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掲載日:2021年12月15日
Q 荒木裕介 議員(自民)
今から5年前の2013年頃に風しんが大流行し、全国で約1万4,000人が感染していたことにより世間を震撼させる事態に陥ったことは、まだまだ記憶に新しいところです。それでも一度感染したら風しんウイルスに対する介する免疫ができることで感染は繰り返さないという疫病の性質上、感染者数は年々減少しておりました。しかし、ここへ来て今年の7月以降、風しんの累積患者数がおよそ5年ぶりに2,000人を超え、8月に入ってからは東京や千葉などの首都圏を中心に急激に感染が拡大しております。うち、感染者の6割から7割が30代から50代のいわゆる働く世代の男性であるというデータを確認しました。この数値は、上記の世代が幼少期に受けるべきワクチン接種を国が当時の判断により定期接種として組み入れたり外したりした結果、十分な抗体価、免疫を得られなかったことが原因のようであります。
また、そもそも風しん自体は「三日ばしか」とも言われるように、それほど重い症状が現れるわけではなく、時間もそれほどかからずに完治する疫病でありますが、こと、妊娠中の女性が感染すると生まれてくる子供に深刻な障害(CRS)、先天性風疹症候群をもたらす可能性があります。妊娠中に風しんに感染した母体にはそれほど悪影響はないようですが、風しんは胎盤を通じて赤ちゃんに感染し、CRSという聴覚障害、知覚障害、先天性心疾患を引き起こすこととなり、生まれながらにして子供が大きなハンディを背負うことになります。
最近、こうした日本の現状を憂慮する中で、米国では日本への妊婦の渡航自粛勧告が出されるなど、国際的な影響、懸念が出てきました。大変に残念な事態であります。
そこで、お尋ねいたします。
風しん対策としては、まずはCRSを予防することが最も重要と考えます。CRS予防のためには、妊娠をしていない女性を対象とした取組が必要と考えますが、県ではこれまでどのような取組を行ってきたのかについて、保健医療部長にお伺いいたします。
また、いよいよ2年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックの開催地として、国を挙げて風しんの撲滅に取り組んでいくべきと考えます。今回の流行では30代から50代の男性患者が多いのが特徴です。風しんを撲滅するためには、十分な抗体を持っていないこの世代に向けて対策を行うことが急務と考えますが、保健医療の御所見をお伺いいたします。
A 本多麻夫 保健医療部長
まず、先天性風しん症候群(CRS)の予防のためにこれまでどのような取組を行ってきたのかについてでございます。
議員御指摘のとおり、CRSの予防は大変重要であり、風しんに対する免疫の有無を抗体検査で確認し、免疫のない妊娠前の方々に予防接種を受けていただく必要があります。
このため、県では、妊娠前の女性やその配偶者などを対象として、平成26年度から風しんに対する免疫の有無を調べる無料の抗体検査を開始し、現在も継続しております。
できるだけ多くの方に抗体検査を受けていただけるよう県のホームページに加え、婚姻届を提出する市町村の窓口においてチラシを配布するなど、抗体検査の受診を呼びかけてまいりました。
また、県医師会に御協力いただき、病院や診療所においてポスターやチラシを掲示していただくとともに、検査の結果、抗体価が低かった方に、速やかにワクチン接種を受けていただくよう勧めていただいているところです。
今回の風しんの流行で、本県においては、12月4日現在166人の患者が発生していますが、今のところ、幸いなことにCRSの患者発生は認められていない状況です。
次に、十分な抗体を持たない30代から50代の男性に向けた対策についてでございます。
5年前の流行では20代から40代の男性患者、今回の流行では30代から50代の男性患者の割合が高く、こうした世代を中心に数年おきに流行が繰り返されてきました。
議員お話のとおり、風しんの流行をなくしていくためには、免疫を持たないこの世代の男性を中心に予防接種を進めていく必要があり、定期接種化が必要と考えております。
先日、国から、予防接種の機会がこれまでなかった39歳から56歳の男性について、定期接種の対象とする方針が示されました。
風しん排除に向けた取り組みを後押しする今回の国の方針は、大変望ましいことと認識しております。
今後、具体的な内容が示される予定ですので、それを踏まえ、県として必要な対応を進めてまいります。
県といたしましては、東京オリンピック・パラリンピックの開催地として、風しんの排除に向け、国と連携しながら対策に取り組んでまいります。
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