トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年9月定例会 > 平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(松坂喜浩議員)
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掲載日:2023年9月20日
Q 松坂喜浩議員(改革)
親が育てられない子供、赤ちゃんを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」、いわゆる赤ちゃんポストですが、これが設置されております熊本市の慈恵病院を会派で訪問し、理事長さんから詳細に説明していただきました。今年で開設10年を迎え、平成28年度までに130人が託され、多くの命が救われたと話されておりました。その130人のうち、関東地区、それも埼玉県からも複数子供が預けられ、命が救われたとのことです。
子供を預ける理由は、未成年であったり、強姦、未婚、生活困窮、世間体が主で、多岐にわたります。子供を預かり、養子縁組を希望する方は十年間で1,500件を超え、まだまだ救える子供がいることが明らかになりました。特別養子縁組を進めることで、乳児院、児童養護施設、これは公立、民間問わずでありますが、里親養育に係る膨大な経費も減少します。少年非行の抑制にもつながります。これらの取組についてどのように感じられているか、上田知事の見解をお伺いいたします。
また、埼玉県として民間が「こうのとりのゆりかご」を設置、推進しやすいように仕組みを検討すべきと考えますし、特別養子縁組を行う県民活動をサポートする必要があると考えますが、併せて知事の見解をお伺いいたします。
A 上田清司 知事
特別養子縁組は、6歳未満の子供を戸籍上も実の子と同じように扱う制度でございます。
この特別養子縁組であれば、養育する親と子供が安定的に永続した関係を築くことで心身共に健やかな成長につながるという点で大きな効果があると考えます。
私は評価したいと思います。
次に、民間が「こうのとりのゆりかご」を設置推進しやすいように仕組みを検討すべきについてでございます。
「こうのとりのゆりかご」については熊本市が検証を行っています。
その中では、匿名で預けることができるため安易な預け入れにつながっている面があること、子供の出自が分からなくなるなどの問題が指摘されています。
また、預け入れを前提とした自宅出産も多く安全確保の面から問題があるとされております。
議員がお話されましたように尊い命が多く救われたという事実も無視できない話であります。
民間による「こうのとりのゆりかご」の設置というものを推進すべきとの御意見でございます。気持ちもよくわかります。
しかし、本来あってはならない赤ちゃんの置き去り、子供の置き去りという非人道的行為を前提としたような仕組みづくりを行政の立場で行うというのはつらい話であります。
民間が何らかの形でそれをやろうとする時に、いい話ですねと言って行政が支援をするというのは、あってはならないことですから、なかなかこれは難しい話かなと。
私自身は最初お話を聞いた時に、なるほどというふうに思いましたが、よくよく考えてみるとちょっとつらい話だなというふうに思いました。
しからばどうするかということになれば、子供の、赤ちゃんの置き去りを未然に防ぐことが当然大事であります。
そのため、支援を要する妊産婦が早めに相談できるよう児童相談所や市町村、保健所などの窓口の周知をしていかなければならないと思います。
さらに、相談を待つだけでなく、医療機関から支援を要する妊産婦の情報を得て、児童相談所や市町村が必要な支援を行ってまいります。
この部分が弱いのではないかと思います。医療機関からの情報がなかなか入らない。これをもっと徹底すれば格段に私たちは命を救える可能性があると思います。
それでも、不幸にして、身元が知られることを恐れ、置き去りが起こることがあるかもしれません。
児童相談所では原則として身元を確認しておりますが、どうしても身元を明かせない場合は当然、子供の命を最優先に考えて匿名であっても子供を保護していくべきであります。
出産に当たって子供を育てられないなどの悩みについては児童相談所に相談していただきたいと考えております。
次に、特別養子縁組を行う県民活動をサポートする考えについてでございます。
特別養子縁組についての相談やあっせんは児童相談所が行うほか、社会福祉事業として民間団体においても行われております。
こうした民間団体は全国で23団体、本県にも2団体あります。熱心に特別養子縁組の推進に取り組まれております。
今後は、事前にもいただきました資料も参考にして、このような民間団体とより連携して、特別養子縁組制度の仕組みや意義を広く周知するなど、もっと団体が活動しやすいような環境づくりをサポートしていきたいと考えております。
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