トップページ > 埼玉県議会トップ > 定例会・臨時会 > 定例会概要 > 平成29年2月定例会 > 平成29年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文 (鈴木正人議員)
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掲載日:2020年3月9日
Q 鈴木正人議員(県民)
教科書会社が公立小中学校の教師らに検定中の教科書を見せ、謝礼を渡していた教科書謝礼問題は全国的にも問題となり、謝礼を受けたとされる教員は全国で約3,500人にも上り、2割以上の約850人がその後地域で使われる教科書選びに関わっておりました。埼玉県でも、教科書会社から金品を受け取った教職員は111名にも及び、懲戒処分をはじめ文書訓告や厳重注意の処分を受けております。いまだこの問題が語られるとき、教員の認識の甘さに対する不信感や、なぜお金をもらって採択に関与したのに収賄罪に当たらないのかなどの厳しい意見も出ております。
公正取引委員会は、昨年夏に教科書採択の公正性を妨げる独占禁止法違反の不当な顧客誘引に当たるおそれがあるとして、東京書籍など教科書を発行する9社に警告をしております。また、文部科学省は採択関係者に金品の提供など公平性が疑われる行為があった場合、市町村教育委員会が採択をやり直して別の教科書に変更できるよう省令を改正し、各都道府県教育委員会に留意事項を通知、教科書会社へのペナルティを強化し、問題の再発防止を図るとしております。埼玉県でも、質の高い教科書の実現と教科書採択の公正性、透明性を高めるためにというガイドラインを作成し、市町村教育委員会や教員に周知徹底を図っていると伺っております。
今回の謝礼問題では、より多く謝礼を払った会社が実際の採択で多くの教科書採択区において採択されていることなどからも、まだまだこの問題に目を光らせる県民の目は大変厳しいものがあると強く感じていただきたいものであります。この先も、公立小学校や公立高校の教科書採択が控えております。公立高校の歴史教科書採択では、各学校別での教科書選定後の採択となっておりますので、教員が教科書会社からの金品の授受など言語道断ですが、より教科書会社との接し方などには細心の注意が必要であると考えております。
昨年、全国的かつ本県でも大変問題となった教科書謝礼問題についてどのように反省、総括し、ガイドラインの周知徹底など具体的にどのような対策をして、今後採択でどう生かされるのか、教育長にお尋ねをいたします。
A 関根郁夫 教育長
いわゆる教科書謝礼問題では、教科書発行者の依頼に安易に応じて検定中の教科書を閲覧し、意見を言って謝礼を受け取ってしまうという、教員側の意識の低さを痛感しております。
教科書採択に対する県民の信頼を失わせてしまったことを、大変申し訳なく思っております。
今回の問題を受け、信頼回復、再発防止の観点から、文教委員会において御意見をいただきながら昨年10月にガイドラインを策定いたしました。
この中で、教科書会社が発行する教科書や指導書などの著作・編集に関わる場合は、教科書採択に関わらない。意見聴取などは、機会・期間を問わず、一切の金品、供応を受けないといったことを定めました。
また、質の高い教科書の実現のために、教員の意見を、教科書の著作・編集を通じて積極的に教科書会社に伝えるべきであることも盛り込みました。
既に、市町村の教育長、市町村立学校長、県立学校長に直接説明を行うとともに、教科書協会を通じて、各教科書発行者に要請を行っております。
さらに、ガイドラインには、教科書採択の公正性・透明性を高めるために、会議の公開や議事録の公表を盛り込んでおりますが、今回の事案を契機に、各採択地区では改善が図られております。
また、議員御指摘のとおり、今後の採択において、不公正な行為があったと認められる場合には、採択のやり直しを行うことができるよう、制度が改正されたところです。
教科書採択は、採択権者である教育委員会がその権限と責任を自覚し、主体的に行うことが必要です。
ガイドラインには、主体的な採択の在り方や制度改正なども盛り込んでありますので、各市町村の教育委員がしっかり理解して採択に当たれるよう、指導してまいります。
今回のような問題が二度と起こらないよう、教育委員や教職員一人一人に対して、ガイドラインの周知徹底を図り、県教育委員会及び市町村教育委員会における教科書採択の公正性・透明性の確保を徹底してまいります。
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