トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (荒川岩雄議員)
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掲載日:2020年3月11日
Q 荒川岩雄議員(自民)
ある新年会の会合で、上田知事は正しいことは正しい、正しいことをやっていれば、何も恐れることはない、道は開ける、このような趣旨の発言をしたようであります。私も、それは同感であります。
もう一昨年になるでしょうか。知事は、多くの批判を無視して、自ら定めた埼玉県知事の在任期間に関する条例をそのままにして、知事選にあえて立候補し、4期目の当選を果たして現在そこに座っております。当選後、約1年6か月が経過いたしましたが、この条例は依然として残ったままとなっております。冒頭の知事の発言との整合性について、何か知事気になりませんか。私は、今でも知事が条例を廃止できずに、知事にとって選挙に出馬したことは一世一代の不覚、政治人生で一番の失敗だと思っております。
知事、なぜ選挙前に条例廃止を提出しなかったんですか。もちろん、提案しても否決されたでありましょう。それは知事が県議選で自民党との対決の構図を自らつくったからであります。私たち自民党は、それまで知事とは是々非々の立場でやってきたと思います。ところが、知事は県議選に当たって突然、自らの推す「せんたく」という候補者を刺客として送り込んだのであります。まさに、知事が県議選に積極的に介入した結果であります。このことは私も後に議会で取り上げましたが、知事は弁明に終始しておりました。
かつて、さいたま市長も失敗をいたしました。どこかの知事がこの夏の選挙で全く同じことをやろうとしておりますが、私は賛成することはできません。なぜなら、二元代表制の本旨に逆行するものだからであります。
私は、一昨年の6月議会で知事に、条例の廃止を提案したらどうかと、結果はともかくとして提案したらどうかと、こう進言いたしましたが、知事はそれをしませんでした。知事、選挙前にこの条例廃止案を結果を恐れずに提案して、そして否決される。その否決されたことを県民に問うというなら、まだ百歩譲って、この争点があるとしても、これは考えられなくはないんでございますけれども、この条例をそのままにして選挙に突入することは、これは絶対にあってはならないと私は思います。
知事選で知事を応援した市町村長、たくさんおりましたが、現在も条例が廃止されていないことに関心がないんでしょうか。不自然さを感じないんでしょうか、あるいは知事を見習う気なんでしょうか。知事の耳には何も入ってこないんでしょうか。この条例は、もう風化してしまったんでしょうか。
知事、伺います。条例について、現在知事はどのような認識を持っているんですか。条例に規定してある在任期間を超えて在職している、すなわちそこに座っていることについてどう考えているんですか。選挙を経たからといって、免責されたとでも考えているんでしょうか。
2つ目の質問ですけれども、いわゆる努める規定、努力規定でございます。なるほど、この条例は努力規定ではあります。しかし、これは守らなくてもいいという意味ではありません。我が自由民主党は有能な政務調査会を中心として多くの条例を提案、成立させております。その中には、他の幾多の条例と同様、多くの努力義務が含まれているのは当然であります。守らなくてもいいと私たちは思ったことは一度もありません。条例に「努める」とありますが、現在、知事、どのような努力をしているんですか。今後、どのような努力をしていくんでしょうか。
そして、3つ目にお伺いいたします。条例は努力規定であり、適用は知事限りで支障がなくとも、やはり廃止しなければ、それは永久に残ってしまいます。支障がないからこのままでいいと放置しておく、そんなレベルのもの、そんな軽いものではありません。放置すれば、将来にわたって死文化した条例が残ってしまいます。知事は、安心してその場に座っていられるとするならば、この条例はどうしても廃止しなければならないとお思いでしょうが、知事、これを廃止に持っていく努力を今までしたことがあるんですか。任期いっぱい、知事は辞める努力を続けるという宿命を背負っていくことになります。それこそ、政策の遂行どころではないと思いますが、知事、いかがでしょうか。
A 上田清司 知事
「条例について、現在の知事の認識は」についてでございます。
先の知事選挙では、各界の皆様からの心を尽くした出馬要請と私自身の政治信条を定めた条例との間で、大変深く悩みました。
最終的には、私自身の不名誉は甘んじて受け、埼玉県のために全力を尽くすことが私の取るべき道だと考えました。
努力規定とはいえ条例がある中での出馬となり、県議会の皆様やメディアからも厳しい御批判もいただいたところでございました。
県民の皆様からは、知事として引き続き県政を担うようにと大きな御支持をいただきました。
条例に規定する在任期間を超えて在職していることについてどう思うかのお尋ねですが、条例は努力規定でございます。
私の考えといたしましては、引き続き知事の職を全うせよという県民の皆様からの負託に全力でお応えするということに尽きるとのことでございます。
また、選挙を経て全てが免責されたと考えているのかとのお尋ねでございます。努力規定としての条例の性質上、免責という言葉が果たして当てはまかどうかという思いはございます。
条例の趣旨を守り切れなかったということは事実でありますので、その重みを私自身が背負っていく、このようにしかないと考えております。
次に、「在任期間の努力規定について」でございます。
選挙の結果、知事として県民の皆様から御負託をいただいたことに伴い、在任期間の努力規定については事実上、実効性が失われているように思います。
しかし、私といたしましては、現在も、また今後も、県民の皆様からの負託に応えるため、全力で県政に取り組むことに尽きる、努力を続ける以外方法がない、このように思っております。
次に、「廃止条例の提出について」でございますが、放置すれば死文化した条例が残ることになるという議員の御指摘も、私もあるいはそういうことかもしれないと思っております。
ただ、私の思いとしましては、あえて廃止をしないことで私自身の「戒め」とすべきではないかということも思っております。
人生の先輩であり、法律家でもあります荒川議員の御指摘をしっかり心に留めて、更に熟考に熟考を重ねて考えてみたいと思います。
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