埼玉県議会 県議会

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掲載日:2018年12月20日

平成30年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(美田宗亮議員)

バス路線の維持のための路線バス運転者の確保対策について

Q   美田宗亮   議員(自民

本県は、今まで人口の増加が続き、年齢が若い県と言われてきましたが、今後はトップクラスのスピードで他の県が経験したことのない異次元の勢いで高齢化が進むことが見込まれております。国立社会・保障人口問題研究所の発表では、本県の人口は2015年から2045年の間に10.2%減少し、652万5,000人となる見通しであります。既に人口減少が始まっている秩父地域や県北、比企地域は言うに及ばず、現在は人口が増えている県南地域でも、30年後には多くの市で人口が減少するということがデータとして示されています。
とりわけ、本県の課題は、先ほども申しましたとおり異常とも言えるスピードで高齢化が進行することであります。1970年代以降、本県には東京のベッドタウンとして全国から団塊の世代の分厚い年代層が流入し、その方々が一気に高齢化を迎えることとなります。いまだかつて、全国でも例のない高齢化を迎える本県としては、来るべき時に備えて様々な施策を展開しておかなければならないことは言うまでもありません。
近年、高齢者が運転する自動車による事故のニュースを頻繁に目にするようになりました。一方で、高齢者が慣れ親しんだ自動車を手放すことは、なかなかできないということは心情的にも理解できるところです。自動車事故のニュースや家族の勧めもあって、運転免許証を自主返納する高齢者が平成29年は全国で40万件を超え、年々増えているとのことです。
ところで、私の地元でも大型ショッピングセンターが数多く出店し、休日になるとファミリーカーに乗った家族連れでにぎわっておりますが、その一方で地域住民に身近な商店街や商店は活力を失ってきており、やむなく店を閉めるところも増えてきていると感じております。こうしたことで、近所で買物ができない高齢者、また通勤・通学で利用する方にとって路線バスは重要な交通インフラなのであります。
しかしながら、三郷市を例に挙げれば、埼玉と東京や埼玉と千葉を結ぶような路線を運行している大手のバス会社に比べて、駅や市役所などの公共機関を結ぶ市内の路線を担う中小規模のバス会社では、主に運転手不足が深刻であり、路線の維持やバスの本数の確保が大変難しくなっております。それどころか、このまま経営を継続するか否かを検討している会社もあると聞き及んでおります。
この要因をデータから検証してみます。国土交通省が発行している「交通政策白書」にあるバス事業者の就業構造を見てみますと、平成27年度時点のバス業界の運転者数は約13万人、そのうち女性比率は1.7%であり、全産業平均の43.8%を大きく下回っております。同様に、全産業の平均年齢が42.5歳であるのに対し、バス業界は49.8歳、全産業の月平均労働時間178時間に対し、同業界は月210時間、それでいて年間所得額は全産業平均の491万円に対し、同業界は457万円と、どの数字を取ってみてもバス業界は大変厳しい就業環境であるということがうかがえます。
また、警察庁の平成29年の統計によれば、本県の運転免許保有者全体の平均年齢が48.9歳であるのに対し、大型バスの運転資格となる大型第二種運転免許保有者の平均年齢は59.9歳となり、バスの運転ができる人材の減少並びに高齢化ということが、ここからも見て取れます。日本全体で若年労働者が減少している中で、とりわけ就業環境が厳しいバス業界でありますが、このままでは地域の重要な足が失われてしまいます。
バス業界についても、民間企業の話でありますので、まずは自助努力が基本であり、また地域を支えるインフラについては、市の役割が大きいということも理解しております。しかし、バス路線の維持確保については、多くの議員も質問しているように、今や県全体の課題と捉えるべきであります。
そこで質問します。まず、路線バスの運転者確保の支援について、県はどのように考えているのでしょうか。また、保有者の高齢化が進んでいる第二種運転免許の取得について、県でできる支援はないのでしょうか。
以上、2点について企画財政部長にお伺いいたします。

A   砂川裕紀   企画財政部長

まず、路線バスの運転者確保の支援についてでございます。
全国的にバスの運転者不足が問題となっております。
バスの運転者が不足すると事業の継続が困難となり、採算性の低い路線だけでなく黒字路線でも減便や廃止が行われる可能性があります。
今後の急速な高齢化に伴い、住民の日常生活の移動手段を支えるバス路線を維持するためには、バス運転者の確保は大変重要であると考えております。
国の平成30年版交通政策白書によれば、運転者不足の背景として、不規則な就業形態や長時間労働などにより、若年層や女性から敬遠されてきたことが挙げられております。
これに加え、高等学校等の新卒者に対する戦略的なリクルート活動や女性を含めた従業者の労働環境の改善について十分な対応がとられてこなかったことなどが挙げられております。
このため、まずはバス事業者自らが新卒採用の強化や自社による育成体制の充実、労働環境の改善などに取り組むことが必要であると考えております。
県としても国と協力してバス事業者の取組をしっかりサポートする必要があると考えております。
特に、バス運転者の社会的な役割や職業としての魅力、やりがいなどについて、若年層や女性に対して積極的に周知していくことが重要です。
国では就職を控えた高校生などに職業選択の一つとして検討してもらうよう、学校などへの訪問活動を実施し、バス事業の魅力などについて説明をしております。
また、県では本年9月にウーマノミクスプロジェクトの一環として、埼玉県バス協会主催の事業者向け講習会において、女性の積極的な雇用や女性が働きやすい職場づくりについて講演を行いました。
さらに、11月には新たに国や市町村、バス協会などと連携して、県内2か所におきましてバスの魅力を発信するイベントを開催しております。
イベントでは車両の展示や乗車体験などを行うとともに、バス事業者のブースを設置し、積極的なPR活動を行いました。
県としてはこうした取組によりまして、国やバス協会などと連携して路線バス運転者確保の支援を行ってまいります。
次に、第二種運転免許の取得に対する支援についてでございます。
大型第二種免許は21歳以上の年齢で、普通免許を取得後原則3年以上経過すると受験資格が得られます。
現在、バス事業者自ら社員に対して大型第二種免許の取得費用を支援する制度を設けているところがございます。
また、バス協会では県の補助金を活用し、バス事業者に大型第二種免許の取得者1人当たり5万円の補助を行っており、平成29年度は9社に対して26人分を交付しております。
県としては今後もバス協会と連携し、大型第二種免許取得の支援に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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