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掲載日:2023年9月20日

平成29年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(木村勇夫議員)

部落差別解消推進法制定をふまえて

Q   木村勇夫議員(民進・無所属

昨年12月9日に、与野党を超えた議員立法で提出された部落差別の解消の推進に関する法律、部落差別解消推進法が参議院本会議で可決され、12月16日に公布されました。第1条の目的では、現在もなお部落差別が存在するとの認識を示した上で、部落差別の解消を推進し、もって部落差別のない社会を実現することを目的とすると、その目的を明確に示しました。国の特別対策であった地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律が2002年に失効して以降、同和問題の解決を直接うたった法律がない時代が15年間続いてきた中で、今回改めて同和問題解決のために法律、それも部落差別解消という問題をストレートに表現した法律が恒久法としてできたことは、問題解決にとって極めて大きな意義を有する出来事であります。今後、この部落差別解消推進法制定の意義を踏まえ、県においても解消法の積極的活用をするべきだと考え、以下5点、お伺いいたします。
1点目、この部落差別解消法の制定を踏まえ、上田知事のこの法律に対する基本認識と御見解を伺います。
2点目、この法律の県民への周知について積極的な取組を進めるべきと考えますが、知事の御見解を伺います。
3点目、学校教育においての部落問題学習について、今後の取組に当たっての基本的見解を教育長に伺います。
4点目、部落差別に係る実態調査に関しては、国への協力を含めて積極的に取り組むべきと考えます。また、今回の法律を踏まえ、県民の人権意識調査を実施するべきと考えますが、県民生活部長の御見解を伺います。
5点目、インターネット上の部落差別情報の掲載については、規制する法律がありません。差別情報を削除するためのモニタリング事業を始めるべきと考えますが、県民生活部長の御見解を伺います。

A   上田清司   知事

この法律に対する基本的な認識と見解についてでございます。
全ての人間は生まれながらに自由かつ平等に生きる権利を有しております。
しかし、人権はもともと認められたものではなく、人類の長い歴史の中で、人々が命を懸け、苦しみを乗り越えて獲得した尊いものでもございます。
また、私たち自身が不断の努力でそれを守り続けていかなければならないものだというふうに認識しております。
こうした中、あえて「部落差別」という言葉を使い、その解消を図る法律ができたことは大変意義深いことであり、県政をあずかる私としても一つの決意を持って臨む必要があると考えております。
ともすれば、「部落差別」という言葉を使わずにぼかしていた部分を、あえて今回、このようにはっきりと出しているところに政府にとってもその意識が強くにじみ出ているものだというふうに私は認識しております。
現在でも情報化の進展に伴ってインターネットに全国の被差別部落の一覧が掲載されるといったような事案とか、部落を対象にして差別的な書き込みなどをする事案もございます。
インターネットの匿名性を利用した非常に悪質な行為であり、大変卑劣なものであり人権上も決して許されないものであると思います。
「己の欲せざる所は、人に施す勿れ」ということわざのとおり、自分がされて嫌なことは、他人にもしないことが大事だと思います。
この法律に基づいて部落差別の解消に向けて、人権教育・啓発活動を一層推進してまいります。
次に、この法律の県民への周知についてでございます。
部落差別を解消するには、まず何と言っても学校教育の中でしっかりと部落差別問題を取り上げ、正しい意味を教える必要があります。
そして、県民一人一人にはこの法律の制定された背景や趣旨を十分理解していただくことが重要です。
そのため県ではこの法律の施行後、県民にいち早く知らせるため県のホームページや啓発冊子に法律の趣旨などを掲載させていただきました。
また、県内の経済団体にも直接訪問し会員企業への周知や研修の実施などの要請を行うとともに、今年度の県の人権担当者研修会は同和問題をテーマとして開催いたしました。
さらに、同和問題の正しい理解の普及を図るため、人権同和問題啓発講師を年間140回以上派遣しております。
広くこの法律の趣旨を浸透させるためには、繰り返し、繰り返し啓発することが大切であります。今後も引き続き学校現場をはじめ、地域社会、家庭に対する積極的な周知を徹底していきたいと考えております。 

A   小松弥生   教育長

部落問題をはじめ、あらゆる差別や偏見は、決して許されないことであり、人権を尊重し合える社会を築くためには、教育の果たす役割は極めて大きいと考えております。
県では、いわゆる「部落差別解消推進法」の施行に伴い、各市町村教育委員会教育長や各公立学校長などに対して、この法律を踏まえた適切な対応について、周知をいたしました。
また、「埼玉県人権教育実施方針」の中で、人権課題の一つとして同和問題を位置付けており、児童生徒が部落差別を正しく認識し、差別をなくしていこうとする態度を育成しております。
今後も、県で作成した指導資料を活用して、児童生徒の発達段階に応じて部落問題に関する理解を深めさせてまいります。
さらに、県が開発した児童生徒の人権感覚を育てるためのプログラムについて、日々の学習の中で活用できるよう、教員研修を積極的に行ってまいります。
こうした取組を通して、児童生徒が部落差別をはじめ全ての差別や偏見のない社会を創っていけるよう、人権教育を進めてまいります。

A   稲葉尚子   県民生活部長

国の部落差別に係る実態調査への積極的な協力、県民への人権意識調査の実施についてでございます。
国が実施する実態調査についてですが、この部落差別解消推進法では、「国が地方公共団体の協力を得て行う」こととなっています。
国に確認したところ、「現在、有識者会議を設置し、調査の内容や手法について検討している」とのことでした。
県といたしましては、今後、国からの依頼などを踏まえ、国が実施する調査にしっかりと協力をしてまいります。
また、議員お話しの県独自の人権意識調査の実施につきましては、国の実態調査の内容を踏まえ、その必要性を検討してまいります。
次に、インターネットのモニタリング事業についてでございます。
県がインターネットのモニタリングを行う場合、インターネットの特質上、その監視する対象は全国に、更にプロバイダ等の管理者にいたっては海外に及ぶことも考えられます。
そのため、モニタリングは国において一元的に取り組むことが最も効果的であることから、国に対してその実施を要望してまいります。
なお、人権侵害の情報が県に寄せられた場合には、国の人権擁護機関である法務局と連携して対応してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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