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掲載日:2023年5月9日
Q 小島信昭 議員(自民)
知事、2025年への挑戦はいかがですか。上田知事でなければできない成果を挙げられたようには思いません。4期目の最大の課題として、2025年への挑戦を挙げられています。
そもそも2025年問題とは、地域包括ケアシステムに代表されるとおり市町村に密着した事業であり、県としての役割は限られてしまうのではないかというのが私の率直な感想です。このためか、知事が出馬に当たって最大の公約とした割には、県の事業にいまひとつ訴求力が欠けているように感じます。
例えば、知事は記者会見で、「在宅医療連携拠点を県内30郡市医師会の区域ごとにオープンをし、日本で一番早く整備された」と述べています。この拠点は、あくまでも相談窓口であり、サービスを受けられるわけではありません。その相談実績を見ても、県民ではなく、医療機関や介護関係者が約8割を占めており、県民にとって身近な事業とは言いがたいように思います。
また、平成29年2月定例会の予算特別委員会において附帯決議されましたが、地域包括ケアシステムモデル事業についても、自立促進モデル、介護予防モデル、生活支援モデルなど、県が画一的な取組手法を各市町村に提示するものとなっております。県では、オーダーメード・伴走型の支援をするとしていますが、各市町村の地域の実情を十分に把握していない県が支援をするのは現実的には難しく、住民にとって有益な事業とはならず、県の自己満足に終わっていることも想定されます。
相談拠点を30カ所整備した、あるいは市町村にモデル事業を実施してもらい、成果報告会を行ったといった行政目線ではなく、それぞれの地域の実情を捉え、県民の目線で県民の福祉サービスが向上するような事業を実施していくことこそが重要ではないでしょうか。
そこで、知事に伺います。
多選自粛条例を破ってまで出馬した理由である2025年問題、その目玉である地域包括ケアシステムについて、上田知事でなければできない知事の役割は何かをお答えください。
A 上田清司 知事
私は団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、県民の皆様が高齢になっても安心して住み慣れた地域で生活が続けられるよう、地域包括ケアシステムを早期に構築しなければならないと思いました。
議員お話しのように、地域包括ケアシステムの構築主体は市町村ですが、県は広域自治体として市町村を支援する責務がございます。
県はこれまで人材育成や先進的な事例の提供、市町村と関係団体とのつなぎ役など、県の強みを生かして市町村を支援してまいりました。
私は日頃から、埼玉県政は県庁だけで進めるものではなく市町村との協力、各種団体、企業、NPO、ボランティアなどの力を最大限に結集して行うべきだと考えております。
例えば医療と介護の連携については、実施主体である市町村には医療の専担組織がなく、地元医師会との調整が難しいと言われておりました。
そこで私は県医師会と共同で県内全ての郡市医師会の地域ごとに医療と介護の相談窓口となる在宅医療連携拠点を設置し、平成30年4月からはその運営を市町村に一斉に移行したところでございます。
この取組は全国でも例がなく初めてのことでございます。
これは私がこれまで培ってきた市町村長や県医師会をはじめとする関係団体との強い信頼関係の中にあってできたものと自負しているところでございます。
この在宅医療連携拠点では在宅療養を希望する県民の依頼を受けたケアマネジャーなどからの訪問診療医や訪問看護サービスの紹介に関する相談などに対応しております。
利用したケアマネジャーからは医師との連携がスムーズになったとの声もいただいており、県民の皆様が住み慣れた自宅で暮らし続けるために重要な役割を担っております。
モデル事業について御意見をいただいております。
モデル事業は、事業を通じて得られた取組の手法を地域の実情に応じて市町村にアレンジしていただいております。画一的なものを押し付けたものではございません。
さらに、平成30年度からは附帯決議も踏まえて、市町村に対し地域の実情に応じた個別の支援に力を入れております。
具体的には、平成30年4月から6月にかけて全市町村に職員が直接出向いて地域ケア会議の立ち上げや生活支援にどう取り組んでいきたいかなど意見を交換させていただいております。
この意見交換を踏まえて、県や県社会福祉協議会の職員、理学療法士などの専門職で構成する「総合支援チーム」を市町村が求める支援の内容に合わせて派遣し、アドバイスを行っております。
平成30年4月から現在まで延べ400回以上派遣しており、市町村からも事業をどう進めてよいか不安だったが県の支援により具体的な取組につなげることができたなどの声もいただいております。
今後も引き続き市町村長、県医師会などの関係団体との連携を深め、地域包括ケアシステムの構築に取り組んでまいります。
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