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掲載日:2023年9月20日

平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木村勇夫議員)

医療的ケアを必要とする障害児(医療的ケア児)及び保護者の負担軽減について

Q   木村勇夫議員(民進・無所属

医療的ケア児とは、口・鼻腔などの吸引、胃ろう、経鼻などの経管栄養、導尿、酸素療法、人工呼吸器管理など日常で医療的援助が必要な障害児のことです。厚生労働省の調査によると、19歳以下の医療的ケア児は全国で約1万7,000人で、10年前の1.8倍と増加傾向にあります。子供本人はもとより、その子供をケアする保護者の負担も相当なものがございます。
ここ最近、テレビ・新聞等でこの医療的ケア児を扱う番組、記事が増えてきました。私たちの会派でも、子供のケアをしている保護者の方からいろいろと御意見を聞かせていただきました。それらを踏まえて、以下、質問させていただきます。
まず、医療的ケア児の保護者の負担軽減についてお伺いをいたします。
家族のケアは24時間欠かせず、片時もそばを離れられないほか、夜中もたびたび起きてたんの吸引をするなど、保護者には相当な負担がかかっています。また、保護者自身が病気になっても子供を置いて家を出るわけにもいかず、医療機関を受診することさえも困難な状況がございます。超重症児の保護者の場合は、レスパイト事業を活用できますが、超重症児以外の医療的ケア児の保護者はレスパイト事業の対象となっていません。また、放課後デイサービスやショートサービスの利用も限られております。
そこでお伺いいたします。子供の健康を維持するためには、ケアする保護者の健康も大事であります。レスパイト事業の拡充、保護者に対する往診制度への支援、ホームヘルパーの家事利用、未就学児を受け入れる通園施設の整備など、様々な社会資源を活用し、医療的ケアを必要とする子供たちの保護者の負担軽減に対してはスピード感を持った対応が必要だと考えますが、知事の御見解を伺います。
次に、県立特別支援学校における医療的ケア児の教育環境改善について教育長にお伺いいたします。
まず、学校の通学区域についてでございます。
肢体不自由児が通学できる学校は少なく、送迎時、車中でのたんの吸引など、危険を伴いながら長距離の通学を余儀なくされている状況があり、保護者からは距離の近い学校に通学したいとの声をお聞きしております。保護者からのこうした要望については、状況をしっかり把握し、柔軟な対応が必要であると考えますが、教育長の御見解を伺います。
次に、医療的ケア実施ガイドラインのケア範囲の拡大について伺います。
県で定めている医療的ケア実施ガイドラインは、子供のケアについて学校現場で何ができるのかを示すものです。人工呼吸器管理が必要な子供のケアについては、今の学校現場では保護者対応を原則としており、保護者は教室内で在校中の全時間を待機して対応する必要に迫られています。現状では、保護者が行うことになっている人工呼吸器管理が必要な子供のたんの吸引や栄養注入については、看護教員などによる対応が可能であると考えます。
そこでお伺いいたします。医療的ケア実施ガイドラインが定めるケア範囲の拡大について、もっと現場で苦労している保護者の生の意見などを取り入れ、安全を最重視しながらも柔軟な考えでケア範囲を拡大するべきだと考えますが、教育長の御見解を伺います。

A   上田清司   知事

医療的ケア児の保護者の負担軽減についてでございます。
常時在宅で、不眠不休で介護しておられます御家族の負担が大変重いものだということはよく認識しております。
長時間の介護を行う御家族の負担を軽減するための支援を充実させることが極めて重要ですが、現時点では対応する国の制度が追い付いていないという事実もございます。
例えば、障害児通所施設において、医療的ケアを必要とする障害児を受け入れるためには看護師の配置が必要となりますが、国の定める報酬単価が低いことから事実上、配置ができないということも起こっています。
このため、報酬単価の見直しを求めていたところですが、ようやく国も報酬単価を増額する方針を固め、具体的な内容の検討を始めました。
今後も、御家族の負担軽減のために、通所施設の整備費の補助の充実など必要なものについて、きちっと国に要望を突きつけていきたいと思っております。
また、県では市町村と共同で毎日在宅で障害児を介護している御家族に一時的に休息していただくレスパイト事業を実施しております。
この事業は施設での障害児の受け入れを促進させるため、県と市町村が基本の報酬に上乗せをして施設に補助しているものでございます。
対象は現在のところ、議員のお話のとおり、重度の肢体不自由と知的障害があり、医療的ケアを必要とする障害児に限られております。
現行のレスパイト事業の対象になっていない医療的ケアを必要とする障害児の御家族の負担も重いものだと思っております。
このため、早急に受入施設や市町村からの意見も聞いて、事業の対象者の拡大ができるように努めていきたい、このように考えております。

A   小松弥生   教育長

まず、「学校の通学区域」についてでございます。県立特別支援学校では、障害の種別ごとに通学区域を定めており、原則は学区内の学校に通学することになります。
しかしながら、定期的な通院や緊急時の対応など、相当の理由がある場合には、学区外の学校への通学が可能でございます。
議員お話のとおり、医療的ケアの必要な児童生徒は、特に通学やケアの面での保護者の御負担が大きいものと認識をしております。
学校の指定にあたっては、保護者の要望や個々の事情を十分に把握した上で、より一層丁寧に対応してまいります。
次に、「医療的ケア実施ガイドラインのケア範囲の拡大」についてでございます。
現在、県立特別支援学校には、人工呼吸器管理が必要な児童生徒7名が通学をしており、人工呼吸器の管理については、緊急時の対応など安全性の面から、保護者に教室内での待機をお願いしております。
また、痰の吸引や経管栄養など、必要な医療的ケアについても、原則として保護者に実施をしていただいている状況でございます。
保護者にとって登校から下校までの付き添いは、非常に大きな御負担となっているものと認識しております。
こうした状況の改善に向け、平成28年度、人工呼吸器管理が必要な児童生徒のケアについて、保護者以外による実施の可能性を、専門医や校長等からなる医療的ケア運営協議会で検討いたしました。
その結果、人工呼吸器の管理は生命に直結するため、現状の体制では特別支援学校の看護教員が実施することは難しいとの判断に至りました。
一方、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアについては、健康状態が安定し継続して登校できている等の条件が整えば、個別に判断の上、看護教員が行う方向で進めております。
今後も、安全性に配慮しながら、保護者の負担軽減が少しでも図られるよう、他県の先進事例も参考にして検討してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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