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掲載日:2021年12月28日

令和3年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木村勇夫議員)

150年を迎えた埼玉県の今後について

Q   木村勇夫 議員(民主フォーラム)

先日、埼玉県は誕生150年を迎えました。明治4年の廃藩置県により入間県とともに埼玉県が設置されたのが始まりで、明治13年の人口は93万4,000人であったとされています。その後、人口は右肩上がりで増加し、昭和52年500万人、昭和62年600万人、平成14年に700万人を突破し、令和3年現在では全国第5位の734万人となります。また、過去10年間の企業転入超過数も全国トップであり、住む場所、働く場所として選ばれる県となっています。
これまでの埼玉県の発展は東京とともにありました。都心に近く、地理的にも優位、また人口も右肩上がりで増え、平均年齢も若く、生産年齢人口も多い、利便性と豊かな自然とを兼ね備えた県であり、他県と比較して優位な面が多い県であります。
しかし、将来の人口減少と高齢化、そして近年の自然災害の多発、新型コロナウイルス感染症の拡大など、大きな環境変化に対応する必要に迫られていることは、他県と変わりありません。
コロナ禍を受けてテレワークを実施する企業が増え、テレワーク経験者の8割以上が今後もテレワークを希望しているという調査があります。また、これまで地方から人を集めてきた東京は、昨年7月以降、一時期を除いて転出超過が続いています。都会から離れて地方へ移り住むという流れもできつつあり、これまで埼玉県の強みであった部分が変化しつつあると認識しています。
そのような中、AIが進化し、更に最近、DX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。知事は、DXを進めることは埼玉県にとってプラスになり、働き方改革や誰もが活躍できる社会の実現に挑戦していくためにも重要とおっしゃっています。
私も、ある程度そう思います。しかし、DXについては具体的なイメージがつかめず分かりにくい、DXの発展は知事がおっしゃるようにプラス面がある一方で、実は今後の埼玉県の地理的、生産年齢人口などの人口的な優位性を脅かすのではないかとも懸念しています。例えば、職場に近く住みやすいという点から埼玉県を選ぶ人も多いと思いますが、テレワークが普及し、住むのはどこでも良いとなれば、わざわざ埼玉県を選ばなくなる可能性もあるのではないでしょうか。
そこで、知事にお伺いいたします。
DXの発展が今後の埼玉県にとって逆にリスク要因とはならないのかと考え、知事が進めるDXと今後の埼玉県の発展との兼ね合いをどう考えているのか、知事の見解を伺います。
次に、2040年問題について伺います。
これまで2025年問題が埼玉県の直面する直近の課題と言われてきました。団塊世代が後期高齢者になる2025年を控え、現行の5か年計画では、活力ある超高齢社会の構築を重点推進課題に掲げるなど対応を行ってきました。
しかし、今後、埼玉県を襲ってくる大きな問題は、2040年問題ということであります。2040年には日本の高齢者人口がピークとなり、現役世代1人が高齢者1人を支える肩車型社会に迫るとされ、埼玉県では約230万人、県民の3分の1が高齢者となる見込みです。僅か20年先のことであります。
そこで、2点、知事にお伺いいたします。
1点目、今後の埼玉県にとって2040年問題を見据えた取組が必要だと考えますが、2040年問題を知事はどのように認識し、対応していくためにはどのような政策展開が必要だとお考えなのか伺います。
また、2040年問題を知事が進めるDXとどのように結び付けていこうというお考えなのか、見解を伺います。

A   大野元裕   知事

知事が進めるDXと今後の埼玉県の発展との兼ね合いをどう考えているのかについてお答えをいたします。
DXは、県民の方がオンラインでいつでも手続できるようにしたり、人手不足をAIやロボットでカバーしたりするなど、社会をより良い方向に変えていくための手段です。
本年3月に策定をいたしましたDX推進計画においても、本県が抱える様々な課題をデジタル技術によって解決し、快適で豊かな、真に暮らしやすい新しい埼玉県への変革を目指すこととしております。
議員御指摘のとおり、デジタル化により都市から地方への人の移動が一部起こるかもしれません。
他方、人と人との触れ合いがなくなるわけではなく、都市部に住む人が必ず地方へ移り住むということにはならないと思います。
また、普及の進むテレワークについても週に3回以内の場合が多く、住居を変えずに在宅勤務を行う、言わばハイブリッドのスタイルが主流となっております。
したがって、むしろ、東京近郊という地理的な優位性と豊かな自然環境を併せ持っている埼玉県に、更にDXによる利便性の向上が加わることで、より魅力を感じる人も増えるのではないかと考えています。
デジタルは、例えば新しい生活様式の中で対面が制限されるような場合であっても、県民に必要なコミュニケーションを可能にするなど、利便性の向上に役立てることができます。
また、デジタルデータを活用することにより、仕事のプロセスを効率化して人手不足の解消を図ったり、今までにない新しいビジネスを生み出したりするなど、社会変革を実現していくことも期待されています。
本県といたしましては、DXが埼玉県の魅力を高め、更なる発展につながるよう取り組んでまいります。
次に、2040年問題をどのように認識し、どのような政策展開が必要だと考えるのかについてでございます。
少子化による急速な人口減少が進み、高齢者人口が最大となる2040年において、本県は更なる高い峰を迎えることとなります。
また、生産年齢人口の減少も進行し、こうした人口構造の変化に伴う地域の担い手不足や活力の低下、経済規模の縮小などの課題と向き合わなければなりません。
私は、この高い峰に向かって、中長期的な視点を持ちながら、やるべきことに今からしっかりと取り組んでいく必要があると考えております。
まずは、根本的な課題解決に向け、きめ細かな少子化対策を推進してまいります。
また、人生100年時代に備え、いつまでも健康に暮らせる環境を整えるとともに、女性や高齢者など誰もが意欲と能力に応じて生き生きと活躍できる社会づくりにも取り組んでまいります。
もちろん、2040年問題は、医療・介護体制の充実、持続可能な社会基盤としてのまちづくりや公共交通網の整備など様々な分野にも幅広く影響があります。
そこで、これらを意識した上で、今後取り組むべき施策について次期5か年計画案に盛り込み、県政全般でしっかりと展開させてまいります。
この大きな課題に対し、私自らが庁内の若手職員とともに議論を行い、20年後の県民の暮らし方や働き方などを思い描き、将来像を構想した上で、今後の県行政の在り方について検討を行っているところでございます。
これらの取組は一朝一夕で成果が出るものではございませんが、「日本一暮らしやすい埼玉」の実現に向け、県議会議員の皆様の御協力をいただきながら、着実に進めてまいります。
次に、2040年問題を、DXとどのように結び付けていこうという考えなのかについてでございます。
DXは、「2040年問題」をはじめとした様々な社会課題を解決する上で重要なツールであると認識しております。
人手不足の解消や生産性の向上等、行政事務のデジタル化のみならず、医療・福祉・教育などの県民サービスの更なる向上につなげていく必要があります。
具体的には、例えば介護施設へのロボット等の導入を支援し、職員の負担軽減や質の高い介護の実現に取り組んでまいります。
また、レセプトデータのビッグデータ分析による受診勧奨や保健指導により、健康寿命の延伸と医療費の増加抑制を図るとともに、オンライン診療を進め、高齢者の通院負担を軽減し、迅速な医療体制を構成してまいります。
さらに、「埼玉版スーパー・シティプロジェクト」として、AIやIoT、5Gなどの活用により、見守りやあるいは災害時の迅速な避難を可能にし、持続可能なまちづくりにも取り組んでまいります。
これらの施策を力強く推進していくため、私をトップとする知事直轄プロジェクトを立ち上げ、「DXビジョン」の策定を進めているところであります。
DXの推進により、県民の皆様の暮らしが、より快適で豊かなものとなるようワンチーム埼玉で、「2040年問題」を乗り越えてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

お問い合わせ

議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

ファックス:048-830-4923

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