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掲載日:2020年3月10日

平成29年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(秋山文和議員)

アスクル物流倉庫火災の原因究明と消防力の強化について

Q 秋山文和議員(共産党

三芳町の通販会社アスクルの物流倉庫で16日に起きた火災は、床面積4万5,000平方メートルを焼き、鎮圧までに6日を要する大規模なものでした。昨日、完全鎮火しました。党県議団の現地調査でも、においが充満し、近くにお住まいの方は「毒ガスで死にそうな思いをした」と語りました。三芳町の水道の1か月分相当の水が使われ、飲料水への影響、運動場使用不能など教育への影響も広がりました。総務省によれば、床面積1万平方メートル以上の建築物の火災は、過去10年間に2件、いずれも1日、2日で消火に至っており、アスクル火災は例を見ない大規模火災との認識を表明しています。
火災現場の周辺には、佐川急便、文具メーカープラスの巨大物流倉庫が並んでいました。各地で大型物流倉庫が建設され、埼玉県も積極的にこれを誘致しております。「日本立地総覧」によると、2013年から2014年に首都圏の物流施設は225件が操業、着工が193件となっております。
初めに伺いますが、アスクル火災の原因究明に県としても全力を挙げること、また、早急に県内物流倉庫の現状を把握し、その防火対策について改めて調査すべきです。
以上2点について、知事の見解を求めます。
アスクル火災では、70台以上の消防車が出動しました。長期にわたる消防活動に従事した職員、団員の皆さんに敬意を表します。埼玉県の消防力の現状は、職員の充足率が82.7パーセント、救急車92パーセントと、必要数を満たしておりません。消防現場からは、救急隊をあと一隊でいいから増やしたいという切実な声が寄せられています。県は、消防力の強化として研修等を実施していますが、研修に人を送り出す余裕がないというのが消防現場の実感です。
また、職員全体の充足率が82パーセントでも、担当部門別に見れば、予防担当職員の充足率は、地域によっては40パーセント台という極めて低い状態が生まれております。予防担当は、火災報知機や防火シャッターなど消防設備の確認を行う部署ですが、現在の人員では、新築建物には対応できても、用途や収容人員などの変更時には十分対応できていません。この職員不足について、まずは国に対して対策を求めるとともに、県としても予防、救急、消防、警防など部署別の充足状況を把握し、充足を促すべきです。危機管理防災部長の答弁を求めます。
県は、職員や装備不足を広域化によって解消すべく、消防の広域化を推進しています。党県議団は、水利情報など地域の実情把握は消防には欠かせないとして、広域化推進に反対してきました。昨年2月、所沢市の31階建て高層マンション火災において、上層階に水を送る連結送水管を地下向け送水口に接続するミスによって、1時間36分にわたり放水が開始されず、マンションの地下設備の一部が水浸しになりました。所沢市を管轄する西部消防局は、都市部の所沢市から山間部まで含む飯能市の広域消防組合となったばかりです。管轄の余りの広さに、各地から懸念の声が上がっていました。報道では、西部消防局は送水ミスの原因として「高層階の消火活動は初めてだった」とコメントをしました。
ここで伺いますが、消防広域化は、その地域の実情に即して決められるべきことであり、県が市町村に強制するものではないと考えますが、危機管理防災部長の見解を求めます。

A 上田清司 知事

アスクル火災の原因究明についてでございます。
県では火災発生後、直ちに情報連絡室を設置し、職員を現場に派遣して情報収集を行いました。
また、三芳町からの要請を受け、高度な資機材と技術を持つ埼玉県特別機動援助隊、通称「埼玉スマート」を出動させ、消防活動を支援してまいりました。
22日の火災鎮圧後も地元消防によって建物内部の残り火を区画ごとに完全に消火する作業が継続されてきました。
昨日17時に鎮火となり、今朝から地元消防や警察、消防庁と国土交通省で構成する調査チームにより、火災現場での原因調査が始まったところでございます。
今後も、火災の原因究明が早期になされますよう、地元消防と連携して取り組んでまいります。
次に、県内物流倉庫の現状把握と防火対策に係る調査についてでございます。
今回火災が発生した倉庫は、延べ床面積が約7万2,000平方メートルと広大であり、さらに構造上、開口部が少なく外部からの注水が困難でございました。
こうした構造の建物では、一旦火災が広がると、消火活動が極めて難しくなるため、まずは火災の予防、そして火災発生時の初期消火という基本が一層重要であるという現場からの報告も受けております。
そこで県では、今回の火災を踏まえ、同様の施設における消火器など消防用設備の管理や防火管理体制の徹底について、各消防本部に通知をしたところです。
既に一部の消防本部では類似施設の査察に入っています。
国等による調査結果を踏まえ、県としても各消防本部とともに、県内の大規模物流倉庫の現状をしっかりと把握し、再発防止の注意喚起を含めた防火対策に取り組んでまいります。

A 槍田義之 危機管理防災部長

まず、消防の職員不足について国に対策を求めるとともに、県として消防本部の部署別の充足状況を把握し、充足を促すべきとのお尋ねについてでございます。
平成27年4月1日現在で本県の消防職員の充足率は、82.7%でありますがこれは全国第3位という高い率でございます。
一方、秋山議員の御指摘のとおり、予防部門に携わる職員の充足率は低く、その強化が求められているところです。
そこで県では、消防法令違反の是正方策をテーマに研修を開催するなど、予防業務に関する専門知識の習得のための支援を継続的に実施してまいりました。
消防職員の採用や配置については、それぞれの消防本部で検討すべき課題ですが、予防部門の強化は全国的な課題でもありますので、都道府県部局長会などを通じて議論の上、必要な支援を国に要望してまいります。
また各消防本部の部署別の充足状況につきましては、すでに県において把握しておりますので、特に充足率の低い消防本部に対して重点的に働き掛けを行ってまいります。
次に、消防の広域化はその地域の実情に即して決められるべきであり、県が市町村に強制すべきではない、というお尋ねについてでございます。
消防の広域化は、消防本部の統合によるスケールメリットを最大限に生かして消防力を強化し、これを住民サービスの向上に繋げるものです。
広域化を実現した埼玉西部消防局では、4つあった消防本部の本部機能の統合で職員58人を現場に再配置することが可能となり、消防隊や救急隊の増強が図られました。
もとより、消防の広域化は県が強制するものではありません。
消防の広域化につきましては、市町村の意向や地域の実情をしっかり踏まえて、取り組んでまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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