トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(畠山 稔議員)
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掲載日:2023年9月25日
Q 畠山 稔議員(民進・無所属)
さて、埼玉県の農業は、首都近郊都市としての立地を生かし都市型を農業展開することで、野菜の農業産出額全国第7位、花においては全国第5位となっております。しかしながら、全国的な課題でもある農業就農人口の減少や農家の高齢化の問題について歯止めがかからず、後継者の確保が課題となっております。
若者を中心に農業を敬遠する理由の一つとして、他産業に比べ農業はきつい、汚い、危険のいわゆる3Kのイメージがあるのではないかと思います。他産業並みに農業に魅力を感じてもらうためには、所得はもちろんのこと、作業の省力化や効率化、データを駆使した戦略的な作業ができる仕組みづくりが必要で、そうすることにより若者の就農をはじめ企業の農業参入の増大が期待されるのではないでしょうか。
そのために、これからはIoTなどの先端技術の農業への活用が不可欠と考えます。都市近郊で高収益が見込める施設園芸を行うには温度や湿度、あるいは二酸化炭素濃度の高度な管理が必要です。また、農産物はエネルギーの固まりでもありますので、どのようなエネルギーを活用して食の安定供給を実現していくのかも重要な問題であります。
様々な未利用エネルギーがありますが、埼玉県には平成24年から26年度にかけて先端産業創造プロジェクトを通じて大きく発展させた地中熱利用技術があります。地中熱利用技術とは、季節にかかわらず年間を通して一定である地中温度を冷暖房などに利用するというものであり、温度管理が重要な農業分野への普及も期待されているところであります。
そこで、私は、地中熱などの未利用エネルギーやIoTなどの先端技術を農業に利用し、高収益を可能にすることで、後継者の確保や都市型農業の発展が図られると考えますが、農林部長の御所見をお伺いいたします。
A 篠崎 豊 農林部長
いちごやきゅうり、花などの施設園芸において、季節に関わらず一定である地中熱を冷暖房のエネルギーとして活用することは、電気代や燃料代、二酸化炭素の排出を削減できるなどの効果が期待できます。
県内でも、地中熱ヒートポンプシステムを導入し、ハーブやいちご栽培の実証試験が行われており、従来のシステムに比べて25%の省エネ効果が得られています。
また、人工知能による作業ロボットやIoT技術の農業利用は、農業生産の姿を大きく変える可能性があります。
例えば、トラクターの自動走行技術やハウスの環境制御技術は、作業の省力化や生産性の向上に繋がります。
上里町のきゅうり農家では、コンピュータやセンサーを用いた環境制御システムを導入し、収量を約30%増加させています。
地中熱などの未利用エネルギーやIoTなど先端技術を利用した高収益で先駆的な農業は、若者にも魅力的に映り、農業者の確保・育成に繋がるものと考えております。
さらに、先端技術を活用した、新たな都市型農業の取組も期待できます。
一方で、地中熱やIoT技術の農業への利用にあたっては、初期投資に係る費用を抑えること、各農家の経営に合った技術の導入などが必要でございます。
このため、県といたしましては、費用対効果やモデルとなる事例の検証に努めるとともに、その成果を農家の方々にしっかりと伝え、新たな技術の導入を進めて参ります。
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