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掲載日:2023年9月20日

平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(清水義憲議員)

子どもの口腔崩壊について

Q   清水義憲議員(自民

私は先日、口腔崩壊という衝撃的な言葉を耳にしました。言葉の意味を調べてみると明確な定義はないようですが、10本以上の虫歯や歯根しかない未処置の歯が何本もあり、食べ物がきちんとかめない状態を指すそうです。この口腔崩壊が高齢者ではなく小学生などの幼い子供に起きているのです。その画像を見ると幾つかの茶色に染まった歯だけを残して歯茎だけになってしまっている状態や、歯茎さえも原型をとどめていないなど、目を背けたくなるような悲惨な状況なのです。こんな状態になるまでなぜ放置されているのか、さぞかし痛い思いをしただろうと胸が詰まりました。
子供の虫歯については予防意識の高まりを受け、確実に減少する傾向にはあります。学校保健統計調査によると、12歳で虫歯のない子供の割合は全国で62.2%、本県では全国よりも成績が良く、69.3%です。また、本県の12歳児1人当たりの虫歯の数は、平成23年度に1.04本だったものが、平成28年には0.68本まで減ってきました。しかしながら、虫歯のない子供が増える中、一方では極端に歯の状態が悪く、いわゆる口腔崩壊が起きている子供がおり、正に歯の健康格差が生じているのです。
こうした現状の背景には、親の歯の健康に対する意識の欠如、貧困や療育放棄などが挙げられます。子供の医療費については、本県では基本的には全ての市町村で15歳まで無料となっていますが、ひとり親や共働きの家庭など時間的余裕がなかったり、心にゆとりがないといった家庭においては子供の歯にまで関心が及ばず、歯科診療に子供を連れていかないといったことがあると思います。
歯は食べることに深く関わり、食は健康に通じます。歯を健全な状態に保つことは、全身の健康を維持していくための基礎と言えます。もしその歯に口腔崩壊が起きてしまえば、集中力がなくなり、学習意欲も落ちてしまうかもしれません。根菜など固い物が食べられないほか、毎日の食事がラーメンや菓子パンなど極端に偏ってしまい、バランスの良い食事ができなくなってしまいます。このまま大人になれば生活習慣病へのリスクも高まります。子供の歯の健康については、健康寿命を延ばすための一つの重要な基礎となる取組として家庭だけに任せるのではなく、行政としてもしっかりと取り組み、支援が必要なのではないでしょうか。
口腔崩壊を起こさないよう、子供の歯を守る様々な取組をとるべきと考えますが、保健医療部長にお伺いいたします。

A   本多麻夫   保健医療部長

子供の健やかな成長には歯科保健が大変重要であり、県ではこれまで、県歯科医師会をはじめとする関係団体や市町村の御協力を得ながらむし歯を減らすための取組に努めてまいりました。
家庭や学校における歯みがき指導やむし歯予防のノウハウが浸透し、全体として子供のむし歯の本数は減ってきていると認識しております。
一方、議員お話しのとおり、家庭での歯みがきなど、むし歯予防のための生活習慣を身に付けることが難しい環境にあるため、「口腔崩壊」と言われる状態にあるお子さんもおられ、大きな課題であると考えております。
問題解決には、家庭に頼らなくても実施可能な方法を考慮する必要があり、そのための有効な手段の一つとして、学校におけるフッ化物洗口が考えられます。
このフッ化物洗口は、週1回、フッ化ナトリウムを低濃度に希釈した水を口に含んでぶくぶくするもので、歯の表面の質を強くするとともにむし歯になりかけた歯の再石灰化を促すなど、むし歯予防に大きな効果があります。
吉見町では、モデル的に平成21年度から小学校全校でフッ化物洗口に取り組み、12歳児の1人当たりのむし歯の数が当初1.43本であったものが、平成28年度には0.67本まで減らすことができました。
このフッ化物洗口は学校で実施できるので、子供の家庭環境にかかわらず、むし歯を予防する効果が期待できます。
こうしたことから県では、フッ化物洗口を実施するための支援として平成25年にフッ化物洗口の実務マニュアルを作成し、フッ化物製剤や器材を導入する小中学校に対し助成を行っております。
現在、県内27市町の171の小中学校がフッ化物洗口に取り組んでいますが、今後、更に実施していただける学校を増やしていく必要があると考えております。
県といたしましては、一つでも多くの市町村において学校におけるフッ化物洗口を実施していただけるよう、未実施市町村へ職員が出向き、市町村長や教育長などに直接働き掛けを行っているところです。
今後も、県歯科医師会や市町村、教育委員会などと連携しながら、子供の歯を守るための取組を幅広い視点から進めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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