづくりや地域貢献、そして高齢者の収入確保に大きな役割を果たしています。しかし、シルバー人材センターの会員が受け取る報酬の月平均は4万円程度。何とか一工夫して10万円を目指したいところであります。
これまでセンターが紹介できる仕事は、法律によっておおむね週20時間を超えない、また、月10日程度と制限をされてきました。これでは収入が4、5万円で頭打ちになってしまいます。しかし、今国会に制限を緩和する法改正案が提出されております。
本県としても法改正を前提に、いち早く県内のシルバー人材センターが更なる収入確保の場となるよう取組を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
3点目が、キャリアセンターブランチの活用であります。
県内7か所に設置されたキャリアセンターブランチは、主に正規の就職を目指す方の支援を仕事としてきましたが、年金プラス10万円の実現にも是非一役買える施設になっていただきたいと思います。新年度の予算でも地域版セカンドキャリアセンターという名前で、シニア向けの就労相談やセミナーをブランチで実施することが盛り込まれましたが、私も全く同じ問題意識を持っておりまして、大賛成であります。
ただし、一点気になるのがセンターの設置場所であります。私の地元所沢のブランチは駅から遠く、便が悪い。この手の施設は場所が大変重要です。この際、所沢を含めてキャリアセンターブランチの設置場所を再検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか、お尋ねをいたします。 

A 上田清司 知事

高齢者が農業分野で働き、収入が得られるような仕組みについてでございます。
726万県民のうち65歳以上の人が約180万人で、このうち元気な高齢者は約8割と言われております。
その方々の中には農業に関心を持ち、市民農園などで趣味の野菜づくりを楽しまれている方もおられます。
一方、県が実施した調査によると、農業分野では県内192の農業法人で約3,000人が雇用されています。
上尾市で小松菜などの大規模経営を行っている農業法人では、高齢者が収穫作業などで10万円程度の収入を得ている事例もございます。
農業に関心のある高齢者と農業法人とをうまく結び付けることは、高齢者の生きがいづくりと雇用の創出、しかも、御提案の年金プラス10万円という世界を演出できる可能性があるのではないかと思います。
これを進めるためには、高齢者の体力的な負担や就労環境に対する不安といった問題も解決する必要があります。
平成28年度から新たに高齢者が農作業しやすい環境を整えるため、力仕事を軽減させるアシストスーツなどの整備を支援してまいります。
さらに、農業法人に対して雇用保険の加入や就労環境の整備などに関する研修会、高齢者と農業法人をマッチングするための説明会などを開催します。
次に、シルバー人材センターがさらなる収入確保の場となる取組についてでございます。
御指摘もいただきました高年齢者雇用安定法の改正でシルバー人材センターの仕事が週20時間から40時間に拡大できれば、確かに月10万円以上の収入も可能になるかもしれません。
また、シルバー人材センターでもフルタイムと同様の仕事ができるようになれば、職域の拡大にもつながります。
私は今回の規制緩和を活用して、高齢者にも地域にもプラスになる改革を進めていくべきだと思っております。
シルバー人材センターの職域も狭い状況でございますので、こうした職域の拡大なども大きな課題になるかと思っております。
この拡大についても県としても労働局をはじめ関係機関と協力しながらしっかり努めていきたいと考えております。
例えば、草加市で商店街の空き店舗にある子育て支援拠点でシルバー人材センターの会員が子供の遊び相手となり、親の相談にも応じてございます。
高齢者の活躍と子育て支援、商店街の活性化という点で、私も視察をいたしましたが、なかなか味のあるセンターでございましたので、こうした部分もあるいは年金プラス10万円の世界に近づくのかなというように考えたところでもございます。
こうした形でシルバー人材センターへの支援もさらに大きくふくらましたいと思っております。
次に、キャリアセンターブランチの設置場所の再検討についてでございます。
県内どこに住んでも気軽に就職相談ができるよう、県では所沢市など7か所にキャリアセンターブランチを設置しております。
所沢のブランチは県内でも最も利用者が多く、平成26年度は1,098件の就職相談に対して196人の就職にもつながっております。
特に高齢者は地元で仕事を探す方が多いと思います。そこで、来年度からブランチをセカンドキャリアセンターとして高齢者の就職も支援することにしたいと考えております。
所沢のブランチは多くの利用者の方に馴染んでおりますけれども、高齢者が歩いていくには、御指摘のように少し時間が掛かるという課題があります。
このため、今後はもう少しアクセスの良い、駅からなるべく近い施設でできるよう関係機関と調整をさせていただきたいと思っております。
高齢者の活躍を応援するため、高齢者の視点で利用しやすいサービスを考えて工夫をしてまいります。
キャリアセンターブランチの設置場所については、地元市とよく相談して高齢者のニーズに合ったサービスの向上にも取り組んでいけるような場所の設定を考えます。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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