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掲載日:2023年5月9日
Q 浅野目義英 議員(立憲・国民・無所属)
見沼田圃は、都心から20から30キロメートルに位置し、約1,260ヘクタールという広大な面積を持つ大規模緑地空間です。もはや、首都圏では数少なくなってきた貴重なものとも言えます。このゾーンは自然の宝庫であり、春には見沼用水沿いで桜や菜の花を楽しむことができます。秋には彼岸花などの花々をめでることができます。また、野生の鳥類など多数の生き物の生息地となっています。四季を通じて多くの方々が訪れ、自然との触れ合いを楽しまれています。
こういった生態系が広がるからこそ、田や畑の中を流れる芝川、加田屋川、見沼代用水と斜面林が一体となった独自の美しい田園風景が広がっています。また、この大規模緑地空間は、南風に乗ってやってくる熱気球などによって引き起こされるヒートアイランド現象の緩和の役割を果たしていることも見逃すことができません。
このように多様で重要な価値を持った見沼田圃ですが、その中でもこの斜面林は、「見沼田圃の保全・活用・創造のための基本方針」にもあるとおり、田園風景の重要な構成要素として欠かせないものであり、人々に潤いと安らぎを与えています。
私は、昨年の代表質問で、市民団体の方々が平成28年10月から11月にかけて、見沼田圃地域の斜面林114カ所の現地調査を丁寧に行い、平成23年3月に埼玉県が発行した「見沼田んぼガイドマップ」で樹林地、斜面林などとされている箇所と比較したその調査結果を、この議場で報告をさせていただきました。こういった内容でした。「約5年間で斜面林が14カ所、5万6,357平米が消失してしまった。残る斜面林は100カ所、53万7,166平米となってしまっている。10.5%、1割以上にも及ぶ斜面林が消失してしまったことになる。危機に瀕する斜面林の状況を認識することができる。また、消失、消滅斜面林は、市街化区域よりも市街化調整区域での資材置き場、墓地などに開発される度合いが高く、残念なことに見沼田圃を取り巻く景観の美しさが損なわれつつある」、私は、見沼田圃の低地区域と周辺台地のエッジにある斜面林が危機的な状況にあることを説明し、知事に保全対策の必要性について訴えました。知事からは、昨年、「県、さいたま市、川口市で構成する連携会議において保全策を早急に取りまとめ、実効性のある対策を行う必要があると考える」と答弁がありました。
知事に、今回もこの問題について伺います。将来に禍根を残さない、斜面林の保全には公有地による対応が是非とも緊急に必要と思っています。県、さいたま市、川口市で構成する連携会議での検討を踏まえ、どのような実効性ある保全策を進めようと考えているのでしょうか。見沼田圃の自然、歴史、文化を県民のかけがえのない環境資産として後世に伝える強い意思表示と行動が必要です。知事としての御見解を答弁ください。
A 上田清司 知事
見沼田圃は都市化されたエリアにおいて豊島区と同等の広さを持つ首都圏に残された貴重な大規模緑地空間であり、周辺に広がる斜面林は見沼田圃の魅力を高めています。
さいたま市と川口市でも国の交付金を活用した斜面林の取得を進めており、現在までにも県と両市合わせて約6.8ヘクタールの公有地化が行われております。
公有地化などを行っていない斜面林については相続の発生などを契機に売却、開発され斜面林の消失が進んでいく可能性もございます。
そのため、県、さいたま市、川口市で構成する見沼田圃の保全・活用・創造を図るための会議において、斜面林を早急に保全する方策を検討してきたところでございます。
その結果、昨年6月に見沼田圃の田園景観の重要な構成要素である斜面林を公有地化し早期に保全するため、見沼田圃保全のための基金を活用する方針を決定いたしました。
具体的には、両市が斜面林を公有地化する際には土地購入費の3分の1にこの基金を充てることとし、県の平成31年度当初予算案にも9,200万を計上しております。
これにより両市はこれまでの半分の負担となり、より多くの斜面林を公有地化することが可能になります。
また、斜面林保全に基金を活用することについては早期の公有地化を図るため10年間に限定し、候補地については県と両市が協議しながら選定を進めていくこととしています。
今後とも両市と連携を密にしながら、見沼田圃の斜面林の保全に努めてまいります。
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