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掲載日:2023年5月16日

平成28年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(小谷野五雄議員)

中小・小規模企業の労働生産性の向上について

Q 小谷野五雄議員(自民

県では、新たな成長産業をつくるため、平成26年度、ナノカーボン、医療イノベーション、ロボット、新エネルギー、航空・宇宙、重点5分野を位置付け、先端産業創造プロジェクトに取り組んでおります。平成28年度当初予算にも推進事業が組まれております。
しかしながら、私が心配するのは、こうした新分野にこぎ出すことができるのは、中小企業でも比較的大きなところだけで、県内の圧倒的な多数を占める中小零細企業は、縁のない話になっているのではないでしょうか。
知事がよく言われるように、2025年には、埼玉の15歳から64歳までの生産年齢人口は、現在の451万人から424万人と、27万人も減少が見込まれます。人口が減少し、高齢者が増えていく。高齢になった世帯が、現在と同じ消費を続けていくでしょうか。現在の埼玉と同様、活力を十年後も維持していくためには、計算上、毎年1.1パーセントの生産性の向上をしていく必要があるわけです、知事。
加えて、安倍総理は、新しい3本の矢のうち一つの的として、5年後にGDP600兆円という目標を挙げております。5年間で100兆円の国民総生産を増加するというものであります。私は、どうやって、最初はそう思いました。
しかし、冷静に考えてみますと、今年の7月から9月期からはGDPの計算方法が変更されます。これは、国際連合による計算方法の改定に伴い、これまで除外されてきた企業の研究開発費、不動産の仲介手数料、特許使用料なども付加価値として認められ、算入されることになったものであります。これらが加わることで、約15兆円から20兆円規模の拡大が見込まれます。それに加えて、安倍総理が言う最低賃金の毎年3パーセントの引上げや設備投資の拡大など、名目3パーセント、実質2パーセント程度の成長を続けていけば、5年後には600兆円規模に到達をいたします。
さて、本県の活力を維持していくためには、1.1パーセントプラス2から3パーセントで、毎年4パーセント近くの生産性を上げなければ、企業はこの先、倒産か廃業となるわけであります。非常に厳しい局面を迎えるわけですが、一人当たりの県民所得の高い県は、労働生産性も高いことが資料の上で明らかであります。ちなみに、我が埼玉は全国19位でした。県内産業の労働生産性の高い業種は、電気、ガス、水道、金融など。相対的に低い業種は、サービス業、運輸、卸売・小売、製造業などです。労働生産性が相対的に低い業種では、高めていく余地があります。こうしたところを中心に高めていくことができれば、県民の一人当たりの所得も増加することが期待できます。
そこでお伺いします。埼玉経済の中核を担う中小・小規模企業の生産性向上に当たって、県は何をどう取り組んでいくのか、お考えを知事にお伺いをいたします。 

A 上田清司 知事

県では、これまで創業・ベンチャー支援センターを通じ2,400社以上の開業を支援し、そのうち33社は売上高1億円以上の企業にまで成長しています。
また、制度融資改革により中小企業の金融円滑化に取り組んでまいりました。銀行貸出残高の増加額も東京都に次いで全国2位になっています。
このような中小企業支援に努めてまいりましたが、御指摘のように現在の厳しい経営環境の中では、中小・小規模企業が苦戦していることは事実でございます。
そこで、企業の労働生産性を向上させるため、大きく二つの方法で対応しているところです。
一つは、製品やサービスの開発などを通じて、新たな付加価値を創出する「付加価値の拡充」でございます。
中小・小規模企業にとって、中長期的に労働生産性を向上させていくためには、付加価値の拡大に積極的に取り組んでいくことが必要であります。
そのため県では、中小・小規模企業の経営革新を促進するため、企業にとって身近な商工会議所、商工会が、経営革新計画の策定支援から実行支援まで一貫して行える仕組みを構築しております。
経営革新に取り組まれた企業の中には、「半日単位でリハビリができて入浴もできるデイサービス施設の実現」など、模範となる成果も上がっています。
中小企業庁の調査では、経営革新に取り組んだ企業のうち付加価値額が年3%以上向上した割合は53.2%と一般企業の約3倍になっています。
このような効果を踏まえて、県では商工会議所、商工会を通じ、全ての中小企業に一度は経営革新にチャレンジしていただきたいと奨励をしているところでございます。
引き続き、新商品・新サービスの開発や販路開拓などに取り組む中小・小規模企業に対し経営や技術支援を行い、付加価値の拡大をサポートしてまいります。
もう一つは、業務の合理化や生産効率の高い設備への更新による「効率性の向上」でございます。
製造業については、生産現場であらゆるモノをインターネットで結ぶIoTの技術を活用し、機械設備をネットワーク化することで一元的にコントロールする先進的な生産システムの構築を支援してまいります。
また、サービス産業については、商品・サービスの提供を効率的に行うため、予約、受注、マーケティング、通信販売、在庫管理などへの情報通信技術、いわゆるICTの効果的な活用を支援してまいります。
さらに、社員一人一人のスキルを高めて、生産性向上に結び付けることも重要でございます。
そのため、高等技術専門校が実施しますオーダーメイド型の在職者訓練の定員を今年度は1,000人で実施したところですが、平成28年度は倍の2,000人に拡大したいと考えております。
また、国・県・大学などの支援機関をネットワーク化することにより、在職者のスキルアップの支援を強化してまいります。
こうした施策を講じることによって、労働生産性向上への取組を県内の中小・小規模企業に広げてまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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