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掲載日:2023年5月9日

平成31年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文(小島信昭議員)

最小最強の県庁の光と影

Q   小島信昭   議員(自民

上田知事が就任した平成15年度以降、知事部局の職員定数は削減を続け、8,146人だった定数が平成29年度には6,730人となり、合計で1,416人、17.4%の削減が行われています。削減の指針が行財政改革プログラムです。平成20年度からの新行財政改革プログラムでは、3年間で500人の削減目標を掲げ、目標どおり500人を削減。23年度からの第3次同プログラムでは、3年間で300人の削減目標を掲げて300人削減しております。目標と実績がぴったりだと、数字ありきの削減だったのではないかと考えても不思議ではないでしょう。
もちろん、人件費が削減され、その分の予算が有効に使われれば、県民にとって光ともなるでしょう。また、職員の負担は増えますが、知事御自身の実績として使えるというメリットもあります。
しかし、そこには大きな影があることを忘れてはなりません。知事は、県民のサービスを低下させることなく、計画的に職員定数を削減してきたとおっしゃいますが、果たしてそうでしょうか。例えば農林振興センターで営農指導のために各地を回る普及員の数も減らされておりますし、普及員が減れば、指導する農家の数も当然減ってしまいます。1人減った分をほかの職員でフォローするにしても、限度があるでしょう。農家1軒当たりの滞在時間や回数を減らさざるを得なくなってしまいます。
定数削減は、退職する職員がいても、その分の職員を採用しない形で進められています。例えば農業職では、平成15年度から平成25年度までに定年退職した職員は104人いましたが、新規採用者は23人。平成27年と平成28年に20人、15人とまとめて採用されましたが、一方で、平成21年度に11人の定年退職者がいたにもかかわらず、翌年度1人も採用しないなど計画性がないため、中心となる30代前半から40代前半の職員が極めて少ない状況です。その結果、技術や知識の伝承が難しくなり、現場での指導ができず、経験を積むしばらくの間は、逆に農家から指導を受けているという話も聞いております。
農業職の例を申し上げましたが、技術系の職場を中心に様々な業務で同じようなことが生じています。民間であれば、職員が定年を迎える前に、後継ぎになる人に技術や知識を伝えて組織の力を温存する、そういう仕組みをとりますが、数ありきで削減してしまったため、技術や知識の伝承ができなかったのではないでしょうか。人手不足の昨今、就職戦線は売り手市場となり、職員の採用に苦労している現状を鑑みると、もっと計画的に採用すべきであったことは否めません。そこで、年齢構成のひずみによる弊害をどのように考えるのか、知事にお伺いいたします。

A   上田清司   知事

私は知事就任以来効率よく行政を行うにはどうすればよいのか常に問い続け、メリハリのある組織で最小最強の県庁を目指してまいりました。
徹底的な事業の見直しに始まり、IT技術の活用、市町村への権限移譲、民間的手法の導入や民間企業との連携など行政の効率化に努めています。
一方、県が自ら対応しなければならない重要課題に対してはしっかり職員を配置しています。
例えば、児童虐待防止については草加児童相談所の新設とともに児童福祉の専門職42人を増員する議案を今定例会に上程し、御審議をお願いしているところでございます。
効率化を図りながら重点的に職員を配置しており、県民サービスを低下させることなく計画的に職員定数を見直したもので、定数削減だけを目標としたものではございません。
職員の年齢構成は議員御指摘の農業職に限らず他の職種でも30代前半から40代前半の職員が少ない状況にございます。
そこで一定の民間経験のある人材を外部から登用し、技術分野の高度化、複雑化する課題に対応するとともに薄い年齢層の職員を補っています。
平成24年度から総合土木職と設備職に、平成27年度からは建築職に民間経験者を採用し、現在56人が県職員として活躍しています。
今後、他の職種についても県にとって有益な人材を確保できるかを検証し、民間経験者の採用を行うことも検討してまいります。
また、薄い年齢層の職員が担う業務に、経験豊富な再任用職員を配置することで、その年代を補う工夫もしております。
技術や知識の伝承については技術系の職場を中心に重要だと認識しております。
農業職の普及指導ではベテラン職員と若手職員が共に活動する「トレーナー制度」を設け、農家への講習会や若手職員による活動成果の発表会を実施しております。
これらを通じて若手職員に研鑽を積ませるとともに、農家の方々に技術や農業経営の支援などを行い実際の農作業に役立てていただいております。
県土整備事務所などでは現場経験豊富な職員と若手職員が一緒に現場を回る「現場の日」を設定し、平成29年度は1,082回実施しております。
税の徴収では滞納整理に精通した「徴税マイスター」が県税事務所に駐在し、高額・困難事案の処理を通じて県の若手職員にとどまらず市町村職員にも徴収技術を伝承しております。
効率的な行政運営を行いながら重点課題にはしっかり職員を配置し、ベテランと若手が協働し組織の総合力を高めて、県民サービスの向上に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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