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掲載日:2023年5月9日
Q 岩崎 宏 議員(自民)
私は、鳥獣被害を減らすには、捕獲から食肉利用まで一貫した対策が必要であると考えています。そのため、地元では鹿肉の品質を高める事業に取り組み、さらに子供の頃からジビエ料理に親しむように地元の中学・高校と連携して普及啓発活動を行っています。また、長瀞げんきプラザでは今週末に『刃物とジビエから学ぶ「生きる力」』を開催すると伺っており、良い取組であると評価しております。
さらに、北海道庁では毎月第4火曜日を、「シカの日」としてエゾシカ肉を多くの人に食べてもらえるよう道内全体でPR活動を展開しております。私も地元の商工会などのメンバーと北海道中標津町の取組を現地視察しました。第4火曜ということで、「シカ」ということですね。
そこで、まず教育長にお伺いします。
鳥獣被害の状況や食肉利用の大切さを学校教育のプログラムに取り込むべきと考えます。また、北海道の取組のようにジビエの日を定め、学校給食で提供することを提案します。食物連鎖や食育、命の大切さを学ぶ機会となり、さらにはジビエ料理に親しむこともできます。将来の消費者を育成できれば、捕獲した鳥獣の利活用につながります。
教育長は就任時の所信表明で、「地域資源を教育に生かしていきたい」と述べています。教育長の答弁を求めます。
併せて、農林部長にお伺いします。
前回の一般質問で「捕獲した鳥獣を埋設や焼却処分するのではなくて利活用すべき」と伺いました。将来的には、旧大滝村、横瀬町や鳥獣被害の多い比企地域などにも食肉解体施設の整備を進めるべきであると指摘しました。農林部長からは「国の交付金を活用し、捕獲した鹿などの解体施設整備を支援する」との答弁がありました。国では、ジビエ倍増モデル整備事業を実施しており、本県でも参加すべく検討しましたが、解体処理の採算ベースとなる食肉処理頭数1,000頭以上という要件を満たす体制を整備することが難しく、参加できませんでした。全国では17のモデル地区が選定され、ビジネスとして持続できる安全で良質なジビエの安定供給を実現するための処理加工施設の整備が進んでいます。このままでは、本県は全国から遅れることになります。
今後、本県では、食肉解体施設をどのように整備していくのか伺います。処理施設の整備目標などを策定するのでしょうか、農林部長の答弁を求めます。
A 小松弥生 教育長
まず、「鳥獣被害の状況と食肉利用の大切さを学校教育プログラムに取り込むべきについて」でございます。
秩父地域の中学校では、総合的な学習の時間に鳥獣被害の状況などについて地元の方からお話を伺ったり、商工会と連携し鹿肉カレーなどの試食を行い、ジビエ料理をPRしたりする学習に取り組んでおります。
また、皆野高校におきましては、地元企業と連携し、地域で捕獲されたシカやイノシシのジビエを用いたハンバーガーの製造、販売を行い、売上の一部を秩父地域鳥獣害対策協議会に寄付する取組を行ってまいりました。
今後は高校生が、これらの取組から得た学びを、地元の小・中学校に出前授業をして伝えるということを予定しております。
また、各市町村教育委員会を集めた会議で鳥獣被害の状況や学校における食肉利用の実践事例を紹介してまいります。
次に、「『ジビエの日』を定め、学校給食で提供することについて」でございます。
学校給食の食材につきましては、一定の質で大量に確保できるか、非常に安価な給食費の範囲内で購入できるか、といった観点で検討をいたします。
現状では、ジビエを学校給食に提供することは、こういった観点から難しいのではないかと考えております。
しかしながら、今後このような課題、改善されることもございますので、
課題の改善状況を踏まえ、学校給食における「ジビエの日」の設定や、ジビエを学校給食に提供することについて、研究を進めてまいります。
A 篠崎 豊 農林部長
農作物の被害防止のために捕獲したシカなどをジビエとして活用する時の解体施設の整備につきましては、国の交付金を活用することが可能です。
議員お話のジビエ倍増モデル整備事業においては、採算の点から年間1,000頭以上の処理が求められておりますが、モデル事業以外の交付金では処理頭数の目標はありません。
しかしながら、運営の早期黒字化や、野生鳥獣による被害軽減の早期達成を目指す計画の策定、解体施設周辺の住民との合意形成、近隣の市町村との連携した体制づくりは必要です。
このため、県では解体施設の設置を希望する市町村の意向を確認しながら、施設の整備計画の策定や、捕獲から処理、販売までのルートづくりなどについて、地域の鳥獣害対策協議会の取組を支援しております。
県といたしましては、県としての整備目標をお示しするのではなく、地域の体制が整った順に、解体施設の整備に向けて交付金の活用を進めてまいります。
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