トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 令和3年12月定例会 > 令和3年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 > 12月13日(月曜日) > 前原かづえ(共産党) > 令和3年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(前原かづえ議員)
ここから本文です。
ページ番号:209774
掲載日:2021年12月28日
Q 前原かづえ 議員(共産党)
昨年、秋山もえ県議が教員の未配置・未補充問題を取り上げました。その中で、小中学校の教員が決まっていない未配置・未補充が11月1日時点で99人もいると明らかになりました。その際、教育長は「この問題を重く受け止めており、早期に解消すべき課題である」と答えていただきました。
ところが、本年もまた11月1日時点で調査しましたところ、これですね、皆さんはサイドブックの資料を御覧いただきたいと思います。小中学校の未配置・未補充は、144人と逆に激増しております。念のため特別支援学校の未配置・未補充も調べてみましたら、するとこちらも20人もいました。小中学校よりも募集が少ないので、より深刻です。
要因は、募集しても来ない、産休、育休が増えているとのことです。しかし、現場からは、県教育委員会が真剣に考えていただけないと、県教委の無作為を厳しく指摘しています。
先生が退職又は産休、病休に入ると、市町村教育委員会と教育事務所が連携して後任を探しますが、見つからない場合は全て現場の責任となります。校長、教頭はもちろん、現場の教員たちまで友人、親戚など全てのつてをたどって探し回ることもあります。ある退職教員のもとには泣きながら後輩教員から電話がかかってきて、復帰してほしいと言う。その親の介護などいろいろ考えた挙げ句、復帰はできないと答えの電話をかけると、もう私もちませんと、また泣かれてしまう。ある現場では、若い女性教員が妊娠してしまって申し訳ありませんと、泣いて謝る場面もあります。
教育長にお伺いしますが、重く受け止めていると言っていただいたとしても、このような現場任せを放置しておいては解決しないと考えますが、御答弁を求めます。
本庁に免許を持つ職員がたくさんいらっしゃるんですから、すぐに現場に応援に行けばいいとまでは言いませんが、それほどの事態だと思います。私は、早急に県教育委員会として未配置・未補充対策を徹底すべきと考えます。
第一に、産休予定者のいる学校には4月1日又は9月1日から代替職員を配置し、しばらく一緒に勤務をする方式を京都府では産休前加配として実施していますが、これを導入することについて、第二に、教育事務所などに教員を配置しておくプール制の導入について、2つの提案に対する教育長の見解を求めます。
私は、この根本要因の第一は、本県の臨時的任用教員政策にあると考えています。東京都には定数内に臨任はいません。小中学校、特別支援学校の定数内の1割に上る臨任教員を早急に正規に転換すべきと考えますが、いかがですか。
第二に、実態告発が相次ぎ、教員はブラックだというイメージが定着していることも要因です。本県が今年度実施した教員選考試験の受験倍率は、小学校で2.1倍、中学校でも英語教員は2倍です。かつて10倍以上であった時代とは隔世の感があります。少人数学級など教員の負担を思い切って軽減すべきと考えますが、どうか。
以上4点、教育長の見解を求めます。
A 高田直芳 教育長
まず、現場任せを放置しておいては解決しないことについてでございます。
教員の「未配置・未補充」は、学校に大きな負担がかかり、さらには子供たちの教育に直接影響を及ぼしかねない重要な課題であると重く受け止めております。
また、議員御指摘のとおり教員の未配置・未補充が昨年度に比べ増加してしまったことに対し、改めて早急な対策をとる必要があると、強く思っております。
県では、これまでも未配置・未補充の解消に向け、幅広く代替教員の確保を図るため、定年等で退職した教員にまで対象を広げるとともに、教育局職員が自ら大学等を回るなどの対策を講じてきたところです。
また、新たに求人サイトの活用や募集ポスターへのQRコードの掲載など、登録しやすい環境を整備するなど、代替教員の登録志願者を増やす取組を行ったところです。
加えて、市町村支援部副部長をトップとして、局内関係職員をメンバーとする対策検討チームを立ち上げ、教育局を挙げて横断的に対策を検討しております。
具体的には、本採用教員の採用数の拡大に加え、助教諭及び講師発令の弾力化などの方策について検討しております。
次に、「産休前加配」及び教育事務所などに教員を配置しておく「プール制」の導入についてでございます。
教員が安心して勤務できるよう、未配置・未補充を生じさせないような環境を整えることは重要です。
そこで、まずは、現在、県内4か所の教育事務所ごとに管理している小・中学校の登録者名簿を、今後は県立学校と併せて一元化することなどにより、臨時的任用教員をより適切に配置してまいります。
次に、臨任教員を早急に正規に転換すべきについてでございます。
臨時的任用教員は、急な児童生徒の転入や教員の病気休職など欠員が出た際に任用するものですが、現在、臨時的任用教員数が多いことから、本採用教員を増やしていく必要があると考えております。
今後は、児童生徒数の推移、教員の再任用者数及び定年年齢の段階的な引上げに伴う退職者数の動向などを今まで以上に精査した上で、採用数を拡大することなどにより、臨時的任用教員の削減に取り組んでまいります。
次に、少人数学級など教員の負担を思い切って軽減すべきについてでございます。
少人数学級については学級編制の標準が段階的に引き下げられ、小学校6学年まで順次35人学級が実現することになっております。
そこで、県では、今年度は国より1年先んじて小学校3学年で少人数学級の編制を可能といたしました。
また、教員の負担軽減策の一つとして、英語などの専科指導を行う約300人の教員を小学校に配置することにより、教員一人当たりの授業時間数の削減に努めているところでございます。
今後、より一層、教員の職の魅力を様々な機会を通じて発信するとともに、埼玉教育の未来を担う人材確保が図られるよう、引き続き教員の負担軽減に取り組んでまいります。
再Q 前原かづえ 議員(共産党)
これで2回目になるわけなんですけれども、やはり是非ですね、次、また3回目の質問をすることのないように、今の先生の現場の大変な状況を解決していただきたいと思いますので、その点についてもお願いいたします。
再A 高田直芳 教育長
「未配置・未補充」は、学校に大きな負担をかけておりまして、さらには子供たちの教育に直接影響を及ぼしかねない非常に重大な問題であるというふうに受け止めております。
今年度新たに、市町村支援部副部長をトップとして、局内関係職員をメンバーとする対策検討チームを立ち上げ、教育局を挙げて横断的に対策を検討しているところでございます。
引き続き、しっかりと取り組んでまいります。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください