埼玉県議会 県議会トップ画像

本会議及び予算特別委員会の生中継・録画中継をご覧になれます。

会議録の内容を、検索したい言葉や発言者などで検索できます。

ここから本文です。

ページ番号:209593

掲載日:2022年1月19日

令和3年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(柿沼貴志議員)

学校教育問題について - 専門職の常勤化について

Q   柿沼貴志 議員(県民)

支援を必要とする生徒の問題解決のために欠かせない専門職の常勤化への予算措置について、知事に質問します。
様々な課題に取り組むコーディネーター、スクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーによる実践を紹介します。
ある母親には精神に障害があって、養育には困難が見られました。家庭内は乱雑になって、生き物を飼っていて臭気が漂っている状況でした。この家庭にはスクールソーシャルワーカーさんが生徒の精神障害手帳の取得の支援、家庭内の問題にはヘルパーさんによる支援、将来のグループホーム利用については、福祉支援団体との連携をしているそうです。
ここには市役所の福祉課、障害者支援団体、市教育委員会など、多くの団体が関係しております。現実にこうした活動で救われた、言うならば未来に希望が持てる環境づくりを提供できたのは、スクールソーシャルワーカーを中心とした関係者の不断の努力で勝ち得た、すばらしい実例だと思います。
ただし、こうした結果を出すためには、本人はもとより家族との信頼関係を築かねばならず、多くの時間と経費がかかるのは言うまでもありません。相談があった場合は、現在のスクールソーシャルワーカーの勤務日の都合で「火曜日と金曜日に電話してください」では、この結果は生まれないんです。週2日勤務のスクールソーシャルワーカーが会議の日程の調整や情報の共有、緊急対応などを職務として対応できると考えているのでしょうか。
また、国や県の通知のように、福祉、医療、保健などと連携が求められていても、地域の支援体制を知ることは、十分な見識と経験がなければ到達できるものではありません。広い地域から生徒が登校していれば、更にその地域の福祉制度を調べます。
あるパレット校では、障害のある生徒が様々な地域から通学しており、その都度、その市、町の福祉課や支援機関などボランティアで勤務で出掛け、地域福祉との連携づくりをしているそうです。その交通費も自腹で通っているんです。そうした現状を問題として私が報告した際には、そこまで求めていない、やり過ぎなんだというようなお答えをいただいたこともあります。
しかし、本当にそうでしょうか。ではなぜ、労力のかかる、いうならば他人の世話を職務を超えて支援しているのでしょうか。
それは、現状困窮している生徒を目の前にした当事者だからなんです。放っておけないんですよ。県と国は、生徒の困窮した状態への支援を次から次へとスクールソーシャルワーカー等を活用する通知文を出しておきながら、年間の勤務日数を基本90日から変えることはしていません。仕事を増やしているのに勤務実態を変えていかなければ、ボランティアをしろと言っているのと同じではないでしょうか。
また、スクールソーシャルワーカーは生活保護担当とも連携し、生活困窮の生徒支援をしています。しかし、支援している側のスクールソーシャルワーカーの年間の給与は109万円であり、支援している側も実は生活困窮者レベルなんです。その上、先ほど述べたように生徒のために市、町へ出かける交通費でさえ、勤務日でなければ自分で支払っているんです。法的にも学校の職員であり、学校ではその職責がますます大きくなっているのにもかかわらず、職業として自立した生活を保障していないのが現状なんです。
知事は4月にパレット校を視察され、生徒の実態を理解していただけたと思います。そこで、令和4年度には更に誰一人取り残さない学校教育の実現に向け、より高い専門性の持たれるパレット校にスクールソーシャルワーカーの常勤化に向けて予算化を強くお願いしたい。知事の御答弁をお願いいたします。

A   大野元裕   知事

いわゆるパレットスクールにつきましては、私自身、学校の状況をしっかりと把握するべきと考え、本年4月に吹上秋桜高校を訪問させていただきました。
生徒の中には、家庭や生活環境に困難を抱えていたり、特別な支援を必要としたりと様々な背景を抱えながら、懸命に学ぶ姿を間近に見て、こうした学校の重要性について改めて認識をいたしました。
子供たちの未来が家庭の状況など置かれた環境によって左右することがないよう、学校は生徒の自立をしっかりと支援することが何より大切だと思います。
そして、議員お話しのとおり、困難を抱える生徒の自立を支援する上で、スクールソーシャルワーカーの役割は大変重要であると認識をしています。
その一方で、議員御指摘のような課題があることも認識をしております。
しかしながら、このような支援を継続的に行っていくためには、スクールソーシャルワーカーの外部人材と、生徒と日常的に接する教職員が一層連携し、学校全体で組織的に支援をしていく体制が必要だと思います。
したがって、お尋ねのソーシャルワーカーの常勤化につきましては、現在、国において、常勤の職として求められる職責や担うべき職務など配置の在り方について調査研究が行われているというように聞いております。
持続的な体制としていくためにも、こうした国の調査研究の結果を踏まえ、教育委員会には支援を必要とする生徒の支援体制についてしっかりと検討をしていただき、その検討結果を基に、適切に判断をさせていただきたいと思います。

再Q   柿沼貴志 議員(県民)

知事も教育長も、このスクールソーシャルワーカー、外部機関への連携というのは、非常に重要であるというふうに言っています。国も、通知でいろんなことをスクールソーシャルワーカーを中心として、この困難な生徒たちを救ってほしいというようなことを通知しているわけです。
しかし、その国が今、調査研究しているというんですけれども、今現状置かれている生徒たちは、そんな待っている訳にいかないんですよ。今困窮しているわけなんで、是非知事には県の予算もあるわけですから、県の予算を使って、そんなに大きな金額にならないです、試算しましたけれども。是非常勤化に向けて、一歩踏み出してほしいんです。
なぜならば、スクールソーシャルワーカーは今後も期待されていますよ。今後、中期、長期にも、このスクールソーシャルワーカーが中心となっていろいろなことをやっていくことが望まれるようになってきます。
だけれども、スクールソーシャルワーカーが先ほど言いましたけれども、時給としてはいいって思っているんですよ。先日、阿左美議員からスクールカウンセラーの重要性が指摘されたときも、答弁でも柔軟な配置が必要だと教育長が発言していましたけれども、時給はいいんだみたいなことを言っていますけれども、年間で109万円の給料では選ばれる職種にならないんです。若い人たちに選ばれません。
だから、少なくともパレット校では常勤化の予算措置必要だと思います。是非そこも踏まえて、もう一度答弁をお願いします。

再A   大野元裕   知事

スクールソーシャルワーカー、特にパレットスクールにおける重要性については、私も認識をさせていただいているつもりでございます。
この常勤化につきましては、先ほど議員からの御指摘もありましたとおり、スクールソーシャルワーカーとしての働き方の問題もあり、常勤をする場合の認められるべき職責、あるいは配置の在り方等について議論をする必要があると私は思います。
この調査研究が今進められているというお話をさせていただきましたが、これを踏まえて、教育委員会にはしっかりと検討をさせたいと思います。
その結果、モデル校で効果を検証したい等の具体的な意見がありましたら、その意見を聞きながら、適切に判断をし、一歩進めたいと思います。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?