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掲載日:2023年5月9日

平成29年2月定例会 「予算特別委員長報告」

委員長 鈴木 聖二

予算特別委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されました案件は、議案20件であります。
初めに、執行部から予算の全体説明を3月9日に受けた後、部局別質疑を3月16日まで6日間、集中的に審査を行いました。
以下、論議のありました主なものについて申し上げます。
まず、「JR東日本に対し、視覚障害者の利用頻度が高い駅にも優先してホームドアを整備するように働き掛けるべきではないか」との質疑に対し、「ホームドアの整備について、国は1日の利用者10万人以上の駅を優先して整備する方針であるが、10万人未満の駅であっても視覚障害者の利用状況や整備要望を勘案したうえで、優先的な整備を検討することとしている。県としても国の方針に沿って、整備を働き掛けていきたい」との答弁がありました。
次に、「平成29年度予算において、私立高校生に対する授業料補助が拡充されると聞いているが、県の考え方はいかがか」との質疑に対し、「授業料の実質無償化の範囲をこれまでの年収約500万円未満の世帯から、609万円未満の世帯まで拡充したい。子供たちが経済的な理由により進路を左右されることがなくなるとともに、学費を気にせず学業に専念できる環境づくりを一層進められる」との答弁がありました。
次に、「展開エコタウン事業のエネルギー自給率が低迷しているのはなぜか」との質疑に対し、「エネルギー価格の安定、再生可能エネルギーの買取価格の低下のため、太陽光発電設備の導入が少ないことが挙げられる。また、地域的な理由として、所沢市では築30年以上の家が多く、また、高齢化が進んでいること、草加市では、面積が小さい家が多いことから太陽光パネル設置が進まない」との答弁がありました。
次に、「地域包括ケアシステムモデル事業の4市町の成果報告書について、どのモデル市町も地域の独自性を感じなかった。今後、モデル事業を基に作るマニュアルに各市町村が従うことで、かえって地域の特性が生かされないということにならないか」との質疑に対し、「マニュアルの作成はとても重要である。例えば、生活支援では、高齢者が生活するために掃除、ゴミ出し、調理などの支援体制を整備するが、都市部であればNPO、町村部であれば自治会と連携するといった生活支援体制整備のやり方にいくつかパターンが出てくる。そういう意味で4市町を都市部と町村部に分けて選んでいる。多様なパターンを示すことで市町村の参考になるようにしたい」との答弁がありました。
次に、「健康長寿埼玉プロジェクトは、県の予算を使って1日1万歩のウオーキングを全県展開することとしているが、大きな方向転換をするべき時期である。目標400,000人に対し、参加者は約13,000人しかおらず達成は不可能だと思う。様々なスポーツによって健康長寿を目指すべきではないか」との質疑に対し、「どのスポーツに取り組むかは個人の自由であるが、県としては歩くという簡単なことから始めてもらい、自分の健康を気遣ってもらいたいと考えている。そういう意味で、目指すところは同じであると考えている」との答弁がありました。
次に、「試験研究は農林水産業振興の土台であるが、必要な予算は確保できているのか。また、試験研究機関の人員体制はどうか」との質疑に対し、「試験研究の予算額は過去10年で最大で、必要な額をお願いしたところである。加えて、国の独立行政法人の競争的資金などの確保や、他の都道府県、民間企業の力を頂きながら研究を進めていきたい。また、人員体制を強化するため、次世代技術実証普及センターに4人、農業技術研究センターに2人の研究員を増員したい」との答弁がありました。
次に、「小児医療センターは医療機器の搬入で床が歪んだと聞いた。建築したばかりであるがどういう認識なのか。また、大きな問題であるにもかかわらず、12月定例会以後、報告がなかったが、議会にも情報を共有すべきではないか」との質疑に対し、「運搬方法など原因を現在調査している。議会への情報提供が遅れたことは大変申し訳ない。診療には影響がないので、原因究明をしっかりした上で報告させていただこうと考えていた」との答弁がありました。
このほか、主な質疑事項として、財政調整のための基金残高の見通し、青少年「街の応援団」事業、防災学習センターのリニューアル、シニア活躍の推進、圏央道の開通、熊谷ラグビー場の利活用、川口市における夜間中学の設置、産業団地の整備、水循環センターの包括的民間委託、特殊詐欺などについて質疑がありました。
次に、総括質疑を3月21日に行い、更に慎重な審査を重ねました。
以下、論議のありました主なものについて申し上げます。
まず、「埼玉エコタウンプロジェクトの成果として、22.5%のエネルギー削減ができたとの推計値だけで満足しているのはいかがなものか」との質疑に対し、「家庭で使用するエネルギーの削減につながるエコタウンの仕組みは相応に評価されている。断熱効果など各家庭の構造の違いなどの把握も必要なため、実測値での測定は相当困難で、どこまでできるか分からないが、推計値だけで満足するのではなく、実測値を追跡すべきとの指摘はしっかり受け止めていく」との答弁がありました。
次に「地域包括ケアシステムの構築はボトムアップで進められるべきものであり、県の役割はモデル市町を指定するのではなく、市町村の相談に応じ、市町村独自の取組を支援することではないのか」との質疑に対し、「国がモデルを示しておらず、県も市町村も手探りである。モデル事業を実施する中で見えてきた課題を整理して他の市町村に伝え、地域包括ケアシステム構築を支援していく。御指摘を踏まえ、関係市町村とよく相談して考えていく」との答弁がありました。
また、「県外の私立高校に通う高校生に対する父母負担軽減事業を再開するべきと考えるがどうか」との質疑に対し、「国の就学支援金が導入され、一定程度の父母負担が軽減される中、県はどちらかといえば県内の私学振興に力を入れてきた。また、関東各県も自らの県内の私学振興に力を入れており、本県も同じように対応せざるを得ない状況である。課題があることは解決しなければならないと思っている」との答弁がありました。
このほか、主な質疑項目として、埼玉版ウーマノミクスプロジェクト、結婚・出産・子育ての希望実現、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けた対応、準天頂衛星システムの活用、がん対策、地域性を生かした埼玉県づくり、県と市町村が一体となった取組、ブラック企業対策、子供の貧困対策・児童虐待防止対策などについて質疑がありました。
次に、討論及び採決を3月22日に行いました。討論では、第1号議案に反対の立場から、「八ッ場ダムや思川開発などの大型ダム事業は治水・利水上の必要性がないことから反対する」との討論がありました。そのほか、第15号議案、第17号議案及び第19号議案についても反対の立場から討論がありました。
一方、第1号議案に賛成の立場から、「人口構造の変化への挑戦として、市町村と協力して64本の矢で実効性のある少子化対策に正面から取り組むことや、強い埼玉県経済を作り、非正規雇用者が正社員となれるような施策を展開することは意義ある取組であることから賛成する」。また、「県財政の均衡を図りながらも史上3番目の予算規模となる県の積極的な姿勢は、5か年計画の初年度として必要にして十分なインパクトがあり、具体的な成果が期待されるものであることから賛成する」との討論が、また、「外部の視点に立って、困っている県民を救うための施策が実現できることを期待して賛成する」との討論がありました。
以上のような審査経過を踏まえ、採決いたしましたところ、まず、第1号議案、第15号議案、第17号議案及び第19号議案については多数をもって、第2号議案ないし第14号議案、第16号議案、第18号議案及び第43号議案については総員をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、第1号議案に対し、附帯決議として、「第一に、『埼玉エコタウンプロジェクト』については、平成24年度から実施されているにもかかわらず、実績値ではなく推計値で省エネ効果の判定を行っており、投資に見合った成果がなく、全県展開についてはその実現性が希薄である。また、事業の検証が十分になされていないことから、まずは事業の検証を行い結果を議会に報告すること。第二に、『埼玉版ウーマノミクスプロジェクト』については、まずは足元である県庁内の状況改善を図ることを優先すること。また、女性起業家と女性経営者への金融支援について、女性に対してのみ融資利率を優遇することは、県民の公平・平等に欠けることから事業を見直すこと。第三に、『健康長寿埼玉プロジェクト』については、多様化した運動環境の中で、県民に対し健康寿命の延伸と医療費を抑制するという大義名分の下、モデル事業として特定の手法のみを全県へ展開することについて疑義が生じることから、慎重な検証を行い議会に報告すること。第四に、『地域包括ケアシステム』については、全県画一的なシステムを導入するのは合理的でないことから、モデル事業を展開することのみに固執することなく、各市町村の取組の進捗状況を踏まえた的確な支援に重点を置くこと。第五に、『北部地域振興交流拠点機能調査事業費』については、埼玉県5か年計画特別委員会において修正案が可決された。ついては、当該事業関連予算の執行を停止すること。第六に、『旧浦和図書館敷に係る財産収入』については、当該不動産は県の重要な資産であるため、安易に土地の貸付収入を得ることを考えるべきではない。県庁に極めて近接している利便性の高い土地でもあることから、駐車場整備による貸付収入を得ることを中止し、改めて県民にとって最も有効な活用方法を早急に検討すること。第七に、『多子世帯応援クーポン事業』については、事業の根幹とされている市町村との環境整備が十分ではない。事業実施に当たり、市町村との連携や運用手法の精査、当事業の効果を十分検証し、議会に報告すること。以上、これらの事業についてその必要性や執行方法について十分に検討し、適切な対応を求める」旨の提案があり、質疑並びに附帯決議に反対及び賛成の立場から討論があり、採決いたしましたところ、多数をもって附帯決議を付すことに決した次第であります。
以上をもちまして、本委員会の報告を終わります。

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