トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (浅野目義英議員)
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掲載日:2020年3月2日
Q 浅野目義英議員(民進・無所属)
厚生労働省によれば、昨年4月時点の待機児童は全国で2万3,553人と2年連続で前年を上回りました。埼玉県も同様の困難を抱えています。2016年から補助金制度がスタートした企業主導型保育事業などもあり、保育施設は一定のスピードで増えていく可能性を秘めています。しかし、保育士の確保はますます難しいものになっています。潜在保育士の発掘などについて焦点を当て質問いたします。
御案内のとおり、潜在保育士とは保育士の資格を持っているのにもかかわらず、保育園などの保育に関係した職場に就業していない人のことを指します。全国における保育士資格の取得者は、累計で150万人を超えています。しかし、その中で潜在保育士は2015年11月の時点で68万人もいたと言われています。
一方、埼玉県内では、2015年10月の時点で6万9,125人の保育士登録があるのに、県内保育所で働いている保育士さんは2万2,617人です。つまり、保育士資格取得者の実に3分の2近くとなる5万人もの方々が資格を持っているのにもかかわらず、埼玉県の保育の現場で働いていないということになるわけです。
潜在保育士は保育不足を解消する救世主とも言われているのに、埼玉県の潜在保育士を発掘する手だては苦戦しています。保育士確保のための埼玉県の制度は、利用低調でぱっとしません。潜在保育士の職場復帰支援策として進めた就職準備貸付制度も329枠で1件のみの応募でした。他の貸付も利用が低調です。2年間県内保育所で働くなどの返還免除条件が厳し過ぎるのでしょうか、貸付がネックになっているのでしょうか、低調です。貸付だけではなく、実質手取り額の改善のほうが効果があるのではないでしょうか。
東京都は、保育士確保の具体策として給与引き上げ一人当たり月額2万1,000円の補助上乗せを決定しました。既に月額2万3,000円を補助していますから、今年度から上乗せ補助額は4万4,000円となります。保育士の処遇改善なくして待機児童対策、ひいては少子化対策は進みません。埼玉県から東京都へどれだけ保育士、潜在保育士が流出していくのかは予想だにしません。流出が心配されます。埼玉県もあらゆる対策を実施していることは知っています。給与改善に取り組まないと、保育人材の確保の取組は実を結びません。
潜在保育士確保の具体策として、給与引上げの方策は近い将来の課題であると強く考えます。知事の認識を答弁してください。
A 上田清司 知事
潜在保育士を確保するため、保育士の処遇改善は極めて重要であると考えます。
国の調査によると、潜在保育士が保育士として就業を希望しない理由として、「賃金が希望と合わない」と回答した割合が47.5%と最も高くなっております。
保育士の賃金は、国が定めた給付費を原資として、保育所から支払われているため、本来、国の責任において改善すべきものと考えております。
平成29年度の給付費においては、全ての保育士の賃金が月額約6,000円、概ね7年以上の勤務経験のある保育士に月額約4万円の処遇改善が行われる。
国は処遇改善の取組を進めておりますが、まだ不十分だと認識しております。
このため、保育士の処遇改善については、引き続き、国に対して強く要望をしてまいります。
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