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掲載日:2023年9月20日

平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(小久保憲一議員)

抗がん剤廃棄の見直しについて

Q   小久保憲一議員(自民

昭和60年以降、県民の死亡原因第1位はがんで、平成27年度は全体の約3割になります。治療は進歩を重ね、次々と新しい抗がん剤が開発される一方、その価格は高騰し続け、医療費全体を押し上げています。こうした中、平成27年、厚生労働省により新しい抗がん剤オプジーボが承認されました。この新薬はこれまでと異なり、免疫力を高める効果を発揮することで夢の抗がん剤と言われています。しかしながら、価格の面では、現在このオプジーボは体重70キログラムの肺がん患者の方に投与した場合、何と1か月200万円以上かかるのです。これでも今年2月、厚労省の特例拡大再算定制度により従来の半額となりました。他の抗がん剤価格では、例えば体重70キログラム、身長170センチメートルの場合、投与1回当たりの薬価は悪性リンパ腫薬デバリントリウムでは260万4,870円、急性骨髄白血病薬マイロターグでは99万1,936円、前立腺がん薬ジェブタナでは59万3,069円になっており、いずれも高額です。
そして、さらに問題となるのは、残薬の廃棄です。例えばオプジーボの1回の投与量は210ミリグラムであり、100ミリグラムのバイアル瓶2本と10ミリグラムの瓶1本で投与されますが、その際、余った10ミリグラムは廃棄されます。この1回で廃棄される10ミリグラムは薬価ベースで3万7,550円に相当し、年間26回投与で計算すると97万6,300円分が廃棄されていることになるのです。
本県の県立病院における抗がん剤の残薬量とその割合を今年6月の1週間から試算し、昨年度に当てはめると、県立病院全体の抗がん剤購入費約43億3,073万円に対しまして9%、薬価ベースで4億円近くが毎年廃棄されている計算になるのです。これらは保険適用、高額療養費制度の対象となりますので、患者だけでなく県民全体が保険料として負担していることになります。
先日、私は、県立がんセンター薬剤部におきます抗がん剤調製の様子を視察いたしました。同センターにおける抗がん剤調製は、専用の防護服を着用した薬剤師が二重扉で仕切られたクリーンルームにて2名1組体制で行っており、大変信頼できるものでありました。また、同時に、いかに抗がん剤調製がデリケートで、かつ危険なものであるかを目の当たりにいたしました。
そこで、現場の方が懸念されていたのは御自身のことではなく、あくまで患者の皆様を思ってのこと、すなわち廃棄してしまう抗がん剤も患者さんの負担になってしまうことを憂慮しているとのことでありました。現在、この残薬について各方面で問題となり、残薬をなくし投与量を患者に請求する最適化について、厚労省においても検討を重ねているところです。
その中で、抗がん剤の保険請求方法について、1つのバイアル瓶を複数の患者に使用した場合、使用量で請求することを明確化しました。一歩前進と言えますが、抗がん剤は多くの種類があり、その抗がん剤を使用する患者が複数いなかった場合はやはり残薬は廃棄され、バイアル瓶ごとの請求となります。つまり医療機関の規模等によって保険請求額に大きな差が出る可能性が高いと言えます。
海外では複数回の投与を前提とした容器が使用されていると伺います。また、そもそも残薬が少なくなるようバイアル瓶の大きさを小規格化するよう、製薬会社に求めることはできないでしょうか。これにより多少割高になるかもしれませんが、残薬の金額を考えれば、全体として患者への請求額や保険料は大幅に抑えることができるはずです。
本県としても県立病院や各医療機関と連携し、是非、国に有効な提言をしていただきたいと考えますが、保健医療部長の御所見をお伺いいたします。
また、県立病院の責任者としてどのようにお考えか、病院事業管理者にお伺いをいたします。

A   本多麻夫   保健医療部長

異次元の高齢社会を迎える2025年に向け、医療費の増大が懸念されております。
このため御指摘の効率的な抗がん剤の使用方法について検討することは医療費削減の観点からも大切な問題の一つと考えております。
「オプジーボ」などの高額な抗がん剤を使用する際の残薬を減らし、保険請求を最適化するためには、議員お話のとおり「バイアル瓶の小規格化」が最も重要なポイントと考えます。
バイアル瓶の小規格化につきましては、たとえば10ミリリットル瓶に加え5ミリリットル瓶を作るなど、「製品の小規格化」を図ることで、廃棄される量を減らすことが期待でき、医療費抑制にもつながる可能性がございます。
「製品の小規格化」については、まだまだ改善の余地が残されており、県といたしましては「製品の小規格化」を製薬メーカーの企業努力により、企業の責任において適切に対応すべきと考えています。
こうした企業努力を促すためには、国レベルにおける指導や調整が不可欠です。
国においては、研究班を設置し、バイアル瓶の小規格化や安全性を確保した上でバイアル製剤の残薬を可能な限り廃棄せずに活用する方法などを検討する予定と聞いております。
県といたしましては、今後、こうした国の動向も注視しながら、県立病院や各医療機関とも連携し、情報収集に努め、医療費全体の抑制を少しでも実現できるよう、様々な機会を通じて国に要望してまいります。

A   岩中   督   病院事業管理者

抗がん剤は、がん細胞に対して抗がん作用を示す一方、正常細胞に毒性があります。
また、遺伝子に突然変異を起こしたり、胎児に奇形が起こる危険性や、発がん性があることが証明されているものも数多くあり、取扱いには細心の注意が必要となります。
議員御指摘のとおり、がんセンターにおいても、薬剤師が専用防護服を着用し、危険な抗がん剤の曝露を防ぐ安全キャビネットで、電子カルテからの指示に従い1人ずつ慎重に作業しております。
その最大の理由は、抗がん剤の種類と量を間違えないこと、患者を取り違えないことにつきます。
一方、1つのバイアル瓶で複数の患者や、複数回調製することについては、薬の取り違えの可能性が高まるのみならず、開封後、時間が経過すると薬の効果が低下したり、細菌等に汚染される可能性も増大します。
こうした医療安全面の課題もあることから、県立病院では現在1人ずつ調製し、残薬は廃棄する仕組みを採用しております。
議員御指摘のとおり、バイアル瓶の小規格化は、医療経済的に今後取り組むべき課題であると認識しております。
抗がん剤の複数患者、複数回使用については、厚生労働省から安全基準が示されれば、県立病院として、患者、医療従事者の安全を確保しつつ、取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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