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掲載日:2021年12月14日
Q 中野英幸 議員(自民)
昨年12月に、我が党の安倍首相のリーダーシップの下に、新しい経済政策パッケージが閣議決定され、来るべき人生百年時代を見据えて「人づくり革命の実現」「人材への更なる投資」が打ち出されました。人づくりの入口となる幼児教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を作るものであり、知識やIQなどの認知能力だけでなく、根気強さや注意深さ、意欲、社会性や思いやりといった非認知能力の育成においても重要な役割を果たすものであります。
人づくりの革命の中で、我が国が進める幼児教育の無償化は、少子化問題の一因とされる教育費の父母負担軽減を図るとともに、全ての子供たちに質の高い幼児教育を保障するものであり、非常に重要な取組でもあります。また、中学校卒業者のほとんどが高等学校に進学する今、公立高等学校と共に公教育の一翼を担う私立高等学校における教育も、人づくりに重要な役割を果たしています。
高等学校での教育の先にある大学や専門学校などの高等教育も見据えながら、生徒が公立・私立を問わずに学びたいと思う高等学校で学べるよう、教育の父母負担軽減が求められています。このため、我が自由民主党県議団では家庭の経済事情に関わらず、生徒が安心して本県の私立高等学校を進学先として選択できるよう、長年にわたり父母負担軽減の充実に力を注いでまいりました。その結果、平成29年度には年収約609万円未満世帯に対する授業料の実質無償化を現実にし、さらに今年度からは、一定期間の学費負担が集中する多子世帯について、年収約720万円未満世帯にまで授業料の実質無償化の範囲を拡大しました。こうした我が党を中心とした取組により、本県では全国トップレベルの父母負担軽減を実施してまいりました。
こうした本県の先進的な取組に追い付く形で、我が国もやっと2020年度までに年収約590万円未満世帯に対する私立高等学校の授業料の実質無償化を現実にするとしています。この政策が実現した場合、全国一律に授業料への支援水準が上昇するため、本県の父母負担軽減の優位性が相対的に低下することが懸念されます。本県の優位性の維持向上を図るためには、財源の問題があることは承知しておりますが、例えば多子世帯の人数要件や所得要件を緩和したり、一般世帯に対する施設費補助を拡大したりするなど、大胆かつきめの細やかな対応が必要と考えます。
そこで、総務部長にお伺いいたします。年収約590万円未満世帯に対する授業料の実質無償化について、我が国における検討は現在どのような状況か、また、我が国による授業料の実質無償化が現実化した場合に、本県としてどのように父母負担軽減の更なる充実を図っていくのか、総務部長の御所見をお伺いいたします。
A 高柳三郎 総務部長
まず、国における検討状況についてでございます。
国による私立高等学校の授業料の実質無償化については、平成29年12月に閣議決定され、2020年度までに実現するとされております。
しかしながら、この財源については、消費税の増収分を直接活用する形となっていないため、財源の確保が課題となっております。
そのため、国では消費税を直接の財源とする「大学など高等教育の無償化」や「幼児教育の無償化」の制度設計が先行しているところでございます。
また、国の私立高等学校の授業料の実質無償化は、国の就学支援金の拡大により実施されます。
就学支援金については、国会における改正法の附帯決議で、施行から3年以降に政策の効果を検証した上で必要な措置を講ずるとされております。
国では、財源確保の問題と合わせて、就学支援金の効果検証や見直しの検討も並行して行っております。
そのため、国による授業料実質無償化の具体的な内容が明らかになるまでには、なお一定の時間を要するものと思われます。
県といたしましては、2020年度から実質無償化が国の責任において確実に実施されるよう、引き続き国に対して強く要望してまいります。
次に、国による授業料の実質無償化が実現した場合に、本県としてはどのように父母負担軽減事業補助の更なる充実を図っていくのかについてでございます。
本県ではこれまで、学校への運営費補助と父母への負担軽減補助を私学助成の2本柱とし、その相乗効果により県内私学を支援してまいりました。
特に、私立高等学校に対する父母負担軽減事業補助については、全国トップレベルの制度となっております。
例えば、本県の授業料実質無償化の対象世帯の水準は、年収約609万円未満であり、東京都に次ぎ全国第2位となっております。
この年収基準については、東京都との平均年収の差を考慮すれば、実質的には本県の補助水準が上回る形となっております。
また、今年度から実施している多子世帯に対する授業料補助について、全国でも実施しているのは、本県と大阪府のみでございます。
しかしながら、国の無償化が実現した場合には、授業料への補助水準が全国一律で上昇することになります。
このため、国の無償化を見据えた上で、県内私学の振興を図る視点から本県の父母負担軽減補助の充実を図っていく必要性が高まります。
厳しい財政状況にありますが、東京都や近隣県の動向を踏まえ、県議会の皆様の御意見も伺いながら、様々な方策を検討してまいります。
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