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掲載日:2023年5月9日
Q 高木真理 議員(立憲・国民・無所属)
私が地元で大宮公園のグランドデザインについてお話をすると、かなりの確率で皆さんから「ところで競輪はどうするんだい」と聞かれました。この問題を抜きにして、大宮公園は次のステップに進めないように思います。どうやら競輪は、愛好者とそれ以外の人々の間に断裂が生まれてしまっている競技のようです。ファンの年齢層が上がり、客単価が下がり、車券購入者も減少する中ではありますが、一定のファン層により競輪事業は今も財政に貢献をしています。毎年、大宮競輪と西武園競輪の2場合わせて、コンスタントに1億円以上の繰入れを実現し、大宮公園には使用料として約2億円を納めています。包括委託は、運営に民間の良さが導入されていて、私も先日、倉茂杯開催時に足を運ばせてもらいましたが、ファンが楽しめる企画などを工夫している様子も見えました。
しかし、こうしたことがファン以外の一般県民には関係ないことになっています。そして、歴史と伝統ある大宮公園が、昔の余り良くない印象のギャンブルに占拠されたままになっている感覚になっていると言えます。
先日、私が見に行った倉茂杯は人気の高いレースになりますが、それでも観客は一部のスペースに固まっていて、バックスタンドは全て閉鎖したまま開催されていました。また、かつて車券の売り子さんが座っていた窓口には全てカーテンが引かれデッドスペースに、機械やネット購入の時代なので当然です。また、レースの様子や情報を流すための液晶画面がところどころに設置されていますが、むしろ使われないまま置かれているブラウン管テレビが目立ちます。飲食スペースも耐震を心配するほどの昭和レトロ調です。きれいに掃除は行き届いていますが、取り残された空間のようです。少額でも収益を上げ続けているから、漫然と設備を現状維持していればいいというのは、県民に理解が得られない状況になっていると思います。
私は、グランドデザインの検討が始まったとき、3競技場の行方がもう少し分かりやすいものに整理されるかなと思っておりました。しかし、個々の問題には立ち入らない提言になるようですから、やはりここから先の具体は、利害と利害がぶつかる議論をしていかなくてはなりません。大宮競輪場は、大宮公園の顔の一部を構成する競技場として、このまま漫然と存在するのではなく、方向性を定めて進む必要があります。
そこで、知事に伺います。
競輪事業は、新しいファンも楽しめたり、公園の一角にあっても大宮公園の格を損なわないような新競技場を整備する方向で続けるのか、それとも公園の再編に向けて、思い切って事業に区切りをつける方向で決断をするのか、どちらを選択されるでしょうか、お答えください。
知事は、全国競輪施行者協議会の会長を長く務めておられます。売上減少で運営難に陥っていた競輪事業を再び軌道に乗せるべく、分担金の引下げなど先頭に立って改革をされました。立場が判断を難しくするかもしれませんが、多くの県民が感じているように、競輪場の空間の方向性を決めないことには、大宮公園が生まれ変わっていく方向が見えないのです。むしろ施行者協議会の会長として、今後の競輪事業の方向性はこのように決断するのだという範を示していただきたいと思います。
A 上田清司 知事
本県の競輪事業はミッドナイト競輪やナイター競輪の実施により、売上げはインターネット投票の増加や場外発売が拡大し、確実に伸びております。
今年度も対前年比で17億2,000万円、6.8%の増加を見込んでおります。
これから得た収益を一般会計に繰り出すことで、公営競技本来の目的である財政貢献にも着実に果たしております。
平成30年度の一般会計への繰出金は約1.7億円となる見込みです。
さらに、これとは別に競輪事業の実施を通じて年間約2億円の双輪場使用料を県に支払っていることは、御指摘のあったとおりでございます。
大宮公園全体の通常の維持管理費は年間約4億円ですので、半分程度が競輪による収益で賄われていることになります。
また、本県は高校生の自転車競技人口が日本一多く、アマチュア自転車競技も大変盛んです。
双輪場ではこれらの大会の会場や高校生選手の皆さんの練習の拠点ともなっております。
今年1月にインドネシアで開催されたアジア自転車競技選手権大会で銅メダルを獲得した県立川越工業高校の飯田風音さんは毎週ここで練習をし、競技力を磨いておられます。
大宮双輪場は元々昭和15年に開催が予定されていた幻の東京オリンピックの自転車競技場として建設されておりオリンピックのレガシーの一つともいえます。
競輪事業としては東日本競輪発祥の地で昭和24年の初開催以来、長い歴史と伝統がございます。
大宮公園のグランドデザインの大枠を受け止めていかなければならないとは思いますが、まずは議員から御指摘のあった不要な施設や老朽化した施設などについて、放置せず検討した上で最短で撤去したいと思います。
その上で、歴史と伝統を誇る双輪場が競輪事業を含めアマチュア競技の拠点として、更に県民誰にも訪れてもらえるよう計画的に整備していきたいと考えております。
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